社労士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

社労士 健康保険法 問18|出産手当金の支給要件・計算・支給期間

問題

社労士 | 健康保険法 | 令和9年度(2027年度)試験対応・数値確認日 2026-10-01

健康保険における出産手当金に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

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答え合わせ

正解は ア
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はア(誤っている記述)です。

アの誤りは多胎妊娠の支給開始日にあります。出産手当金の多胎妊娠の支給開始日は出産予定日以前98日(14週)であり、「84日(12週)」は誤りです(健保法第102条第1項)。単胎妊娠の場合は出産予定日以前42日(6週)から支給が開始されます。

イは正しい記述で、原則として直近の継続した12か月の標準報酬月額の平均を30で除した額の3分の2が支給額です。ウは正確(予定日より遅れて出産したときは予定日が起算点)。エは第104条の継続給付の要件(喪失日の前日まで引き続き1年以上・任意継続等の期間を除く・喪失の際に支給を受けている)どおりで正しい。オは被扶養者に出産手当金がない旨(本人給付のみ)の正しい記述です。

出産手当金(健保法第102条)の要件整理:

項目内容
支給対象被保険者本人(被扶養者には支給されない)
支給事由出産のために労務に服さなかった期間
支給開始日出産の日(出産が予定日後のときは出産予定日)以前42日(単胎)・98日(多胎)から
支給終了日出産日後56日目まで(予定日より遅れて出産した場合も、実際の出産日後56日)
1日の支給額原則:直近12か月の標準報酬月額の平均÷30×3分の2(第102条第2項で第99条第2項を準用)
継続給付喪失日の前日まで引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者等を除く)で、喪失の際に支給を受けていれば、受けられるはずだった期間まで継続(第104条)

各選択肢の解説:

  • ア(誤・正答): 多胎妊娠の支給開始は「出産予定日以前98日(14週)」が正しい(健保法第102条第1項)。「84日(12週)」は誤りです。単胎妊娠は42日(6週)・多胎妊娠は98日(14週)の数字は社労士試験頻出の暗記事項です。労働基準法上の産前産後休業(労基法第65条)と数字が同一である点も整合的に押さえる必要があります(単胎6週・多胎14週)。
  • イ(正): 支給開始日の属する月以前の直近の継続した12か月間の標準報酬月額の平均を30で除した額の3分の2が支給額(健保法第102条第2項による第99条第2項の準用)。これは傷病手当金の計算式と同一です。
  • ウ(正): 出産の日(出産の日が出産予定日後であるときは出産予定日)以前42日(多胎98日)から出産の日後56日までの期間のうち、労務に服さなかった日が支給対象(健保法第102条第1項)。出産日は産前(「以前42日」)に含まれます。
  • エ(正): 資格喪失後の継続給付(健保法第104条)の文言どおりです。要件は①資格を喪失した日の前日まで引き続き1年以上被保険者であったこと(任意継続被保険者・共済組合の組合員である被保険者の期間を除く)、②資格を喪失した際に出産手当金の支給を受けていること。満たせば、被保険者として受けることができるはずであった期間、同一の保険者から受給できます。
  • オ(正): 出産手当金は被保険者本人の出産に対する現金給付(現金給付の一つ)であり、被扶養者(家族)が出産した場合には支給されません。被扶養者の出産に対しては「家族出産育児一時金」が支給されますが、出産手当金に相当する家族給付は存在しません。

【出産手当金と傷病手当金の比較——社労士試験で最重要の混同回避】

出産手当金と傷病手当金は支給額の計算式(標準報酬日額×2/3)が共通しているため、試験では両者を混同させる選択肢が頻出です。以下の差異を正確に理解することが合格レベルの要件です。

出産手当金傷病手当金
根拠条文健保法第102条健保法第99条
支給事由出産のため労務に服さない期間疾病・負傷により労務に服することができない状態
待期期間なし(初日から支給)3日間の待期あり(連続3日休業後4日目から)
支給期間出産日(予定日後の出産は予定日)以前42日(多胎98日、出産日を含む)から出産日後56日まで支給開始から通算1年6か月
支給額標準報酬日額×2/3標準報酬日額×2/3
給与との調整給与等を受ける場合は差額支給(出産手当金>給与なら差額)給与等を受ける場合は差額支給(同様)
継続給付継続1年以上被保険者で支給期間終了まで継続(第104条)継続1年以上被保険者で最長1年6か月継続

