労働安全衛生法13労働安全衛生法

社労士 労働安全衛生法 問13:労働安全衛生法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision

労働安全衛生法に規定する元方事業者・特定元方事業者に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • 元方事業者とは、一の場所において行う事業の仕事の一部を請負人に請け負わせているもの(発注者を含む)のうち、最も先次の注文者をいう。
  • 特定元方事業者(建設業・造船業の元方事業者)は、常時50人人以上の労働者(請負人の労働者を含む)が当該事業場で作業を行う場合、統括安全衛生責任者を選任しなければならない。正答
  • 統括安全衛生責任者は、その事業場の安全管理者または衛生管理者のうちから選任しなければならない。
  • 元方事業者は、関係請負人およびその労働者が、法令の規定に違反しないよう必要な指導・指示を行う義務があり、違反した請負人に対して是正命令を直接発することができる。
  • 特定元方事業者が統括安全衛生責任者を選任した場合、関係請負人のうち一定規模以上の者は、元方安全衛生管理者を選任する義務が発生する。
正答:特定元方事業者(建設業・造船業の元方事業者)は、常時50人人以上の労働者(請負人の労働者を含む)が当該事業場で作業を行う場合、統括安全衛生責任者を選任しなければならない。

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正答はイです。

建設業・造船業の特定元方事業者は、作業を行う場所に常時50人人以上(下請労働者を含む全員)が作業する場合、統括安全衛生責任者を選任する義務があります(安衛法第15条)。

ウは誤りで、統括安全衛生責任者は「当該事業場において事業の実施を統括管理する者(工事現場の現場所長等)」から選任するものであり、安全管理者や衛生管理者から選任するものではありません。オも誤りで、元方安全衛生管理者(第16条)は関係請負人ではなく特定元方事業者自身が選任します。

標準試験対策の基準レベル

元方事業者・特定元方事業者の安全衛生管理体制:

| 用語 | 定義 | 適用業種 |

|---|---|---|

| 元方事業者 | 一の場所で仕事の一部を請負人に請け負わせているものの最も先次の注文者 | 全業種 |

| 特定元方事業者 | 元方事業者のうち建設業・造船業に該当するもの | 建設業・造船業 |

| 統括安全衛生責任者 | 特定元方事業者が選任する、作業場全体の安全衛生統括者 | 建設業・造船業(50人人以上の場合) |

| 元方安全衛生管理者 | 統括安全衛生責任者を補佐し技術的事項を管理する者 | 特定元方事業者自身が選任 |

| 安全衛生責任者 | 各関係請負人が選任する、請負人側の安全衛生管理者 | 関係請負人側の義務 |

各選択肢の精査:

  • ア(誤): 元方事業者の定義に「発注者」は含まれない。元方事業者は「最も先次の注文者(最上位の下請元請)」。
  • イ(正): 建設業・造船業の特定元方事業者→50人人以上→統括安全衛生責任者の選任義務(安衛法第15条・安衛令第7条)。
  • ウ(誤): 統括安全衛生責任者は現場の統括管理者(工事現場所長等)から選任。専門職からの選任ではない。
  • エ(誤): 元方事業者の義務は「指導・指示」であり、直接の是正命令権限はない(命令権は行政機関)。
  • オ(誤): 元方安全衛生管理者(第16条)は特定元方事業者自身が選任する。関係請負人が選任するのは「安全衛生責任者(第16条の2・第17条)」。
上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【重層下請構造と安全衛生責任の「錯綜」問題】

建設業は元請・1次下請・2次下請・3次下請…という多重の重層下請構造を持ちます。この構造下では「誰が安全衛生の最終責任者か」が不明確になりがちです。安衛法は以下の多層責任構造でこの問題に対処しています:

1. 特定元方事業者(元請): 現場全体の安全衛生統括責任(統括安全衛生責任者選任・元方安全衛生管理者選任・協議組織の設置・作業間連絡調整・作業場所の巡視)

2. 関係請負人(1次・2次下請等): 各自の労働者に対する安全衛生管理(安全衛生責任者選任・安全衛生教育・保護具支給等)

3. 元方事業者の関係請負人への指導義務(第29条): 法令違反がないよう必要な指導・指示を行う義務(ただし行政命令権限はない)

【「50人人以上」の計算方法:下請労働者のカウント】

統括安全衛生責任者の選任要件「50人人以上」は、その作業場所で作業するすべての労働者数(元請労働者+1次下請労働者+2次下請労働者+…)を合計します。業種により「ずい道等の建設(30人以上)」「圧気工法(30人以上)」「最大支間50m以上の橋梁建設(30人以上)」という低い閾値が設けられており、特に危険な工事では小規模でも統括管理が要求されます。

【元方安全衛生管理者と安全衛生責任者の混同防止】

試験で最も混同されやすいのが「元方安全衛生管理者」と「安全衛生責任者」の区別です:

| | 元方安全衛生管理者 | 安全衛生責任者 |

|---|---|---|

| 誰が選任するか | 特定元方事業者(元請) | 関係請負人(下請各社) |

| 役割 | 統括安全衛生責任者の技術補佐 | 自社労働者への安全衛生管理・元請との連絡 |

| 資格要件 | 安衛則第18条の3(大学卒業後3年以上等) | 特になし(ただし安全衛生責任者教育の受講推奨) |

| 根拠条文 | 第16条 | 第16条の2 |

【社労士実務:建設業・製造業の重層下請と安全管理体制整備支援】

社労士が建設・製造業の多重下請企業を顧問先とする場合の実務ポイント:

1. 元請の体制確認: 統括安全衛生責任者・元方安全衛生管理者の選任状況・協議組織(定期会議)の実施状況

2. 下請の体制確認: 安全衛生責任者の選任・安全衛生教育の実施記録(特別教育・雇入れ時教育)

3. 労災発生時の責任帰属分析: 下請労働者に労災が発生した場合の保険適用事業場と損害賠償責任の整理

4. 重層下請契約と偽装請負の識別: 実態が雇用に近い請負契約(指揮命令関係の実態)は偽装請負として違法

根拠: 労働安全衛生法第15条・第16条・第29条・第30条、同法施行令第7条(統括安全衛生責任者の選任要件)。確認日2026-06-08。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働安全衛生法第15条(統括安全衛生責任者)・第16条(元方安全衛生管理者)・第29条(元方事業者の義務)、同法施行令第7条 <!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): イが正しい。建設業・造船業の特定元方事業者は当該場所で作業する全労働者(請負人含む)が50人以上(ずい道等は30人以上)で統括安全衛生責任者の選任義務→イ正しい。ア「発注者を含む・最も先次の注文者」→元方事業者は「請負人に請け負わせているもの」であり発注者は含まれない。最も上位の注文者が元方事業者ではなく「発注者との直接契約の元請が元方事業者」。ア誤り。ウ「安全管理者または衛生管理者から選任」→誤り。統括安全衛生責任者は「当該事業場において事業の実施を統括管理する者(実質的に元方の工事現場責任者等)」から選任(第15条第1項)。エ「是正命令を直接発することができる」→誤り。元方事業者は「指導・指示」義務があるが直接の行政命令権限はない。是正命令は行政機関(労基署)の権限。オ「元方安全衛生管理者の選任は関係請負人」→誤り。元方安全衛生管理者を選任するのは特定元方事業者自身(第16条)であり関係請負人ではない。正答イで一意性確保。 --> 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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