問題
労働安全衛生法に規定する作業環境測定に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
正答はエ(誤っている記述)です。
作業環境測定の結果の評価は、事業者が独自の基準で自由に行えるものではなく、厚生労働大臣の定める作業環境評価基準に従って行わなければなりません(第65条の2第2項)。「厚生労働大臣の定める基準に従う必要はない」とする点が誤りです。
ア・イ・ウ・オはいずれも正しい記述です。事業者は政令で定める作業場について測定・記録義務を負い(第65条第1項)、測定は厚生労働大臣の定める作業環境測定基準に従います(同条第2項)。都道府県労働局長は労働衛生指導医の意見に基づき測定の実施等を指示できます(同条第5項)。潜水業務等については作業時間の基準に違反した従事をさせてはなりません(第65条の4)。
作業環境測定制度の基本フロー(第65条〜第65条の4):
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 第65条第1項 | 政令で定める有害業務の作業場について、作業環境測定の実施・記録義務 |
| 第65条第2項 | 測定は厚生労働大臣の定める作業環境測定基準に従って行う |
| 第65条第3項・第4項 | 厚生労働大臣は作業環境測定指針を公表し、事業者・測定機関等に必要な指導等を行うことができる |
| 第65条第5項 | 都道府県労働局長は、労働衛生指導医の意見に基づき、事業者に作業環境測定の実施等を指示できる |
| 第65条の2第1項 | 測定結果の評価に基づき、施設・設備の設置整備、健康診断の実施その他適切な措置を講じる義務 |
| 第65条の2第2項 | 評価は厚生労働大臣の定める作業環境評価基準に従って行う |
| 第65条の2第3項 | 評価を行ったときは結果を記録しておく義務 |
| 第65条の4 | 潜水業務等健康障害のおそれのある業務について、省令で定める作業時間の基準に違反させてはならない |
各選択肢の精査:
- ア(正): 第65条第1項のとおり。
- イ(正): 第65条第2項のとおり。
- ウ(正): 第65条第5項のとおり。
- エ(誤・正答): 第65条の2第2項は「厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣の定める作業環境評価基準に従つて行わなければならない」と定めており、事業者が独自の基準で評価してよいわけではない。
- オ(正): 第65条の4のとおり。
【作業環境測定制度の一連の流れ】
労安衛法の作業環境測定制度は「測定(第65条)→評価(第65条の2)→措置」という一連のプロセスとして設計されている。第65条第1項は、政令で定める有害業務を行う屋内作業場その他の作業場について、事業者に必要な作業環境測定の実施と結果の記録を義務付ける。この測定は事業者が任意の方法で行ってよいわけではなく、第2項により「厚生労働大臣の定める作業環境測定基準に従つて行わなければならない」とされる。測定方法・測定点の選定・測定頻度等が行政的に標準化されている。
【作業環境測定指針(第3項・第4項)の位置づけ】
第3項は、厚生労働大臣が作業環境測定の適切かつ有効な実施を図るために必要な「作業環境測定指針」を公表するものとすると定め、第4項はこの指針を公表した場合に必要があると認めるときは、事業者・作業環境測定機関又はこれらの団体に対し必要な指導等を行うことができるとする。これは測定基準(法的拘束力のある基準)とは別に、実務上のガイドラインとして指針を用意し、行政指導によって実効性を高める二段構えの制度設計である。
【都道府県労働局長の指示権限(第5項)】
第5項は「都道府県労働局長は、作業環境の改善により労働者の健康を保持する必要があると認めるときは、労働衛生指導医の意見に基づき……事業者に対し、作業環境測定の実施その他必要な事項を指示することができる」と定める。労働衛生指導医(医学的・専門的知見を持つ行政上の専門職)の意見を経ることが要件とされており、都道府県労働局長が独断で指示するのではなく、専門的知見に基づく判断過程を経る制度になっている点が特徴である。
【評価基準への準拠(第65条の2第2項)の趣旨】
作業環境測定を実施しても、その結果をどう評価するか(安全か、改善が必要か)が事業者ごとにばらばらでは、労働者の健康保護に実効性を欠く。そこで第65条の2第2項は、測定結果の評価についても「厚生労働大臣の定める作業環境評価基準に従つて行わなければならない」と定め、測定基準(第65条第2項)と対になる形で評価基準への準拠を義務付けている。評価基準に従って作業場の管理区分を判定し、その結果に基づいて第65条の2第1項の「施設又は設備の設置又は整備、健康診断の実施その他の適切な措置」を講じる、という一連の流れが法律上明確に規定されている。事業者が独自の判断基準で評価を行い、結果として不十分な措置にとどめることを防ぐための強行規定である。
【作業時間の制限(第65条の4)との関係】
第65条の4は、潜水業務その他健康障害を生ずるおそれのある業務について、厚生労働省令で定める作業時間の基準に違反して労働者を従事させてはならないと定める。作業環境測定・評価が「作業場の環境」に着目した規制であるのに対し、本条は「個々の労働者の作業時間」に着目した規制であり、両者は補完的な関係にある。潜水病(減圧症)等、作業時間の長さ自体が健康障害の発生に直結する業務について、環境測定だけでなく時間管理の規制も併せて設けられている点を押さえておく必要がある。
根拠: 労働安全衛生法第65条・第65条の2・第65条の4。e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000057 )で2026-09-30時点の条文を確認。
- 労働安全衛生法第65条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働安全衛生法第65条(作業環境測定)・第65条の2(作業環境測定の結果の評価等)・第65条の4(作業時間の制限)。e-Gov法令検索で2026-09-30時点の現行条文を確認。 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