出産前後の支給期間の精密な理解(実務・試験頻出):

法第102条第1項の規定:

> 「被保険者が出産したときは、出産の日(出産の日が出産の予定日後であるときは、出産の予定日)以前42日(多胎妊娠の場合においては、98日)から出産の日後56日までの間において労務に服さなかった期間、出産手当金を支給する」

この条文の「出産の日が出産の予定日後であるとき」という括弧書きが重要です:

  • 出産が予定日通りの場合: 予定日以前42日〜出産日後56日
  • 出産が予定日より早まった場合: 実際の出産日以前42日〜出産日後56日(予定日起算ではなく実際の出産日起算)
  • 出産が予定日より遅れた場合: 予定日以前42日〜出産日後56日(遅れた日数分も前倒しの支給として確保される。括弧書きは「遅れた場合は予定日を基準として前の期間を計算する」という意味)

実際の計算例:

  • 予定日:4月30日(単胎)→支給開始:3月20日(予定日を含めて42日)
  • 実際の出産:5月7日(予定日から7日遅れ)→支給終了:7月2日(出産日の翌日から56日)
  • この場合、支給期間:3月20日〜7月2日(42日+7日+56日=合計105日)

標準報酬日額の計算の精密化(出産手当金・傷病手当金共通):

支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額 ÷ 30

注意点:

1. 標準報酬月額が定められている月が12か月に満たない場合: 直近の継続した各月の平均額と、支給開始日の属する年度の前年度9月30日における全被保険者の同月の標準報酬月額の平均額(を報酬月額とみなしたときの標準報酬月額)のうち少ない方を使用(健保法第99条第2項ただし書)。

2. 平均の対象となる標準報酬月額: 被保険者が現に属する保険者等により定められたものに限られます(同項本文括弧書)。転職して保険者が変わった場合、前の保険者の期間の標準報酬月額は平均に入りません。

出産手当金と育休給付金・社会保険料免除との関係(上位資格・実務横断):

出産手当金は健康保険からの給付であり、同一の出産に対して:

  • 健康保険から出産育児一時金(産科医療補償制度の対象となる出産で50万円): 出産費用の補助
  • 健康保険から出産手当金(産前産後): 休業期間の所得補償
  • 雇用保険から育児休業給付金(育休期間中67%、出生後休業支援給付金適用で最大80%): 育休期間の所得補償
  • 育休中・産前産後休業中は社会保険料免除(育休:健保法第159条・厚年法第81条の2、産休:健保法第159条の3・厚年法第81条の2の2)

これらは重複支給を前提とした設計ではなく、期間ごとに受取る給付が切り替わります。出産手当金(産前42日〜産後56日)が終わった後から育児休業給付金の主要な支給期間に入るのが典型的なパターン。社労士試験では各給付の適用期間・支給率・支給元(健保か雇保か)を横断的に問う問題が出題されます。

継続給付(健保法第104条)の要件と任意継続との関係:

資格喪失後の出産手当金継続給付の要件:

1. 資格を喪失した日の前日まで引き続き1年以上被保険者であったこと(任意継続被保険者・共済組合の組合員である被保険者の期間を除く)

2. 資格を喪失した際に出産手当金の支給を受けていること(第104条の文言)

任意継続被保険者の期間は「継続1年」の計算には通算されません。また、資格喪失後に任意継続被保険者となった場合でも、任意継続被保険者としての出産手当金は支給されません(健保法第102条第1項が第99条第1項の「任意継続被保険者を除く」を受けている)。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 健康保険法第102条第1項(支給期間)・第2項(額は第99条第2項を準用)・第104条(継続給付)・第108条第2項(報酬との調整) 確認日: 2026-06-08 出典: 厚生労働省 出産手当金 https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken13/dl/h20_01_08.pdf e-Gov 健康保険法第99条・第102条・第104条 https://laws.e-gov.go.jp/law/211AC0000000070 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

この問題の関連トピック

  • 出産手当金の支給要件・計算・支給期間
  • 頻出度A

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