問題
マンションの大規模修繕工事の実施に関する集会決議について、区分所有法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
キーボード:1〜4で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
大規模修繕の中身が「形状又は効用の著しい変更を伴わない修繕(通常の維持修繕・劣化回復等)」なら、集会の普通決議(出席した区分所有者及びその議決権の各過半数)で実施できます(イ:正しい)。エレベーターの新設等の形状又は効用の著しい変更を伴う工事は特別決議が必要です(ア:「常に」は誤り)。集会の決議と工事の請負契約の締結は別の行為です(ウ:誤り)。管理者の代理権に加えた制限は善意の第三者に対抗できないため、「当然に無効」とは言えません(エ:誤り)。正答はイです。
区分所有法17条1項は、共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く)は、集会において、区分所有者(議決権を有しないものを除く)の過半数であって議決権の過半数を有するものが出席し、出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上の多数による決議で決すると規定しています(2026年4月1日施行の改正後の規定)。形状又は効用の著しい変更を伴わないものは同項の対象外であり、共用部分の管理に関する事項として集会の決議で決します(18条1項)。その決議は、区分所有法又は規約に別段の定めがない限り、出席した区分所有者及びその議決権の各過半数で決します(39条1項)。外壁修繕・防水工事・鉄部塗装等の劣化回復は形状又は効用の著しい変更を伴わないものとして普通決議で実施できます。イが正答。アについて、「常に3/4以上」は誤りであり、工事の内容(著しい変更か否か)によって決議要件が変わります。アは誤り。ウについて、集会の決議は工事の実施を決めるものであり、請負契約の締結は管理者が集会の決議を実行する行為として行います(26条1項・2項)。「一括して決議すれば契約行為は不要」は誤り。エについて、管理者はその職務に関し区分所有者を代理し(26条2項)、管理者の代理権に加えた制限は善意の第三者に対抗することができません(同条3項)。集会の決議を経ずに締結された契約でも、相手方が善意であれば効力を否定できない場合があり、「当然に無効」は誤り。
大規模修繕の決議要件(区分所有法17条・18条)の境界線はマン管試験で事例問題として出題されます。2026年4月1日施行の改正(令和7年法律第47号)により、①形状又は効用の著しい変更を伴う共用部分の変更は、区分所有者の過半数であって議決権の過半数を有するものが出席し、出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上(規約で2分の1を超える割合まで引下げ可)で決することとされ(17条1項)、②共用部分の設置又は保存の瑕疵の除去に必要な変更や、高齢者・障害者等の移動等の円滑化のために必要な変更は4分の3が3分の2に緩和され(17条5項)、③普通決議は出席した区分所有者及びその議決権の各過半数とされました(39条1項)。「著しい変更」の判断基準:①形状の著しい変更(建物の外形・構造の変更・面積の増減等)、②効用の著しい変更(建物の機能・用途の変更)。判断は工事の内容・規模・区分所有者全体への影響を総合考慮します。「著しい変更なし(普通決議)」の例:外壁タイルの補修・防水工事(既存機能の回復)・配管交換(仕様変更なし)・鉄部塗装・窓サッシの同等品への交換。「著しい変更あり(特別決議)」の例:エレベーターの新設・大規模な増改築(面積変更)・外観を大きく変える外装の変更。実務では判断が難しい場合、管理組合は特別決議の要件を満たすように決議を取ることが多いです。また共用部分の変更や管理に伴って専有部分の保存行為等が必要となる場合、規約に特別の定めがあれば集会の決議で決することができます(17条3項・18条4項)。大規模修繕工事の実施プロセス(実務):①長期修繕計画・修繕積立金の確認・設計コンサルタントの選定→②設計・工事監理者の選定→③施工業者の選定(入札・見積比較)→④集会での工事実施の決議・請負契約の承認→⑤工事実施→⑥竣工・検査→⑦決算報告。管理者(理事長)は集会の決議を実行する権限に基づき請負契約を締結します(26条1項)。
- 建物の区分所有等に関する法律第17条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

