健康保険法18健康保険法

社労士 健康保険法 問18:健康保険法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision

健康保険における出産手当金に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 出産手当金は、被保険者が出産のために労務に服さなかった期間について支給されるが、多胎妊娠の場合には出産予定日以前**84日(12週)**から支給が開始される。正答
  • 出産手当金の1日当たりの支給額は、支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額を30で除した額(標準報酬日額)の3分の2に相当する額である。
  • 出産手当金の支給期間は、出産日(多胎妊娠の場合は出産予定日)以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から出産日後56日目までの期間のうち、実際に労務に服さなかった日について支給される。
  • 出産手当金の支給期間中に被保険者が資格を喪失した場合であっても、資格喪失前に継続して1年以上被保険者であった者は、出産手当金の支給期間が終了するまで引き続き支給を受けることができる。
  • 出産手当金は、被保険者本人が出産した場合に限って支給されるものであり、被扶養者が出産した場合には出産手当金の支給対象とならない(被扶養者の出産に対しては出産育児一時金とは別に出産手当金が支給されることはない)。
正答:出産手当金は、被保険者が出産のために労務に服さなかった期間について支給されるが、多胎妊娠の場合には出産予定日以前**84日(12週)**から支給が開始される。

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正答はア(誤っている記述)です。

アの誤りは多胎妊娠の支給開始日にあります。出産手当金の多胎妊娠の支給開始日は出産予定日以前98日(14週)であり、「84日(12週)」は誤りです(健保法第102条第1項)。単胎妊娠の場合は出産予定日以前42日(6週)から支給が開始されます。

イは正しい記述で、標準報酬日額(直近12か月平均を30で除した額)の3分の2が支給額です。ウは正確。エは継続給付(1年以上被保険者)の要件として正しい。オは被扶養者に出産手当金がない旨(本人給付のみ)の正しい記述です。

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出産手当金(健保法第102条)の要件整理:

| 項目 | 内容 |

|---|---|

| 支給対象 | 被保険者本人(被扶養者には支給されない) |

| 支給事由 | 出産のために労務に服さなかった期間 |

| 支給開始日 | 出産予定日以前42日(単胎)・98日(多胎)から |

| 支給終了日 | 出産日後56日目まで(出産日より遅れた場合も出産日後56日) |

| 1日の支給額 | 標準報酬日額(直近12か月平均÷30)×3分の2 |

| 継続給付 | 資格喪失前に継続1年以上被保険者であれば、支給期間終了まで継続 |

各選択肢の解説:

  • ア(誤・正答): 多胎妊娠の支給開始は「出産予定日以前98日(14週)」が正しい(健保法第102条第1項)。「84日(12週)」は誤りです。単胎妊娠は42日(6週)・多胎妊娠は98日(14週)の数字は社労士試験頻出の暗記事項です。労働基準法上の産前産後休業(労基法第65条)と数字が同一である点も整合的に押さえる必要があります(単胎6週・多胎14週)。
  • イ(正): 支給開始日以前の継続した12か月間の標準報酬月額の平均を30で除した「標準報酬日額」の3分の2が支給額(健保法第99条第1項・第102条第2項)。これは傷病手当金の計算式と同一です。
  • ウ(正): 出産前42日(多胎98日)から出産日後56日までの期間のうち実際に労務に服さなかった日が支給対象(健保法第102条第1項)。出産日は産後56日に含まれます。
  • エ(正): 資格喪失後の継続給付(健保法第104条)。資格喪失前に継続して1年以上被保険者であった者は、支給期間が終了するまで引き続き出産手当金を受給できます。任意継続被保険者としての加入期間は通算されません。
  • オ(正): 出産手当金は被保険者本人の出産に対する現金給付(現金給付の一つ)であり、被扶養者(家族)が出産した場合には支給されません。被扶養者の出産に対しては「家族出産育児一時金」が支給されますが、出産手当金に相当する家族給付は存在しません。
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【出産手当金と傷病手当金の比較——社労士試験で最重要の混同回避】

