問題
マンションの敷地利用権に関係する地上権及び地役権に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
地上権は物権であるため、地主の承諾なく譲渡できます(ア:正しい)。賃借権は契約上の権利(債権)なので、譲渡には賃貸人(地主)の承諾が必要です(民法612条)。地役権は要役地と一体であり、地役権だけを切り離して処分することはできません(イ:誤り)。登記は第三者に対抗するための要件であり、地役権を設定した当事者(承役地の所有者自身)との間では登記がなくても地役権を主張できます(ウ:誤り)。正答はアです。
地上権(民法265条以下)は他人の土地において工作物又は竹木を所有するためその土地を使用する物権であり、地上権者は土地所有者(地主)の承諾なく地上権を譲渡できます。これは賃借権(債権)と異なる大きな特徴です。アが正答。イについて、民法281条1項は地役権は要役地の所有権に従たるものとしてその所有権とともに移転し、又は要役地について存する他の権利の目的となると規定し、同条2項は地役権は要役地から分離して譲り渡し、又は他の権利の目的とすることができないと規定します。イは誤り。ウについて、不動産に関する物権の得喪及び変更は登記をしなければ「第三者」に対抗できない(民法177条)とされていますが、地役権を設定した承役地の所有者は当事者であって第三者ではありません。当事者間では登記がなくても地役権を主張できるため、ウは誤り。なお承役地の譲受人などの第三者との関係では登記が対抗要件となりますが、その第三者が「登記の欠缺を主張する正当な利益を有する者」に当たるかどうかは事案に応じて判断されます。エについて、借地権(賃借権)が敷地利用権である場合、その更新は各区分所有者(借地権の準共有者)と地主との間の問題であり、管理組合を通じて行わなければならないという規定はありません(区分所有法は敷地利用権について独自の更新手続を規定していません)。エは誤り。
マンションの敷地利用権は①所有権(最も多い・敷地権の登記で専有部分と一体化)、②地上権(物権・地主の承諾なく譲渡・賃貸可)、③賃借権(債権・譲渡や転貸に地主の承諾が必要・借地借家法適用)の三類型があります。区分所有法22条1項は、敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合、規約に別段の定めがない限り、専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分できないと規定しています。地上権(民法265条以下)は「工作物又は竹木を所有するため、他人の土地を使用する権利」で、建物所有目的であれば借地借家法が適用され、存続期間は30年以上となります(借地借家法3条)。物権であるため①地主の承諾なく譲渡・賃貸可、②対抗要件は登記(建物所有目的なら借地上建物の登記でも可・借地借家法10条1項)という特徴があります。ただし地代の定めがある場合、地上権者が引き続き2年以上地代の支払を怠ったときは、土地所有者は地上権の消滅を請求できます(民法266条1項・276条)。地役権(民法280条〜294条)の付従性(要役地に従たる性質・281条1項)は重要論点で、要役地の所有権が移転すると地役権も要役地とともに移転します。地役権の設定を第三者に対抗するには登記が必要です(177条)。マンション敷地に第三者の通行地役権が設定されている場合、管理組合は承役地の管理に当たって地役権の行使を妨げない義務を負います。実務では定期借地権を活用したマンション供給(定期借地権付きマンション)もあります。居住用のマンションに用いられるのは主に一般定期借地権(存続期間50年以上・借地借家法22条)や建物譲渡特約付借地権(30年以上・同法24条)であり、事業用定期借地権(同法23条)は専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く)の所有を目的とするため居住用マンションには利用できません。更新のないリスクを購入者に適切に説明することが重要です。
- 民法第612条・第265条・第281条・第177条・第266条・第280条e-Govで原文を読む
- 建物の区分所有等に関する法律第22条e-Govで原文を読む
- 借地借家法第3条・第10条・第22条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

