マン管 民法・区分所有法 問48:相続
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
マンション(区分所有権)の遺産分割に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア相続人が複数いる場合、遺産分割協議が成立するまでの間、区分所有権は各相続人の相続分に応じた共有状態となるため、管理費の支払い義務は各相続人が相続分に応じて分担し、連帯責任は生じない。
- イ遺産分割は相続人全員の合意(遺産分割協議)によって行うことができるほか、合意が得られない場合は家庭裁判所への調停・審判で行うことができる。正答
- ウ遺産分割協議の成立後、特定の相続人に区分所有権が帰属した場合、その取得は「相続」であるため、他の権利者(例:差押え債権者)に対して登記なく対抗することができる。
- エ被相続人の生前に特別の贈与(特別受益)を受けていた相続人が遺産分割を主張した場合、特別受益の持戻し計算により相続分が減少するが、被相続人は生前に持戻し免除の意思表示をすることはできない。
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遺産分割の方法は協議(全員合意)→調停→審判の順で(イ:正しい)。管理費の滞納債務は各相続人が相続分に応じて承継しますが、特定不動産の管理費は一種の共有物管理として全員が連帯的に義務を負う解釈もあります(ア:「連帯責任が生じない」は不正確)。遺産分割後の所有権取得は「相続」ですが、差押え債権者等への対抗には登記が必要です(ウ:誤り・最判昭和46年1月26日)。持戻し免除は被相続人が生前に意思表示できます(エ:誤り・903条3項)。正答はイです。
民法907条1項は「共同相続人は遺産の分割について協議で行うことができる」、同条2項は「協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、各共同相続人は裁判所(家庭裁判所)に分割を請求することができる」と規定します(調停→審判の手続)。イが正答。アについて、相続財産(区分所有権)の管理費支払い義務は遺産分割前の共有状態では相続分に応じた分担ですが(判例・金銭債務の分割承継)、管理組合は区分所有法7条の先取特権により区分所有権自体を追求できます。「連帯責任は生じない」という絶対的な表現は不正確です。ウについて、判例(最判昭和46年1月26日)は「遺産分割による不動産取得は、相続分を超える部分については第三者に対して登記なく対抗できない(分割後の第三者には登記要)」と判示しています。ウは誤り。エについて、民法903条3項は「被相続人が持戻し免除の意思表示をした場合にはその意思表示に従う」と規定します(持戻し免除可能)。エは誤り。
遺産分割(民法907条〜914条)はマン管試験で区分所有権の承継・管理費請求の相手方特定と組合せて出題されます。遺産分割前の相続財産(共有状態)では:①可分債権(金銭債権等)は相続開始と同時に相続分に応じて当然分割承継(最判昭和29年4月8日)。②不可分債権・連帯債務は全相続人が義務を負う。③区分所有権は遺産共有(共同相続人全員の持分共有)として管理されます。管理費の支払義務は「区分所有者の義務(区分所有法19条)」として区分所有権を共有する全相続人が義務を負うと解釈されます(各持分に応じた分担・判例は金銭債務は分割承継)。遺産分割と登記(最判昭和46年1月26日):相続分の範囲内の取得(「自己の相続分に相当する部分の取得」)は登記なく第三者に対抗できますが、「相続分を超えて取得した部分」については遡及効(909条)による遺産分割の遡及的効果があっても第三者には登記なく対抗できません。2018年相続法改正で「遺産分割前の預貯金の仮払い制度」(909条の2)が新設されました(葬儀費用等の緊急時の払戻し可)。特別受益(903条)は生前贈与(婚姻・養子縁組・生計の資本としての贈与)を相続分に持ち戻す制度であり、持戻し免除(903条3項)は生前または遺言で可能です。2019年改正で「婚姻期間20年以上の配偶者への居住不動産の生前贈与・遺贈」は原則持戻し免除とする推定規定(903条4項)が追加されました。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。