問題
マンション(区分所有権)の遺産分割に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
遺産分割の方法は協議(全員合意)が基本で、協議が調わなければ家庭裁判所の調停・審判で行います(イ:正しい)。相続人が数人あるときは、遺産分割までの間、相続財産は共同相続人の共有に属します(ア:誤り・民法898条1項)。遺産分割によって法定相続分を超えて取得した部分は、登記をしなければ第三者に対抗できません(ウ:誤り・民法899条の2第1項)。持戻し免除は被相続人が意思表示できます(エ:誤り・民法903条3項)。正答はイです。
民法907条1項は、共同相続人は、被相続人が遺言で禁じた場合等を除き、いつでも、その協議で遺産の全部又は一部の分割をすることができると規定し、同条2項は、遺産の分割について共同相続人間に協議が調わないとき又は協議をすることができないときは、各共同相続人はその全部又は一部の分割を家庭裁判所に請求することができると規定しています(実務上は調停・審判の手続によります)。イが正答。アについて、民法898条1項は「相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する」と規定しており、遺産分割前の区分所有権は共同相続人の共有(遺産共有)となります。最も相続分の多い相続人の単独所有とするアは誤り。ウについて、民法899条の2第1項は「相続による権利の承継は、遺産の分割によるものかどうかにかかわらず、次条及び第九百一条の規定により算定した相続分を超える部分については、登記、登録その他の対抗要件を備えなければ、第三者に対抗することができない」と規定しています(2018年改正・2019年7月1日施行)。ウは誤り。エについて、民法903条3項は、被相続人が特別受益の持戻しを免除する意思を表示したときはその意思に従うと規定しており、持戻し免除は可能です。エは誤り。
遺産分割(民法906条〜914条)はマン管試験で区分所有権の承継・管理費の請求の相手方の特定と組み合わせて出題されます。遺産分割前の相続財産は共同相続人の共有に属し(898条1項)、各共同相続人はその相続分に応じて被相続人の権利義務を承継します(899条)。可分債権(金銭債権等)は相続開始と同時に相続分に応じて当然に分割承継されるとするのが判例の考え方ですが、預貯金債権の扱いには注意が必要です(909条の2参照)。被相続人の金銭債務(相続開始前の滞納管理費など)も、相続人が相続分に応じて承継すると解されています。一方、相続開始後に発生する管理費は、区分所有権を共有する相続人が共有者として負担します(区分所有法19条)。遺産分割と登記:遺産分割の効力は相続開始の時にさかのぼりますが(909条本文)、第三者の権利を害することはできず(同条ただし書)、法定相続分を超えて取得した部分については、登記等の対抗要件を備えなければ第三者に対抗できません(899条の2第1項)。2018年相続法改正では「遺産分割前の預貯金債権の行使」(909条の2・一定額まで各相続人が単独で払戻し可)も新設されました。特別受益(903条)は遺贈や婚姻・養子縁組のため若しくは生計の資本としての贈与を相続分の算定に持ち戻す制度であり、被相続人は持戻しを免除する意思表示をすることができます(903条3項)。2018年改正では、婚姻期間が20年以上の夫婦の一方が他方に居住用不動産を遺贈又は贈与したときは、持戻し免除の意思表示をしたものと推定する規定(903条4項)が追加されました。寄与分(904条の2)は、被相続人の事業に関する労務の提供や療養看護等により財産の維持又は増加について特別の寄与をした相続人の相続分を増やす制度です。
- 民法第898条・第899条の2・第903条・第907条・第906条e-Govで原文を読む
- 建物の区分所有等に関する法律第19条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

