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法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

社労士 健康保険法 問20|標準報酬月額の随時改定——2等級以上・3か月・固定的賃金

問題

社労士 | 健康保険法 | 令和9年度(2027年度)試験対応・数値確認日 2026-10-01

健康保険における標準報酬月額の随時改定(いわゆる「月変」)に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

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答え合わせ

正解は ウ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はウ(誤っている記述)です。

ウの誤りは「固定的賃金が上昇した場合に、月平均報酬が2等級以上低くなっても随時改定が行われる」という部分です。随時改定の要件は「固定的賃金の変動方向と報酬の変動方向が一致していること」が前提とされています。固定的賃金が上昇したにもかかわらず月平均報酬が2等級以上下がった場合は、随時改定は行われません(昇給→月変は昇給した場合にのみ適用)。

アは正しく、残業手当等の非固定的賃金のみの変動では随時改定の対象になりません。イは随時改定の基本要件(2等級以上・3か月)として正しい。エは支払基礎日数の要件(各月17日以上・短時間労働者11日以上)として正しい。オは育児休業等終了時改定(第43条の2)の特例として正しい記述です。

随時改定(健保法第43条)の要件整理:

要件内容
① 固定的賃金の変動昇給・降給・日給→月給への変更等の固定的賃金に変動があること
② 3か月の継続受給変動月から引き続く3か月の報酬総額÷3=月平均報酬
③ 2等級以上の差月平均報酬に相当する標準報酬等級が従前と比べ2等級以上変動
④ 各月の支払基礎日数各月17日以上(短時間労働者は11日以上)
⑤ 変動方向の一致固定的賃金の増加→月平均の等級も増加、または固定的賃金の減少→月平均の等級も減少(逆方向は不適用)

各選択肢の解説:

  • ア(正): 固定的賃金(基本給・資格手当・役職手当・通勤手当等の固定的に支払われる賃金)に変動がなく、非固定的賃金(残業手当・出来高給等)のみが変動した場合は随時改定の対象となりません(健保法第43条第1項)。
  • イ(正): 随時改定(月変)の3要件(固定的賃金変動・3か月継続・2等級以上差)の内容は正確です。
  • ウ(誤・正答): 固定的賃金が上昇した(昇給)場合の随時改定は、月平均報酬の等級も上昇した場合に限ります。固定的賃金が上昇したにもかかわらず残業手当の急減等により月平均報酬が従前より2等級以上下がった場合は、固定的賃金の変動方向(上昇)と報酬の変動方向(下落)が一致しないため随時改定は行われません(いわゆる「逆月変なし」の原則)。健保法第43条第1項の文言は「著しく高低を生じた場合」だけで、この扱いは条文ではなく運用基準によるものです。日本年金機構は留意事項として「固定的賃金は上がったが、残業手当等の非固定的賃金が減ったため…標準報酬月額が従前より下がり、2等級以上の差が生じた場合」は随時改定の対象とならないと示しています。
  • エ(正): 支払基礎日数の要件(健保法第43条第1項・第41条第1項括弧書き)。継続した3か月の各月とも17日以上が必要(厚生労働省令で定める短時間労働者は11日以上)。1か月でも満たない月があれば随時改定は行いません(定時決定のように「その月を除いて計算」はしない)。
  • オ(正): 育休等終了時改定(健保法第43条の2)は、育児休業等終了日に3歳未満の子を養育する被保険者の申出により、固定的賃金の変動がなくても育休等終了後3か月間の報酬で改定する特例制度です(1等級差でも可)。産前産後休業終了時にも同様の特例があります(第43条の3)。

【随時改定の「固定的賃金」と「非固定的賃金」の区分】

随時改定の起点となる「固定的賃金の変動」の「固定的賃金」とは何かを正確に理解することが重要です。

固定的賃金(変動がある場合→月変の起点となる):

  • 基本給(月給・日給・週給)
  • 役職手当・職務手当
  • 資格手当
  • 地域手当・単身赴任手当(固定的に支払われるもの)
  • 通勤手当(定期代の変更)
  • 住宅手当(固定額支給の場合)
  • 日給→月給への雇用形態の変更

