マン管 民法・区分所有法 問85:民法(債権)
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
マンション管理に関係する弁済・代物弁済・第三者弁済に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア区分所有者の管理費滞納に対して、当該区分所有者の家族(同居の親族)が代わりに弁済しようとした場合、管理組合はその受領を拒絶することができる。
- イ区分所有者が管理組合に対する管理費債務の弁済として金銭の代わりに動産(中古家電等)を提供することを申し出た場合、管理組合がこれに同意すれば代物弁済として有効な弁済となる。正答
- ウ管理組合に対する管理費の弁済は、管理事務所(管理人室)において行わなければならず、理事長の住所地での弁済は認められない。
- エ管理費の弁済は、必ず現金(日本円紙幣・硬貨)で行わなければならず、銀行振込による弁済は別途管理組合が同意しなければ有効な弁済とはならない。
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第三者(同居親族等)でも「正当な利益がある者」や債務者の意思に反しない第三者は弁済できます(ア:誤り)。管理組合が同意すれば動産による代物弁済は有効です(イ:正しい)。弁済場所は原則として債権者の住所(持参債務)ですが規約・契約で変更可能です(ウ:誤り・管理事務所とは限らない)。銀行振込も慣行上有効な弁済方法として認められています(エ:誤り)。正答はイです。
民法482条は「弁済者が債権者の承諾を得て、その負担した給付に代えて他の給付をしたときは、その給付は、弁済と同一の効力を有する」と規定します(代物弁済)。管理組合(債権者)が同意(承諾)した場合、動産等による代物弁済は有効な弁済となり管理費債務は消滅します。イが正答。アについて、民法474条1項は「債務の弁済は、第三者もすることができる」と規定します。同居親族はむしろ「弁済について正当な利益を有する者」(474条2項)に該当し得るため、管理組合は受領を拒絶できません(正当な利益を有する第三者の弁済は債権者も拒絶できない)。アは誤り。ウについて、民法484条(弁済の場所・方法)は「弁済の場所は、別段の意思表示がないときは、特定物の引渡しは債権発生の時に物が存した場所、その他の弁済は債権者の現在の住所」と規定します(持参債務の原則)。管理費の弁済場所は「管理事務所」「振込口座」等を規約・慣行で定めることが一般的であり、「管理事務所のみ」という法的強制はありません。ウは誤り。エについて、銀行振込による弁済は実務上広く認められており(民法484条の「債務の弁済の方法は別段の定めがない限り現金が原則」だが、振込は慣行上有効)、管理費も振込口座への入金で弁済が完了します。エは誤り。
弁済制度(民法473条〜520条)のマンション管理への適用はマン管試験の応用論点です。第三者弁済(474条)の要件整理:①正当な利益を有する第三者(保証人・連帯債務者・物上保証人・担保不動産の取得者等)→債権者の承諾なく弁済可・債権者は受領拒絶不可(474条2項)、②正当な利益のない第三者(友人・全くの他人等)→債権者が承諾した場合のみ有効・債務者の意思に反する場合は不可(474条3項・4項)、③弁済した第三者は債務者への求償権を取得(同時に弁済者代位・501条)。代物弁済(482条)の要件:①債権者の「承諾(同意)」が必要(一方的には不可)、②「他の給付」(動産・不動産・権利等・現金以外であれば何でも可)、③他の給付の提供と同時に債務消滅(要物性・482条後段は「給付をしたとき」)。管理費回収実務での代物弁済:滞納管理費が長期化した場合、区分所有者の動産(車・家電等)を代物弁済として受け取ることがありますが、①不動産(専有部分)の代物弁済は抵当権との関係で複雑、②換価が困難な動産は事実上無価値→実務では代物弁済より競売(区分所有法59条)が最終手段。弁済充当(民法488条〜491条):同一債権者に複数の債務がある場合の弁済の充当方法。①当事者の指定(民法488条)、②法定充当(489条〜490条:費用→利息→元本の順・期限が早いもの・負担の重いもの優先等)。管理費滞納の場合、管理組合は「どの月分の管理費に充当するか」の問題が生じます(古いものから充当するのが原則・民法489条)。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。