マン管 民法・区分所有法 問42:賃貸借・借地借家
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
賃貸中のマンションの専有部分が売買・競売等によって第三者に移転した場合における賃貸人の地位に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア対抗要件(建物の引渡し)を備えた賃借人がいる場合に専有部分の所有権が第三者に移転すると、旧賃貸人(旧所有者)と賃借人の賃貸借契約は自動的に終了し、新所有者と賃借人の間で新たな契約を締結する必要がある。
- イ対抗要件を備えた賃借人がいる場合、専有部分の所有権移転に伴い賃貸人の地位は当然に新所有者に移転し、旧賃貸人と新所有者の合意で旧賃貸人に賃貸人の地位を留保することはできない。
- ウ賃貸人の地位が新所有者に移転した場合、旧賃貸人が収受していた敷金は、その返還義務とともに新所有者(新賃貸人)に承継される。正答
- エ賃貸中の専有部分が競売により第三者に落札された場合、落札者は賃借人に対して直ちに明渡しを求めることができる。
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠条文・標準管理規約・国土交通省ガイドラインも明記。
賃借人が対抗要件(引渡し)を備えていれば、専有部分の所有権が移転しても賃貸借契約は継続します(ア:誤り)。新所有者に賃貸人の地位が当然移転し(民法605条の2第1項)、敷金も新所有者に承継されます(ウ:正しい)。賃貸人の地位は当事者の合意で旧賃貸人に留保することも可能です(イ:誤り・605条の2第2項で留保合意可)。競売の場合は賃借人への保護が限定的ですが「直ちに明渡し」は一概には言えません。正答はウです。
改正民法605条の2第4項は「不動産の譲受人が賃貸人の地位を承継した場合には、第622条の2第1項に規定する敷金の返還に係る債務は譲受人が承継する」と規定します。ウが正答。アについて、対抗要件(引渡し・借地借家法31条)を備えた賃借権は新所有者に対抗でき、賃貸借契約は継続します(605条の2第1項)。アは誤り。イについて、民法605条の2第2項は「不動産の所有者が賃貸人として賃貸借をした後に当該不動産が譲渡された場合において、その不動産の賃借人が第1項の規定による賃貸人たる地位の移転を承認せず当事者間で賃貸人の地位を旧所有者に留保する旨および当該不動産を新所有者が旧所有者に賃貸する旨の合意をしたときは、賃貸人の地位は、新所有者に移転しない」と規定します。留保合意(イの「できない」)は可能なため、イは誤り。エについて、対抗要件を備えた賃借人は競売の落札者にも対抗でき(借地借家法31条)、直ちに明渡しを求めることができるわけではありません(ただし短期賃貸借(旧法)廃止後は担保権・競売との関係で個別判断)。エは誤り。
賃貸人の地位の移転(民法605条の2)は2020年改正で明文化されました。旧法では判例(最判昭和46年4月23日等)が「所有権移転に伴い賃貸人の地位が当然移転する」と解釈していましたが、改正で明文化されました。重要な実務論点は①敷金の承継(605条の2第4項・新賃貸人が敷金返還義務を承継)、②旧賃貸人の免責(旧賃貸人は新賃貸人承継後は敷金返還義務を免れる)、③賃貸人地位の留保合意(605条の2第2項・新旧の間での特約で留保可・留保した場合は新所有者が旧賃貸人に賃貸する構造)です。競売と賃借権の関係は重要な論点です。原則:抵当権設定後の賃借権は競売によって消滅(民事執行法59条1項)。例外:①引渡命令に対して賃借人が対抗力(引渡し)を主張できる場合、②賃借権が抵当権設定前に設定され対抗要件を備えていた場合(競売後も存続)。旧民法395条の「短期賃貸借保護制度」は2004年に廃止されており、現在は抵当権設定前の賃借権(対抗力あり)のみが競売後も存続します。マンション実務では、競売により所有者が変わった場合の管理費の扱い(区分所有法7条・8条:特定承継人への先取特権・新所有者への請求)と賃借人の賃貸借継続の問題が連動して出題されます。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。