民法・区分所有法23債権・契約

マン管 民法・区分所有法 問23:債権・契約

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11

マンション管理委託契約における管理業者の債務不履行に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。

  • 管理業者が管理委託契約上の義務を履行しなかった場合、管理組合は損害賠償を請求するためには、必ず管理業者の「故意または過失」を証明しなければならない。
  • 管理業者の履行遅滞(定められた期日までに業務を履行しないこと)が生じた場合、管理組合が催告を行っても、管理業者に「帰責事由がない」ときは損害賠償を請求することができない。正答
  • 管理業者の債務不履行により損害が発生した場合、管理組合に過失があった(過失相殺)としても、損害額全額を請求することができる。
  • 管理業者の不完全履行(業務の内容が契約に適合しない履行)の場合、管理組合は履行の追完(補修・再履行等)を請求することができない。
正答:管理業者の履行遅滞(定められた期日までに業務を履行しないこと)が生じた場合、管理組合が催告を行っても、管理業者に「帰責事由がない」ときは損害賠償を請求することができない。

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2020年改正民法では、債務不履行による損害賠償の要件が「故意または過失」の証明から「帰責事由がないことの反証ができない限り賠償責任を負う」という構造に整理されました。管理組合は故意・過失を証明する必要はなく、管理業者側が「帰責事由なし(不可抗力等)」を立証しない限り賠償責任を負います(ア:誤り、イ:正しい)。管理組合にも過失がある場合は過失相殺で減額されます(ウ:誤り)。正答はイです。

標準試験対策の基準レベル

改正民法415条1項は「債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない」と規定します。「帰責事由がない(不可抗力等)」場合の損害賠償免除は、債務者側が主張・立証する責任があります(免責事由の立証は債務者側)。イが正答。アについて、改正民法では「故意または過失」の証明は不要であり、債務不履行の客観的事実(履行不能・履行遅滞・不完全履行)を立証すれば足り、アは誤り。ウについて、民法418条(過失相殺)は「債務不履行に関して債権者にも過失があったときは、裁判所はこれを考慮して、損害賠償の責任及びその額を定める」と規定します。強制的な減額であり、管理組合に過失がある場合は損害額が減額されます。ウは誤り。エについて、改正民法562条(履行の追完)は「引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる」と規定します。管理委託契約の不完全履行にも類推的に追完請求が認められると解されており、エは誤り。

上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

債務不履行(民法415条)の体系は2020年改正で大きく変わりました。旧法は「故意または過失」(過失責任主義)を要件としていましたが、改正法は「帰責事由がない場合の免責」(不可抗力免責)という構造に転換し、債務者側が免責事由を主張・立証することを求めます。これは契約上の義務を「結果債務」と「手段債務」に区別し、結果達成が義務付けられた債務(請負の完成給付等)では不達成自体が帰責事由を推定する設計です。管理委託契約は「管理事務の実施(手段・努力義務的側面)」と「特定結果の達成(例:修繕工事の完成)」が混在するため、帰責事由の判断は契約内容・社会通念による個別判断になります。債務不履行の効果は①損害賠償(民法415条)、②契約解除(民法541条〜543条)、③履行の追完請求(売買・請負の特則)の三種類です。2020年改正で「解除は帰責事由不要」となり(民法541条・542条に帰責事由要件なし)、解除と損害賠償の要件が分離されました。損害賠償の範囲(民法416条)は「通常生ずべき損害(通常損害)」および「特別の事情によって生じた損害であって、当事者がその事情を予見すべきであったとき(特別損害)」に限定されます。過失相殺(民法418条)は裁判所の必要的考慮事項であり、被害者の過失が認定された場合は必ず損害額・責任に反映されます(任意的でない点が不法行為の過失相殺「民法722条2項」と同様)。マン管試験では管理委託契約・工事請負契約・区分所有者間の損害賠償請求で本条が適用されます。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。

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