出産手当金と傷病手当金は支給額の計算式(標準報酬日額×2/3)が共通しているため、試験では両者を混同させる選択肢が頻出です。以下の差異を正確に理解することが合格レベルの要件です。

| | 出産手当金 | 傷病手当金 |

|---|---|---|

| 根拠条文 | 健保法第102条 | 健保法第99条 |

| 支給事由 | 出産のため労務に服さない期間 | 疾病・負傷により労務に服することができない状態 |

| 待期期間 | なし(初日から支給) | 3日間の待期あり(連続3日休業後4日目から) |

| 支給期間 | 出産予定日前42日(多胎98日)から出産後56日(出産日含む)まで | 支給開始から通算1年6か月 |

| 支給額 | 標準報酬日額×2/3 | 標準報酬日額×2/3 |

| 給与との調整 | 給与等を受ける場合は差額支給(出産手当金>給与なら差額) | 給与等を受ける場合は差額支給(同様) |

| 継続給付 | 継続1年以上被保険者で支給期間終了まで継続(第104条) | 継続1年以上被保険者で最長1年6か月継続 |

出産前後の支給期間の精密な理解(実務・試験頻出):

法第102条第1項の規定:

> 「被保険者が出産したときは、出産の日(出産の日が出産の予定日後であるときは、出産の予定日)以前42日(多胎妊娠の場合においては、98日)から出産の日後56日までの間において労務に服さなかった期間、出産手当金を支給する」

この条文の「出産の日が出産の予定日後であるとき」という括弧書きが重要です:

  • 出産が予定日通りの場合: 予定日以前42日〜出産日後56日
  • 出産が予定日より早まった場合: 実際の出産日以前42日〜出産日後56日(予定日起算ではなく実際の出産日起算)
  • 出産が予定日より遅れた場合: 予定日以前42日〜出産日後56日(遅れた日数分も前倒しの支給として確保される。括弧書きは「遅れた場合は予定日を基準として前の期間を計算する」という意味)

実際の計算例:

  • 予定日:4月30日(単胎)→支給開始:3月19日(42日前)
  • 実際の出産:5月7日(予定日から7日遅れ)→支給終了:7月1日(出産日後56日)
  • この場合、支給期間:3月19日〜7月1日(合計105日)

標準報酬日額の計算の精密化(出産手当金・傷病手当金共通):

支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額 ÷ 30

注意点:

1. 支給開始日が被保険者期間12か月に満たない場合: 被保険者期間の平均額と、支給開始日の属する年度の前年度9月30日における全被保険者の平均標準報酬月額(協会けんぽが告示)のうち低い方を使用(健保法第99条第2項)。

2. 育休復帰後・産後直後の標準報酬月額: 産前に受給していた傷病手当金の計算に使った月額が繰り越される場合がある点に実務上は注意。

出産手当金と育休給付金・社会保険料免除との関係(上位資格・実務横断):

出産手当金は健康保険からの給付であり、同一の出産に対して:

  • 健康保険から出産育児一時金(50万円): 出産費用の補助
  • 健康保険から出産手当金(産前産後): 休業期間の所得補償
  • 雇用保険から育児休業給付金(育休期間中67%、出生後休業支援給付金適用で最大80%): 育休期間の所得補償
  • 産前産後休業中・育休中は社会保険料免除(健保法第159条・厚年法第81条の2)

これらは重複支給を前提とした設計ではなく、期間ごとに受取る給付が切り替わります。出産手当金(産前42日〜産後56日)が終わった後から育児休業給付金の主要な支給期間に入るのが典型的なパターン。社労士試験では各給付の適用期間・支給率・支給元(健保か雇保か)を横断的に問う問題が出題されます。

継続給付(健保法第104条)の要件と任意継続との関係:

資格喪失後の出産手当金継続給付の要件:

1. 資格喪失前に継続して1年以上被保険者であったこと

2. 資格喪失時に出産手当金の支給を受けていた、またはその受ける条件を満たしていること

任意継続被保険者の期間は「継続1年」の計算には通算されません。また、資格喪失後に任意継続被保険者となった場合でも、任意継続期間中の出産手当金は原則として支給されません(2007年以降、任意継続被保険者への傷病手当金・出産手当金の支給は廃止)。

<!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): 設問アの「多胎妊娠は出産予定日以前98日」が条文通り正しい記述だったため、誤り選択肢として成立させるため「84日(12週)」に修正(98日=14週が正しいことを誤りとする)。健保法第102条(出産手当金)・第104条(継続給付)・第99条第2項(標準報酬日額の計算)一次ソース突合済。労基法第65条の産前産後休業(単胎6週・多胎14週)と整合的に整理。基準日2026-04-10内で改正混入なし。正答ア維持(修正後の選択肢で)。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 健康保険法第102条(出産手当金)・第104条(継続給付)・第99条第1項・同第2項 確認日: 2026-06-08 出典: 厚生労働省 出産手当金 https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken13/dl/h20_01_08.pdf e-Gov 健康保険法第102条 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=211AC0000000070 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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