マン管
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

マン管 民法・区分所有法 問42|建物賃貸借と賃貸人の地位の移転

問題

マン管 | 民法・区分所有法 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11

賃貸中のマンションの専有部分が売買・競売等によって第三者に移転した場合における賃貸人の地位に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、最も適切なものはどれか。

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答え合わせ

正解は ウ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ

自信の3択

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解説

賃借人が対抗要件(引渡し)を備えていれば、専有部分の所有権が移転しても賃貸借契約は継続します(ア:誤り)。新所有者に賃貸人の地位が当然移転し(民法605条の2第1項)、敷金も新所有者に承継されます(ウ:正しい)。賃貸人の地位は当事者の合意で旧賃貸人に留保することも可能です(イ:誤り・605条の2第2項で留保合意可)。競売の場合は賃借人への保護が限定的ですが「直ちに明渡し」は一概には言えません。正答はウです。

民法605条の2第4項は、賃貸人たる地位が譲受人又はその承継人に移転したときは、第608条の規定による費用の償還に係る債務及び第622条の2第1項の規定による敷金の返還に係る債務は、譲受人又はその承継人が承継すると規定します。ウが正答。アについて、対抗要件(引渡し・借地借家法31条)を備えた賃借権は新所有者に対抗でき、賃貸借契約は継続します(605条の2第1項)。アは誤り。イについて、民法605条の2第2項は「前項の規定にかかわらず、不動産の譲渡人及び譲受人が、賃貸人たる地位を譲渡人に留保する旨及びその不動産を譲受人が譲渡人に賃貸する旨の合意をしたときは、賃貸人たる地位は、譲受人に移転しない」と規定します。留保合意は可能なため、「留保することはできない」とするイは誤り。エについて、抵当権設定登記より前に対抗要件(引渡し・借地借家法31条)を備えた賃借人は、競売による買受人にも賃借権を対抗できます。抵当権に後れる賃借人であっても、競売手続の開始前から使用又は収益をしていた建物使用者は、買受人の買受けの時から6ヶ月を経過するまでは建物の引渡しを猶予されます(民法395条1項)。いずれの場合も「直ちに明渡しを求めることができる」とは限らないため、エは誤り。

賃貸人の地位の移転(民法605条の2)は2020年改正で明文化されました。旧法下でも判例は、賃借権が対抗力を備えている場合、不動産の所有権の移転に伴い賃貸人の地位も当然に移転すると解していましたが、改正でこれが明文化されました。重要な実務論点は①敷金の承継(605条の2第4項・新賃貸人が敷金返還債務を承継)、②賃貸人たる地位の移転を賃借人に対抗するには所有権移転の登記が必要(同条3項)、③賃貸人たる地位の留保合意(同条2項・譲渡人と譲受人の間で、地位を譲渡人に留保する旨及び譲受人が譲渡人に賃貸する旨の合意をしたときは移転しない)です。競売と賃借権の関係も重要な論点です。差押債権者や抵当権者等に対抗することができない不動産に係る権利の取得は、売却によりその効力を失います(民事執行法59条2項)。したがって、抵当権設定登記より前に対抗要件を備えた賃借権は競売後も存続しますが、抵当権に後れる賃借権は買受人に対抗できません。ただし抵当権に後れる建物賃借人でも、競売手続の開始前から使用又は収益をしていた者等は、買受けの時から6ヶ月間は明渡しを猶予されます(民法395条1項)。旧法の短期賃貸借保護制度(旧395条)は2003年の改正(2004年施行)で廃止され、この明渡猶予制度に改められました。マンション実務では、競売により所有者が変わった場合の管理費の扱い(区分所有法7条・8条:滞納管理費等の債権は買受人などの特定承継人に対しても行うことができる)と賃借人の賃貸借継続の問題が連動して出題されます。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

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