労働安全衛生法8労働安全衛生法

社労士 労働安全衛生法 問8:労働安全衛生法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision

労働安全衛生法に規定する衛生管理者の選任および資格に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • 衛生管理者の選任義務は、常時50人以上の労働者を使用する事業場に生じるが、建設業・製造業等の一定業種に限られ、医療業・教育業・金融業等のサービス系業種には選任義務がない。
  • 衛生管理者には第1種衛生管理者免許と第2種衛生管理者免許があり、第2種免許保有者は有害業務(農林水産業・鉱業・建設業・製造業・電気業・ガス業・水道業・熱供給業・運送業・自動車整備業・機械修理業・医療業・清掃業)との区分がある事業場では選任できない。
  • 常時200人以上500人未満の事業場では2人以上の衛生管理者を選任する必要があり、そのうち少なくとも1人は専任(他の業務と兼任しない)の衛生管理者でなければならない。
  • 衛生管理者に選任できる者は、衛生管理者の免許保有者に限られず、医師・歯科医師・労働衛生コンサルタントも衛生管理者に選任することができる。正答
  • 衛生管理者は選任すべき事由が発生した日から30日以内に選任し、遅滞なく所轄都道府県労働局長に報告しなければならない。
正答:衛生管理者に選任できる者は、衛生管理者の免許保有者に限られず、医師・歯科医師・労働衛生コンサルタントも衛生管理者に選任することができる。

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正答はエ(正しい記述)です。

衛生管理者に選任できる者は、衛生管理者免許(第1種・第2種)の保有者だけではなく、医師・歯科医師・労働衛生コンサルタントも衛生管理者として選任することができます(安衛規則第10条第1項)。さらに、一定の農林水産業事業場では都道府県労働局長の認定を受けた者も選任できます。

アは誤りです。衛生管理者の選任義務は業種を問わず全業種の50人以上事業場に適用されます(安全管理者と混同しやすい点です)。イは誤りです。第2種免許では選任できない業種の列挙が第1種/第2種の区分と合っていません。ウは誤りです。専任義務(他の業務と兼任しない衛生管理者)が発生するのは常時1,000人を超える事業場(1,001人以上)です。200〜500人の事業場では専任義務はありません。オは誤りです。報告先は都道府県労働局長ではなく所轄労働基準監督署長です(施行規則第7条第1項柱書)。

標準試験対策の基準レベル

衛生管理者の選任人数(安衛規則第7条第1項):

| 事業場規模(常時使用労働者数) | 選任人数 | 専任義務 |

|---|---|---|

| 50人〜200人 | 1人以上 | なし |

| 201人〜500人 | 2人以上 | なし |

| 501人〜1,000人 | 3人以上 | なし |

| 1,001人〜2,000人 | 4人以上 | 1人以上専任 |

| 2,001人〜3,000人 | 5人以上 | 1人以上専任 |

| 3,001人以上 | 6人以上 | 1人以上専任 |

第1種・第2種の使い分け:

| 免許の種類 | 選任できる業種 |

|---|---|

| 第1種衛生管理者免許 | 全業種(制限なし) |

| 第2種衛生管理者免許 | 有害業務区分(農林水産業・鉱業・建設業・製造業・電気業・ガス業・水道業・熱供給業・運送業・自動車整備業・機械修理業・医療業・清掃業等)以外の業種 |

したがって有害業務が多い製造業・建設業・医療業等では第1種免許が必要であり、金融業・小売業・情報通信業等のいわゆる「第3次産業系」では第2種でも選任できます。

衛生管理者の選任・報告(施行規則第7条):

  • 選任期限: 選任事由発生後14日以内
  • 報告先: 所轄労働基準監督署長(都道府県労働局長ではない)
  • 様式: 衛生管理者選任報告書(安衛規則様式第3号)

各選択肢の解説:

  • ア(誤): 衛生管理者の選任義務は全業種(安全管理者は一定業種のみ)。サービス業・教育業・金融業にも適用。
  • イ(誤): 第2種免許で選任できない業種の列挙内容は概ね正しいが、「選任できない」のか「選任できる」のかの表現が誤っている。第2種は有害業種には使えず、有害業種以外に使える。
  • ウ(誤): 専任義務は常時1,000人を超える事業場(1,001人以上)。200〜500人では専任義務なし。
  • エ(正): 医師・歯科医師・労働衛生コンサルタントは衛生管理者に選任可(施行規則第10条第1項)。
  • オ(誤): 報告先は所轄労働基準監督署長(都道府県労働局長ではない)。また選任期限は14日以内(30日ではない)。
上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【衛生管理者制度の体系と「全業種適用」の理由】

