マン管 民法・区分所有法 問88:民法(債権)
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
マンション管理に関連する不当利得(民法703条〜708条)に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア管理組合が区分所有者に対して誤って過剰に管理費を請求し、区分所有者がそれを支払った場合、当該過払い分は不当利得となり、管理組合は区分所有者に返還する義務を負う。正答
- イ不当利得の返還義務者(利得者)が利得の存在を知らない「善意の受益者」である場合、当該受益者は利得の全額を返還しなければならない。
- ウ他の区分所有者の専有部分を無断で使用して賃料相当の利益を得た場合、当該無断使用者は「悪意の受益者」として損害賠償に加えて利息を付した返還義務を負うが、民事上の損害賠償請求とは別に請求することはできない。
- エ不当利得の返還請求権は、不当利得の発生時から起算して常に5年以内に行使しなければならない。
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠条文・標準管理規約・国土交通省ガイドラインも明記。
過剰に徴収した管理費は不当利得として返還義務があります(ア:正しい)。善意の受益者は「現に利益を受けている限度」での返還で足ります(イ:誤り・全額ではない)。不当利得返還請求と損害賠償請求は別個に行使できます(ウ:誤り)。不当利得返還請求権は民法166条の消滅時効(主観5年・客観10年)が適用されます(エ:「常に5年以内」は不正確)。正答はアです。
民法703条は「法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う」と規定します(不当利得の一般規定)。管理組合が誤って過剰に管理費を徴収した場合(法律上の原因なき利益)、管理組合は返還義務を負います。アが正答。イについて、民法703条は善意の受益者について「利益の存する限度において返還義務を負う」と規定します(現存利益の返還)。「善意の受益者は全額返還しなければならない」ではなく「現に利益が残っている範囲で返還」が正しいです。イは誤り。なお、悪意の受益者(704条)は「受けた利益の全部に利息を付して返還する義務を負い、かつ損害がある場合はその賠償をする義務を負う」という加重された責任を負います。ウについて、不当利得返還請求(703条)と不法行為に基づく損害賠償請求(709条)は別個の請求権として競合して行使することができます(請求権競合・どちらか一方を選択・または重複しない範囲で両方請求可)。ウの「別に請求することはできない」は誤り。エについて、不当利得返還請求権の消滅時効は「権利を行使できることを知った時から5年・権利を行使できる時から10年」(民法166条)が適用されます。「常に5年以内」は誤り(客観的起算点10年が適用される場合もある)。エは誤り。
不当利得制度(民法703条〜708条)のマンション管理への適用はマン管試験の応用論点です。不当利得の成立要件:①他人の財産・労務による利益の取得、②損失の発生(他人への損失)、③利得と損失の因果関係、④法律上の原因の欠如(契約等の正当な原因がないこと)。マンション管理での不当利得の典型例:①管理費の誤過剰徴収(管理組合→区分所有者への返還義務)、②修繕費の誤徴収(他の住戸の修繕費を別の住戸に誤請求した場合等)、③専有部分の無断使用による利益(賃料相当利益の返還)、④誤払いした工事代金の返還請求(管理組合が誤った業者に支払った場合)。善意・悪意の受益者の区別(703条・704条):善意受益者(利得が不当であることを知らない者)→現存利益の返還のみ。悪意受益者(不当であることを知っている者)→受けた利益全部+利息の返還+損害賠償義務(加重責任)。不当利得と不法行為の関係(請求権競合):専有部分の無断使用では①不当利得返還請求(703条・704条:賃料相当利益の返還・悪意なら利息も)と②不法行為に基づく損害賠償(709条:賃料相当損害賠償)が競合します。実務では両方の請求を選択的に行使するか、不当利得で確保できない部分を不法行為で補うという戦略があります。不当利得の時効(166条):①主観的起算点(権利を行使できることを知った時)から5年、②客観的起算点(権利を行使できる時)から10年。不当利得の発生時点が客観的起算点となります(いつ不当利得が発生したかで時効起算が決まる)。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。