マン管 民法・区分所有法 問24:債権・契約
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
マンション管理組合が管理業者との管理委託契約を解除する場面における解除に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア管理業者が契約上の義務を履行しない場合、管理組合は催告なしに直ちに契約を解除することができる。
- イ管理業者の債務不履行を理由に管理組合が契約を解除した場合、当該解除は遡及効を持ち、原状回復義務(既払い報酬の返還等)が生じる。正答
- ウ解除は管理業者の帰責事由(故意・過失)がある場合にのみ認められる。
- エ継続的な契約関係(管理委託契約等)において、解除による原状回復は既存の法律関係を遡及して消滅させる必要があるため、解除後も管理業者は管理報酬を受領することができない。
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解除には原則「催告」が必要ですが(ア:誤り)、債務の全部不能等の場合は催告不要の「無催告解除」もできます。解除すると遡及効(最初からなかったことになる)が生じ、既払い報酬の返還義務が発生します(イ:正しい)。2020年改正で解除には帰責事由が不要になりました(ウ:誤り)。継続的な契約の解除は「将来に向かって効力を生ずる」とされ(判例)、既に履行された部分については原状回復不要とされます(エ:誤り)。正答はイです。
改正民法541条(催告解除)は「催告→相当期間経過→不履行の場合に解除可」、542条(無催告解除)は「全部不能・明確な履行拒絶・一部不能等で解除可」という構造です。解除に帰責事由は不要(改正点)。民法545条1項は「当事者の一方が解除をしたときは、各当事者は原状回復義務を負う」と規定します。イが正答(解除の遡及効と原状回復義務の発生)。アについて、原則として催告が必要(541条)です。アは誤り。ウについて、改正民法は解除の要件から帰責事由を削除しました(不可抗力による履行不能でも解除可・ただし損害賠償は不可)。ウは誤り。エについて、継続的契約の解除については、判例(最判昭和29年1月22日等)が「既に履行された部分については遡及効を認めず、将来効のみ」という解釈を採用しています。管理委託契約のように継続的に履行がなされる場合、解除前の既履行部分の報酬は返還不要です。エは誤り。
解除(民法540条〜548条)は2020年改正で重要な変更がありました。最大のポイントは「解除に帰責事由不要」(旧法は帰責事由必要・改正法541条・542条に帰責事由要件なし)です。これにより不可抗力による履行不能でも解除が可能になり、「解除=契約の清算」と「損害賠償=帰責事由ある場合の補填」が分離されました。催告解除(541条)は「相当の期間を定めて催告し、その期間内に履行なければ解除可」ですが、「催告期間経過時の債務不履行が軽微な場合は解除不可」(541条ただし書き・改正で追加)という制約があります。軽微性の判断は契約目的の達成可否を基準とします。無催告解除(542条)は①全部履行不能、②明確な履行拒絶、③一部不能で残部のみでは契約目的達成不可の場合等に認められます。解除の効果として民法545条の原状回復義務は「契約の遡及的消滅」の反映ですが、継続的契約(賃貸借・管理委託・雇用等)については判例が「将来効のみ」と解釈しており、545条の遡及的消滅は擬制として扱われます。実際の管理委託契約では標準管理委託契約書(国土交通省告示)に解約申入れ(3ヶ月前通知)・解除事由(管理業者の法令違反・業務不履行等)が定められており、区分所有法との整合・管理組合の手続き義務(集会決議・決算処理)が実務上重要です。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。