問題
マンションの共同区分所有(数人が共同で一戸のマンションを購入した場合等)に関連した連帯債務に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
2020年施行の改正民法では、連帯債務の絶対的効力事由(一人に生じた事由が全員に及ぶ事由)が縮小されました。「請求」は相対的効力になりました(ア:誤り)。「相殺」は絶対的効力が維持されました(イ:正しい)。時効の完成・免除も相対的効力になりました(ウ・エ:誤り)。なお更改と混同は引き続き絶対的効力を持ちます。正答はイです。
民法441条は「第四百三十八条、第四百三十九条第一項及び前条に規定する場合を除き、連帯債務者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない。ただし、債権者及び他の連帯債務者の一人が別段の意思を表示したときは、当該他の連帯債務者に対する効力は、その意思に従う」と規定します。改正後に他の連帯債務者にも効力を生ずる事由は、弁済等の債権を満足させる事由のほか、①更改(438条)、②相殺(439条1項)、③混同(440条)です。民法439条1項は「連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合において、その連帯債務者が相殺を援用したときは、債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅する」と規定しており、イが正答です。アについて、「請求」は改正前は絶対的効力でしたが(旧434条)、改正後は441条本文により相対的効力です。アは誤り。ウについて、「時効の完成」も改正前の絶対的効力(旧439条)から相対的効力に変更され、一人の連帯債務者について時効が完成しても他の連帯債務者の債務には影響しません。ウは誤り。エについて、「免除」も改正前は負担部分について絶対的効力(旧437条)でしたが、改正後は相対的効力となりました。エは誤り。
連帯債務(民法436条〜445条)の2020年施行の改正は「絶対的効力事由の縮小」が核心です。旧法では、請求・更改・相殺・免除・混同・時効の完成が絶対的効力事由とされていましたが、改正後は弁済等のほか①更改(438条)、②相殺(439条1項)、③混同(440条:連帯債務者の一人と債権者との間に混同があったときは、その連帯債務者は弁済をしたものとみなす)のみが絶対的効力を持ち、請求・免除・時効の完成は相対的効力になりました(441条本文)。ただし債権者と他の連帯債務者が別段の意思を表示したときは、その意思に従います(441条ただし書)。改正の趣旨は、連帯債務者の一人に生じた事由が他の連帯債務者に意図せず影響することを防ぎ、債権者の権利を強化することにあります。相殺が絶対的効力として維持されている理由は「相殺は弁済と経済的に同等であり、相殺によって実質的に債権者が満足を得たと評価できる」からです。また、相殺権を有する連帯債務者が相殺を援用しない間は、その連帯債務者の負担部分の限度において、他の連帯債務者は債権者に対して債務の履行を拒むことができます(439条2項)。マンション実務での連帯債務の典型例は、夫婦等が共同で購入したマンションの住宅ローン(連帯債務型の借入れ)などです。なお改正前に「不真正連帯債務」と呼ばれていた関係(例:共同不法行為者の損害賠償債務)も、改正後は基本的に連帯債務の規定によって処理されると解されています。
- 民法第441条・第439条・第436条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
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執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

