社労士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

社労士 健康保険法 問21|標準賞与額の上限——年度累計573万円

問題

社労士 | 健康保険法 | 令和9年度(2027年度)試験対応・数値確認日 2026-10-01

健康保険における標準賞与額に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。

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答え合わせ

正解は イ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はイです。

健康保険の標準賞与額は、賞与を受けた月ごとに1,000円未満を切り捨てた額ですが、年度(4月1日〜翌年3月31日)の累計に573万円という上限が設定されています(健保法第45条第1項)。累計が573万円を超えることになる月は573万円に達するまでの額とし、その年度のそれ以降の賞与の標準賞与額は零になります。イはこの仕組みを正しく記述しています。

アは誤りで、「150万円が上限」というのは厚生年金の上限(賞与を受けた月ごとに150万円)の話です。健保は年度累計573万円であり、1回ごとの上限ではありません。

ウは誤りで、健保(年度累計573万円)と厚生年金(月ごとに150万円)の上限は異なります。

エは誤りで、現物給与(食事・住宅等)はその地方の時価によって厚生労働大臣が定める価額で算定に含まれます(健保法第46条第1項)。

オは誤りで、標準賞与額を決定するのは保険者等です(第45条第1項)。事業主は賞与額に関する事項を保険者等に届け出る立場です(第48条)。

健保の標準賞与額の仕組み(健保法第45条):

項目内容
1回の賞与の算定賞与の税引前支給額を1,000円未満切り捨て
年度累計上限5,730,000円(573万円・健保法第45条第1項)
上限超過分の取扱い超過部分は標準賞与額に算入されず、保険料も徴収されない
年度の起算日4月1日(4月1日〜翌年3月31日)
保険給付への影響傷病手当金等の額は標準報酬月額で計算(第99条第2項)。標準賞与額は健保の給付の計算には使わない

健保と厚生年金の標準賞与額の比較(ウの誤り根拠):

健康保険厚生年金
上限方式年度累計573万円賞与を受けた月ごとに150万円
根拠条文健保法第45条厚年法第24条の4
上限超過時累計が573万円となるようその月の標準賞与額を決定し、その年度の翌月以降の標準賞与額は零月ごとに150万円超をカット

この違いは社労士試験の頻出論点です。「健保も厚年も同じ上限」という誤りがウの肢で出現しています。

各選択肢の解説:

  • ア(誤): 「150万円が上限」は厚生年金の仕組みです(厚年法第24条の4・賞与を受けた月ごと)。健保の上限は年度累計573万円であり、1回ごとの上限額は設定されていません(健保法第45条)。
  • イ(正): 健保法第45条第1項ただし書の文言どおりです。累計額が573万円を超えることとなる月は累計が573万円となるように標準賞与額を決め、その年度のそれ以降の賞与の標準賞与額は零になります。超えた部分は標準賞与額に算入されないため、保険料の計算基礎にもなりません(第156条)。
  • ウ(誤): 健保の年度累計上限573万円と厚生年金の月ごとの上限150万円は異なる仕組みです。同一額という記述は誤り。
  • エ(誤): 現物給与(食事・住宅等)は「通貨以外の賞与」として標準賞与額の算定に含まれます(健保法第46条第1項)。その価額は、その地方の時価によって厚生労働大臣が定めます。「現物部分は除外」という記述は誤り。
  • オ(誤): 標準賞与額を決定するのは保険者等です(健保法第45条第1項)。事業主は、報酬月額及び賞与額に関する事項を保険者等に届け出なければならない(第48条)立場で、標準賞与額を自ら決定するのではありません。保険者等は標準報酬(標準報酬月額及び標準賞与額)を決定したときは、その旨を事業主に通知しなければなりません(第49条第1項)。

【健保の年度累計573万円の設計根拠と実務での計算方法】

健保の標準賞与額は、賞与を受けた月ごとに決定しつつ、年度(4月1日〜翌年3月31日)の累計額で上限をかける仕組みです(健保法第45条第1項)。上限の573万円は、標準報酬月額の等級区分の改定(第40条第2項)が行われたときは政令で定める額に変わります(第45条第1項括弧書)。

厚生年金の「賞与を受けた月ごとに150万円」と健保の「年度累計573万円」は、上限のかけ方が違います:

  • 厚生年金: 月ごとの上限。同じ月の賞与は150万円までが標準賞与額(厚年法第24条の4)
  • 健保: 年度の累計の上限。月ごとの上限はなく、累計が573万円に達した後の賞与は零(健保法第45条第1項ただし書)

年度累計573万円の実務計算(上限超過時の処理):

```

例: ある被保険者が同一年度に以下の賞与を受けた場合

4月賞与: 200万円(標準賞与額: 200万円・累計200万円)

7月賞与: 200万円(標準賞与額: 200万円・累計400万円)

12月賞与: 200万円(本来の標準賞与200万円・累計600万円→上限超過)

12月賞与の計算:

年度上限573万円 - 既積算400万円 = 残余173万円

12月の標準賞与額 = 173万円(200万円ではなく173万円)

200万円 - 173万円 = 27万円分は保険料徴収なし

```

実務上の注意:

  • 標準賞与額を決定するのは保険者等(健保法第45条第1項)。事業主は賞与を支払ったときに賞与支払届を提出する

573万円の根拠(傷病手当金・出産手当金の計算との関係):

傷病手当金・出産手当金の計算では月額の標準報酬日額を使用し、賞与額は直接計算に使われません。ただし、標準賞与額が保険料の計算基礎となることで、保険財政全体に影響します。

573万円は健保法第45条第1項に定められた額であり、労使折半で保険料が課されます。被保険者の年間賞与上限573万円に対する健保料は、例えば全国平均料率9.90%では(1人あたり)最大 573万円×9.90%÷2(被保険者負担)≒28万3,635円となります。

社労士試験での混同パターンと識別ポイント:

よくある誤答パターン正しい識別法
「健保も厚年も150万円上限」健保=年度累計573万円、厚年=月ごとに150万円。試験では「573万円」「150万円」の数字で区別
「健保も厚年も年度累計同額」健保573万円、厚年は月ごとに150万円(年間上限なし)
「標準賞与額は事業主が決める」決定は保険者等(健保法第45条第1項)。事業主は賞与額を届け出る(第48条)
「1,000円未満は四捨五入」正しくは1,000円未満切り捨て
「現物賞与は除外」現物給与は評価額換算して算入

月給と賞与の標準報酬の制度的相違点(まとめ):

標準報酬月額標準賞与額
等級区分第1級〜第50級(58,000円〜1,390,000円)等級なし(賞与支払額から直接算定)
上限第50級・1,390,000円年度累計573万円
算定基礎報酬月額を等級表に当てはめる賞与支払額を1,000円未満切捨て
改定タイミング定時決定(7月1日現在で決定・9月から適用)・随時改定賞与を受けた月ごとに決定
給付への影響傷病手当金・出産手当金の計算に使用傷病手当金等の計算には直接不使用(保険料のみ)
この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 健康保険法第45条第1項(標準賞与額・年度累計573万円の上限) 確認日: 2026-09-30 出典: 協会けんぽ 標準報酬月額・標準賞与額 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat330/sb3160/sbb3165/1962-271/ e-Gov 健康保険法第45条・第46条・第48条・第49条 https://laws.e-gov.go.jp/law/211AC0000000070 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

この問題の関連トピック

  • 標準賞与額の上限——年度累計573万円
  • 頻出度A

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