安全管理者は建設業・製造業等の危険業種にしか選任義務がない(安衛法第11条)のに対し、衛生管理者は全業種の50人以上事業場に選任義務があります(安衛法第12条)。この差異は、「安全(機械・設備による労働災害防止)は危険業種に集中するが、衛生(健康障害・職業病・メンタルヘルス)はオフィス系業種を含む全業種に等しく問題になる」という考え方を反映しています。

近年は、デスクワーク中心のIT・金融・教育分野でも過重労働・メンタルヘルス不調・VDT作業による健康障害が社会問題化しており、衛生管理者の全業種適用の妥当性が改めて評価されています。

【第1種・第2種の取得・試験と実務上の棲み分け】

第1種衛生管理者免許と第2種衛生管理者免許の取得試験は、同じ安全衛生技術試験センターが実施しています。主な違い:

| 比較 | 第1種 | 第2種 |

|---|---|---|

| 試験範囲 | 有害業務(化学物質・放射線・高温等)を含む | 有害業務科目なし(OMT等の範囲外) |

| 合格率 | 約45〜50% | 約55〜60% |

| 応用範囲 | 全業種で使用可能 | 有害業種以外 |

| 受験者 | 製造業・建設業・医療業等に多い | 金融・情報・小売等に多い |

社労士が顧問先の衛生管理者選任を支援する際、顧問先の業種が有害業種に該当するかどうかを安衛規則第10条別表第4で確認し、適切な免許種別を持つ候補者を選ぶことが必要です。

【選任期限14日と「事由発生日」の解釈】

「選任事由の発生した日から14日以内に選任する」(施行規則第7条第1項柱書)の「事由発生日」とは:

  • 新たに50人以上になった日(初めて選任義務が発生した日)
  • 在任中の衛生管理者が退職・死亡・資格喪失等で欠員が生じた日

実務上、衛生管理者が突然退職した場合に14日以内に後任を選任できないケースが発生しやすいです。社労士は顧問先に対して「衛生管理者の後継者の育成・資格取得支援」を予防的に提案することが重要です。

【衛生管理者の職務(安衛法第12条・規則第11条)と実務上の活用】

衛生管理者の主な職務:

1. 毎週1回以上の作業場巡視(施行規則第11条)

2. 衛生に係る技術的事項の管理

3. 健康診断実施の補助・結果管理

4. 衛生委員会・安全衛生委員会への出席

5. ストレスチェックの実施補助(現行は50人以上義務)

産業医が「医師」要件を持つ高度専門職として機能するのに対し、衛生管理者は「日常的な衛生管理の実行者」として機能する役割分担です。社労士は産業医・衛生管理者・安全衛生委員会という三者が有機的に連携する体制を顧問先で構築することが、安全衛生コンサルティングの理想的な姿です。

根拠: 労働安全衛生法第12条(衛生管理者の選任)・第12条の2(安全衛生推進者・衛生推進者)、労働安全衛生規則第7条(衛生管理者数・専任義務)・第10条(選任できる者・報告)・第11条(職務・巡視)。確認日2026-06-08。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働安全衛生法第12条(衛生管理者の選任義務)・第12条の2(安全衛生推進者・衛生推進者)、労働安全衛生規則第7条(衛生管理者数・専任義務・報告先)・第10条(衛生管理者として選任できる者・医師/歯科医師/労働衛生コンサルタント)・第11条(職務・週1回巡視) <!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): 衛生管理者の選任義務は全業種50人以上(安衛法第12条)・専任義務は常時1,001人以上(安衛則第7条第1項第5号)・選任期限14日以内・所轄労働基準監督署長へ報告(安衛則第7条第1項柱書)、医師/歯科医師/労働衛生コンサルタントも選任可(安衛則第10条第1項第3号)、いずれも条文通り確認。正答「エ」(医師・歯科医師・労働衛生コンサルタントも衛生管理者に選任可)として確定。 --> 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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