問題
マンション管理に関連した担保物権のうち、質権に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
質権は動産だけでなく、不動産や権利にも設定できます(ア:誤り)。弁済期前の契約で流質を約束することは禁止されています(ウ:誤り)。質権の設定には「引渡し(占有移転)」が必要です(エ:誤り)。質権者は質物から生じる果実を収取し、他の債権者に先立って自分の債権の弁済に充てることができます(イ:正しい)。正答はイです。
民法350条は留置権に関する民法297条を質権に準用しており、297条1項は「留置権者は、留置物から生ずる果実を収取し、他の債権者に先立って、これを自己の債権の弁済に充当することができる」と規定しています。イが正答。アについて、民法356条以下に「不動産質」の規定があり、不動産にも質権を設定できます。アは誤り。ウについて、民法349条は「質権設定者は、設定行為又は債務の弁済期前の契約において、質権者に弁済として質物の所有権を取得させ、その他法律に定める方法によらないで質物を処分させることを約することができない」と規定し、流質契約を禁止しています。ウは誤り(禁止されるのは設定行為又は弁済期前の契約による流質の約束です)。エについて、民法344条は「質権の設定は、債権者にその目的物を引き渡すことによって、その効力を生ずる」と規定します(要物契約)。エは誤り。
質権(民法342条以下)はマン管試験での出題頻度は低いですが、担保物権の体系的理解として必要です。質権は①動産質(352条〜355条)、②不動産質(356条〜361条)、③権利質(362条以下)の三種類に分かれ、総則(342条〜351条)が共通に適用されます。動産質の対抗要件は継続した占有です(民法352条:動産質権者は継続して質物を占有しなければその質権をもって第三者に対抗できない)。不動産質は登記が対抗要件で、質権者は目的不動産を使用収益できる反面(356条)、管理費用等を負担し(357条)、特約がなければ債権の利息を請求できません(358条・359条)。流質契約の禁止(民法349条)は、設定行為又は弁済期前の契約による流質の約束を禁止するもので、債務者の窮迫に乗じた暴利行為を防ぐ趣旨です。ただし商行為によって生じた債権を担保するために設定した質権については、流質契約が許容されています(商法515条)。管理組合実務では質権設定自体が珍しいですが、修繕工事業者が道具・資材を担保として留置する場面では留置権との混同に注意が必要です。譲渡担保(明文規定なし・判例法理)は目的物の所有権を債権者に移転する形式で担保目的を達する制度であり、これとは別に、代物弁済の予約等の形式をとって所有権移転の仮登記をする担保については「仮登記担保契約に関する法律」(仮登記担保法)が適用されます。仮登記担保では、清算金の見積額等を債務者等に通知し、その到達の日から2ヶ月(清算期間)を経過しなければ所有権移転の効力が生じません。
- 民法第350条・第297条・第356条・第349条・第344条・第342条e-Govで原文を読む
- 商法第515条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

