民法・区分所有法37賃貸借・借地借家

マン管 民法・区分所有法 問37:賃貸借・借地借家

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11

マンションの専有部分を賃貸する場合における敷金及び原状回復に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。

  • 敷金は、賃貸借が終了し目的物の返還を受けた時に、未払い賃料等の損害を控除した残額を賃借人に返還しなければならないが、賃借人は敷金返還請求権を担保として目的物の明渡しを拒むことができる。
  • 通常の使用による経年劣化(自然損耗・日焼け・通常使用による壁の汚れ等)については、賃借人が原状回復費用を負担する義務はない。正答
  • 賃貸借契約終了時の賃借人の原状回復義務の内容は、すべて当事者の合意によって変更することができ、借主負担の範囲を無限に拡大することができる。
  • 賃借人が専有部分に物品を取り付けた(例:エアコン設置・棚の設置等)場合、すべての付着物について原状回復の際に取り外す義務を負う。
正答:通常の使用による経年劣化(自然損耗・日焼け・通常使用による壁の汚れ等)については、賃借人が原状回復費用を負担する義務はない。

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原状回復について、通常の使用による自然損耗(経年劣化)は賃借人の負担ではなく、賃貸人の負担です(イ:正しい)。これは改正民法621条で明文化されました。敷金は明渡し後に返還されますが、明渡し前に敷金を盾に退去を拒むことはできません(ア:誤り)。原状回復の特約で借主負担を拡大することには消費者契約法等による制限があります(ウ:誤り)。付着物の取外しも契約・性質により異なります(エ:誤り)。正答はイです。

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改正民法621条は「賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く)を原状に復する義務を負う。ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない」と規定します(経年劣化は原状回復義務から除外)。イが正答。アについて、敷金の返還時期は「明渡し後」であり(改正民法622条の2第1項1号)、賃借人は敷金返還前でも明渡し義務を負います(同時履行の関係はない)。アは誤り。ウについて、消費者契約法10条は「消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する条項で、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものは無効」と規定します。賃借人(消費者)の原状回復義務を不当に拡大する特約は無効とされる場合があります。「無限に拡大できる」というウは誤り。エについて、エアコン等の付着物(造作)の取外し義務は、造作の種類・設置方法・契約内容(造作買取の有無等)によって異なります(借地借家法33条の造作買取請求権と関連)。「すべての付着物」について取外し義務があるとするエは誤り。

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敷金(改正民法622条の2)は2020年改正で明文化されました。定義は「いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭」です(622条の2第1項)。返還時期は①賃貸借が終了し賃貸物の返還を受けた時(1号)、②賃借人が適法に賃借権を譲渡した時(2号)です。敷金からの控除は「弁済期が到来した賃借人の金銭債務」に限られ、賃貸人は賃貸借終了前は控除できません(622条の2第2項)。原状回復(民法621条)のガイドラインとして国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」があり、①通常損耗・経年変化は賃貸人負担、②賃借人の故意・過失・善管注意義務違反は賃借人負担、③具体的事例(画鋲穴・タバコヤニ・ペット傷等)の判断基準が示されています。消費者契約法(10条)との関係では、原状回復義務を過度に拡大する特約(例:全室クリーニング費用一律負担・新品交換費用全額負担)は無効とされる場合があります(消費者契約では)。ただし事業者間取引では消費者契約法が適用されないため特約の自由度が高くなります。造作買取請求権(借地借家法33条)は、賃借人が賃貸人の同意を得て設置した造作について、賃貸借終了時に時価での買取を請求できる権利ですが、当事者の特約で排除可能です(同条2項で排除特約有効)。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。

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