非固定的賃金(変動があっても月変の起点とならない):

  • 残業手当(時間外・休日・深夜労働割増賃金)
  • 出来高給・歩合給
  • 精皆勤手当(出勤日数により変動するもの)
  • 通勤手当(実費精算で月により変動するもの)
  • 業績賞与(単月支給の場合は標準賞与額に算入)

注意が必要なグレーゾーン:

  • 通勤手当の変更: 定期代の変更(固定的)はOK。経路変更・引っ越しによる変更も固定的賃金の変動として扱う
  • 時給→月給の変換: 雇用形態の変更は固定的賃金の変動として扱う

「逆月変なし」の原則の詳細(ウの正解根拠):

随時改定が行われる条件は固定的賃金の変動と月平均報酬の変動が「同一方向」であることを要します。

固定的賃金の変動月平均報酬の等級変動随時改定の可否
上昇(昇給)2等級以上上昇月変あり(昇給月変)
上昇(昇給)変動なし(1等級以内の変動)月変なし
上昇(昇給)2等級以上下落月変なし(逆月変なし)
下落(降給)2等級以上下落月変あり(降給月変)
下落(降給)変動なし月変なし
下落(降給)2等級以上上昇月変なし(逆月変なし)

この「逆月変なし」の理由は、固定的賃金の変動だけが長期的・安定的な賃金水準の変化を示し、一時的な残業増減等の影響で標準報酬が上下することを防ぐためです。

育休等終了時月変・産後休業終了時月変との比較:

通常の随時改定(月変)育休等終了時月変産後休業終了時月変
根拠条文健保法第43条健保法第43条の2健保法第43条の3
起点固定的賃金の変動育休等終了日の翌日が属する月産前産後休業終了日の翌日が属する月
固定的賃金変動の要否必要不要不要
等級差要件2等級以上1等級以上(2等級以上不要)1等級以上
支払基礎日数要件各月17日以上(短時間11日)17日未満の月は除いて平均同左
3か月全部が要件か必要(1か月でも欠ければ改定なし)不要(17日未満の月を除いて平均・第43条の2第1項)同左(第43条の3第1項)

育休等終了時月変の実務上の重要点:

育休復帰後、短時間勤務(育児のための時短)への移行により報酬が大幅に下がることが多い。この場合、従前の標準報酬(育休前の水準)との差が大きくなるため、育休等終了時月変により速やかに実態に合った標準報酬に改定されます(適正な保険料徴収のため)。

育休等終了時月変の届出:

  • 被保険者が事業主を経由して申し出る(第43条の2第1項)
  • 育休等終了日の翌日が属する月以後3か月の報酬(17日未満の月を除く)の平均で計算

定時決定(算定基礎届)との関係:

毎年1回の定時決定(7月1日現在で使用される事業所において同日前3か月〔4〜6月〕の報酬で決定し、9月から適用)も行われます。随時改定により改定された標準報酬は、その年の8月(7月〜12月に改定されたものは翌年8月)まで適用されます(第43条第2項)。7月〜9月のいずれかの月から随時改定される被保険者は、その年の定時決定の対象外です(第41条第3項)。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 健康保険法第43条(随時改定)・第41条第1項(支払基礎日数17日・厚生労働省令で定める者は11日。第43条第1項にも適用)・第41条第3項(定時決定との関係)・第43条の2(育児休業等終了時改定)・第43条の3(産前産後休業終了時改定)。2等級以上・変動方向の一致は条文ではなく保険者の運用基準(日本年金機構「随時改定(月額変更届)」の要件・留意事項で確認) 確認日: 2026-09-30 出典: 日本年金機構「随時改定(月額変更届)」https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/hoshu/20150515-02.html e-Gov 健康保険法第43条 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=211AC0000000070 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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  • 標準報酬月額の随時改定——2等級以上・3か月・固定的賃金
  • 頻出度A

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