マン管 民法・区分所有法 問86:民法(債権)
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
マンションの売買・賃貸借に関連する危険負担(民法536条)に関する次の記述のうち、2020年4月1日施行の改正民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- アマンションの売買契約締結後、引渡し前に地震によって建物が倒壊した場合、改正民法のもとでは買主は売主に対して売買代金を支払わなければならない(危険は買主が負担する)。
- イマンションの売買契約締結後、引渡し前に双方の責めに帰することができない事由によって目的物(建物)が滅失した場合、改正民法のもとでは買主は代金の支払いを拒絶することができる(履行拒絶権の発生)。正答
- ウ危険負担の問題は、当事者の合意によって解決できず、常に民法536条の規定どおりに処理しなければならない。
- エ改正民法(2020年施行)のもとでは、双方の帰責事由によらない建物滅失の場合、売主は代金請求権を失い、買主も引渡請求権を失う(危険は双方が分担する)。
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠条文・標準管理規約・国土交通省ガイドラインも明記。
2020年改正民法で危険負担の規定が変わりました。改正前は「双方無帰責の滅失は債権者主義(買主が代金を払う)」でしたが、改正後は「債務者主義(売主の代金請求権消滅・買主は代金拒絶可)」に変わりました(ア:誤り・改正後は買主が代金を払う必要はない)。買主は代金の支払いを拒絶できます(イ:正しい)。危険負担は当事者の合意で変更できます(ウ:誤り)。危険は売主が負担します(エ:「双方が分担」は誤り)。正答はイです。
改正民法536条1項は「当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる」と規定します(2020年4月1日施行)。これは「債務者主義」への転換であり、双方無帰責の事由で目的物(建物)が滅失した場合、買主(債権者)は代金の支払いを拒絶できます(履行拒絶権)。イが正答。アについて、改正民法の危険負担は「債務者主義」であり、引渡し前に双方無帰責で建物が滅失した場合、買主は代金を支払う必要はありません(旧法・債権者主義の場合と逆の結論)。アは誤り。ウについて、危険負担は任意規定(強行規定ではない)であり、当事者間の特約で「危険は買主が移転する時期」等を変更することができます(マンション売買実務では「引渡しをもって危険移転」と特約する場合が多い)。ウは誤り。エについて、改正民法536条1項は「買主は反対給付(代金)の履行を拒むことができる」という構造であり、「売主が代金請求権を当然に失う(消滅する)」のではなく「買主が拒絶権を行使できる」という権利行使型です。エの「売主は代金請求権を失い、双方が分担」という表現は正確ではありません。エは誤り。
2020年改正民法の危険負担(536条)の変更点はマン管試験の重要論点です。改正前(旧法534条〜536条)の危険負担:①特定物売買→債権者主義(旧534条:危険は買主負担→買主は代金を払う)、②不特定物・請負等→債務者主義(旧536条:危険は売主負担→代金請求権消滅)。改正後(民法536条のみ残存):一般規定として「双方無帰責事由による履行不能→債権者は反対給付の履行を拒絶できる」という「拒絶権型(履行拒絶権型)」に統一しました(旧534条の特定物売買の債権者主義は廃止)。重要な変更点:①旧法では特定物(特定のマンション)の売買で買主が代金を払う義務があった(不合理)→改正で買主保護。②「当然消滅(代金請求権の消滅)」ではなく「履行拒絶権の発生」という構成に変更(買主が代金を払う意思があれば払えるが、通常は拒絶する)。③売主は買主に代金を請求できるが、買主は支払いを拒絶できる(相手方の履行提供なき請求への対抗手段)。危険の移転時期(567条):①引渡しをもって危険が買主に移転する(引渡し後の双方無帰責事由による滅失→危険は買主負担→代金支払義務は消えない)、②引渡し前の双方無帰責滅失→危険は売主負担→買主は拒絶権行使可。マンション売買実務との関係:マンション売買契約書では「引渡しをもって危険移転」と記載するのが一般的であり、改正民法567条の内容と整合しています。建物が引渡し後に地震で倒壊しても買主は代金を払う義務があります(567条1項の危険移転後の規律)。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。