マン管 民法・区分所有法 問38:賃貸借・借地借家
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
マンションの専有部分の建物賃貸借における更新及び解約に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア建物賃貸借契約の期間満了に際し、賃貸人(区分所有者)が更新を拒絶するには「正当事由」が必要であるが、正当事由は賃貸人の自己使用の必要性のみで判断される。
- イ建物賃貸借において期間の定めがある場合、賃貸人が期間満了の1年前から6ヶ月前までの間に更新拒絶の通知をしなければ、同一条件で更新(法定更新)される。正答
- ウ定期建物賃貸借(定期借家)は、期間満了で当然に終了し、賃借人からの更新請求に応じる必要がないが、再契約は一切禁止されている。
- エ賃借人が賃貸人の承諾なく無断で転貸した場合、賃貸人は常に原賃貸借契約を解除することができる。
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠条文・標準管理規約・国土交通省ガイドラインも明記。
建物賃貸借の更新拒絶には「正当事由」(借地借家法28条)が必要ですが、正当事由は「自己使用の必要性」だけでなく「賃借人の使用の必要性」「補償の申出」なども総合考慮されます(ア:誤り)。期間満了の1年前〜6ヶ月前に更新拒絶の通知が必要で、通知しないと法定更新されます(イ:正しい)。定期借家の再契約は禁止されていません(ウ:誤り)。無断転貸の解除は背信行為なき特段の事情があれば不可です(エ:誤り)。正答はイです。
借地借家法26条1項は「建物の賃貸借について期間の定めがある場合において、当事者が期間の満了の1年前から6月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知または条件を変更しなければ更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす(ただし期間は定めがないものとする)」と規定します。イが正答。アについて、借地借家法28条の正当事由は「①建物の使用を必要とする事情(賃貸人・賃借人双方)、②建物の賃貸借に関する従前の経過、③建物の利用状況、④建物の現況、⑤賃貸人による財産上の給付申出」を総合考慮します。賃貸人の自己使用の必要性のみでは足りず、賃借人の必要性との比較等も必要です。アは誤り。ウについて、定期建物賃貸借(借地借家法38条)は期間満了で更新なく終了しますが、同一条件または変更した条件で再契約(再度の定期借家契約)は可能です(38条7項)。「再契約は一切禁止」というウは誤り。エについて、無断転貸の解除については「背信的行為と認めるに足らない特段の事情」がある場合は解除不可という判例(最判昭和28年9月25日)があり、「常に」解除できるわけではありません。エは誤り。
建物賃貸借の更新制度(借地借家法26条〜28条)は借主保護の核心です。①合意更新(当事者の合意・26条1項の期間の法定更新と異なる)、②法定更新(26条1項・通知なければ自動更新・ただし期間は定めなし)、③更新拒絶(26条1項の更新拒絶通知+28条の正当事由)の三類型があります。正当事由(28条)の要件事実の立証は賃貸人側が負担し、実際に正当事由が認められることは難しく(特に賃借人が長期居住・高齢の場合)、財産上の給付(立退料)の申出が正当事由補完として機能します。定期建物賃貸借(38条)は「公正証書等の書面により期間を定めた賃貸借で、更新がないものとする旨を定めたもの」であり、賃貸人は賃借人に対して期間満了の1年前〜6ヶ月前に「更新がないことを記載した書面(または電磁的記録)」で通知する義務があります(38条4項)。この通知を怠ると期間満了での終了を主張できません(38条5項)。定期借家の再契約禁止の誤解は実務でも多く、再契約は可能であり(38条7項)、期間・条件の変更も可能です。マン管試験では、賃借人(占有者)が区分所有法44条の「占有者」として集会に意見陳述できること、賃借人の義務違反(区分所有法46条2項)として管理組合が直接賃借人に措置を求めることができること、との組合せで出題されます。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。