マン管
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

マン管 民法・区分所有法 問31|相殺

問題

マン管 | 民法・区分所有法 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11

マンション管理における相殺に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。

キーボード:1〜4で選択・Enterで次へ

タップするとすぐ答え合わせ

答え合わせ

正解は ウ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ

自信の3択

えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)

解説

相殺(民法505条〜512条の2)は「互いに対立する同種の債権を、一方の意思表示によって対当額で消滅させる」制度です。「自動的に」消滅するのではなく、意思表示が必要です(ア:誤り)。相殺は相手方に対する一方的な意思表示でするものであり、相手方の承諾は要りません(イ:誤り)。区分所有者が管理組合に対して弁済期にある金銭債権を持っていれば、それで相殺することは可能です(ウ:正しい)。正答はウです。

民法505条1項は「二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない」と規定し、民法506条1項は「相殺は、当事者の一方から相手方に対する意思表示によってする」と規定します。ウが正答。区分所有者が管理組合に対して弁済期にある金銭債権を持っている場合、相殺の意思表示により滞納管理費と対当額で消滅させることができます。アについて、相殺は意思表示によって効力を生じるものであり(506条1項)、自動的に消滅するわけではありません。アは誤り。イについて、相殺は単独行為であり、相手方の承諾は要件ではありません。イは誤り。なお「双方の債務が弁済期にある」ことについては、自働債権(相殺をする側の債権)の弁済期が到来していれば、受働債権については期限の利益を放棄して相殺することができます(136条2項)。エについて、相殺の意思表示は、双方の債務が互いに相殺に適するようになった時にさかのぼってその効力を生じます(民法506条2項)。「相殺後の利息は相殺時から発生する」というエは誤り。

相殺(民法505条〜512条の2)の2020年施行の改正の主要点は①不法行為等により生じた債権を受働債権とする相殺の禁止の範囲の整理(509条)、②差押えと相殺の優劣の明文化(511条)です。509条は、①悪意による不法行為に基づく損害賠償の債務(1号)、②人の生命又は身体の侵害による損害賠償の債務(2号)の債務者は、相殺をもって債権者に対抗できないと規定しています(ただし、その債権者がその債務に係る債権を他人から譲り受けたときを除く)。被害者に現実の賠償を受けさせる趣旨であり、これらの債権を「自働債権」として被害者側から相殺することは禁止されていません。差押えと相殺(511条)は、差押えを受けた債権の第三債務者は、差押え後に取得した債権による相殺をもって差押債権者に対抗できないが、差押え前に取得した債権による相殺をもって対抗できるとし(1項)、差押え後に取得した債権でも差押え前の原因に基づいて生じたものであれば相殺を対抗できる(2項・第三債務者が差押え後に他人の債権を取得したときを除く)としています。1項は、差押え前に取得した債権であれば弁済期の先後を問わず相殺できるとした従来の判例法理を明文化したものです。管理組合実務での相殺は、①区分所有者が管理組合に対して共用部分の修繕費用の立替金返還請求権を持ち、これで滞納管理費と相殺する事例(相殺適状にあれば有効)、②管理会社との精算で管理組合が過払い報酬の返還請求権を持ち相殺する事例などがあります。例えば、区分所有者が故意(害意)をもってマンション設備を破壊した場合、管理組合等の損害賠償請求権を受働債権として当該区分所有者の側から相殺することは、509条1号に当たる限り許されません。実務応用として、管理組合が滞納区分所有者から「共用部分の瑕疵による損害賠償請求権」をもって相殺を主張された場合、自働債権の存否・弁済期の到来(相殺適状の有無)を検討する必要があります。上位資格との接続として、行政書士・司法試験予備試験では相殺の遡及効(506条2項)と差押えとの優劣(511条)が頻出で、マン管の管理費回収実務でも同様の整理が応用可能です。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。