問題
マンション管理に関係する弁済・代物弁済・第三者弁済に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
キーボード:1〜4で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
保証人のように弁済について正当な利益を有する者は、債務者の意思に反しても弁済でき、債権者も受領を拒めません(ア:誤り)。管理組合が同意すれば動産による代物弁済は有効です(エ:正しい)。弁済の場所は、特別な定めがなければ債権者の現在の住所(持参債務)ですが、規約や合意で変更できます(ウ:誤り)。預金口座への振込みによる弁済も認められています(イ:誤り)。正答はエです。
民法482条は「弁済をすることができる者が、債権者との間で、債務者の負担した給付に代えて他の給付をすることにより債務を消滅させる旨の契約をした場合において、その弁済者が当該他の給付をしたときは、その給付は、弁済と同一の効力を有する」と規定します(代物弁済)。管理組合(債権者)との間で合意し、動産等の給付をすれば、有効な弁済となり管理費債務は消滅します。エが正答。アについて、民法474条1項は「債務の弁済は、第三者もすることができる」と規定し、同条2項・3項は「弁済をするについて正当な利益を有する者でない第三者」について、債務者の意思に反する弁済や債権者の意思に反する弁済を制限しています。保証人は弁済をするについて正当な利益を有する者であり、これらの制限を受けないため、債務者本人の意思に反することを理由に受領を拒絶することはできません。アは誤り。ウについて、民法484条1項は、弁済をすべき場所について別段の意思表示がないときは、特定物の引渡しは債権発生の時にその物が存在した場所において、その他の弁済は債権者の現在の住所においてしなければならないと規定します(持参債務の原則)。管理費の弁済場所は規約や合意で振込口座等と定めることが一般的であり、「管理事務所のみ」という法的強制はありません。ウは誤り。イについて、民法477条は「債権者の預金又は貯金の口座に対する払込みによってする弁済は、債権者がその預金又は貯金に係る債権の債務者に対してその払込みに係る金額の払戻しを請求する権利を取得した時に、その効力を生ずる」と規定しており、口座振込みによる弁済が認められることを前提としています。イは誤り。
弁済制度(民法473条〜504条)のマンション管理への適用はマン管試験の応用論点です。第三者弁済(474条)の整理:①第三者も弁済できるのが原則(1項)、②弁済をするについて正当な利益を有する者でない第三者は、債務者の意思に反して弁済できない(2項本文・債務者の意思に反することを債権者が知らなかったときを除く)、③正当な利益を有する者でない第三者は、債権者の意思に反しても弁済できない(3項本文・債務者の委託を受けて弁済する場合でそのことを債権者が知っていたときを除く)、④債務の性質が第三者の弁済を許さないとき、又は当事者が第三者の弁済を禁止・制限する旨の意思表示をしたときは、前三項は適用されない(4項)。保証人・物上保証人・担保不動産の第三取得者等の「正当な利益を有する者」は2項・3項の制約を受けません。家族・親族であることだけで正当な利益を有する者に当たるとは限らないため、同居の親族が弁済する場合は、債務者の意思や債権者の意思との関係に注意が必要です。弁済をした第三者は債務者に求償でき、弁済によって債権者に代位します(499条以下)。代物弁済(482条)の要件:①債権者との間の契約(合意)が必要(一方的な代物の提供では不可)、②本来の給付と異なる他の給付をすること、③実際にその給付をしたときに弁済と同一の効力が生じる。管理費回収実務での代物弁済:換価が困難な動産を受け取っても回収にならないことが多く、実務では法的手続(支払督促・訴訟・先取特権の実行等)が中心です。弁済の充当(民法488条〜491条):同一の債権者に対して同種の給付を目的とする数個の債務を負担する場合に、弁済が全ての債務を消滅させるのに足りないときの充当方法。①弁済者の指定(488条1項)、②弁済者が指定しないときは弁済受領者の指定(同条2項・弁済者が直ちに異議を述べたときを除く)、③いずれの指定もないときの法定充当(同条4項:弁済期にあるものを先に、次いで債務者のために弁済の利益が多いものを先に、利益が等しいときは弁済期が先に到来したものを先に)。なお元本のほか利息・費用を支払うべき場合は、費用・利息・元本の順に充当します(489条1項)。滞納管理費の場合、充当の指定がなければ、弁済期が先に到来した月の分から充当されるのが通常です(488条4項3号)。
- 民法第482条・第474条・第484条・第477条・第473条・第488条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

