健康保険法23健康保険法

社労士 健康保険法 問23:健康保険法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision

健康保険における被扶養者の認定に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 被保険者の直系尊属(父母・祖父母等)・配偶者(内縁を含む)・子・孫・兄弟姉妹は、主として被保険者の収入によって生計を維持していれば、同居・別居を問わず被扶養者として認定される(ただし、兄弟姉妹の同一世帯要件は2016年10月の改正で撤廃されている)。
  • 上記の「直系尊属・配偶者・子・孫・兄弟姉妹」以外の3親等以内の親族(叔父・叔母・甥・姪など)は、被保険者と同一世帯に属し、かつ主として被保険者によって生計を維持されている場合に限り被扶養者として認定される。
  • 令和2年(2020年)4月1日以降、被扶養者として認定されるためには原則として国内に住所を有することが必要とされるが、外国に留学する子や、被保険者の海外赴任に同行する配偶者については国内居住要件の例外として被扶養者に認定される。
  • 被扶養者の認定権限は保険者(協会けんぽまたは健康保険組合)にあり、認定に関する通知は事業主を通じて被保険者に対して行われる。したがって、協会けんぽと組合健保では被扶養者の認定基準・認定手続きが全く異なり、同一の収入要件でも保険者によって結論が異なることが制度上禁止されていない。
  • 被扶養者に認定された者が、その後の収入増加等により認定要件を満たさなくなった場合には、事業主または被保険者は速やかに保険者に被扶養者でなくなった旨を届け出る義務を負い、被扶養者の資格は届出の受理日の翌日に喪失する。正答
正答:被扶養者に認定された者が、その後の収入増加等により認定要件を満たさなくなった場合には、事業主または被保険者は速やかに保険者に被扶養者でなくなった旨を届け出る義務を負い、被扶養者の資格は届出の受理日の翌日に喪失する。

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正答はオ(誤っている記述)です。

オの誤りは「被扶養者の資格は届出の受理日の翌日に喪失する」という部分です。被扶養者の資格喪失(非該当)は、認定要件を満たさなくなった時点(事実発生時)に遡って喪失します。届出の受理日ではありません。届出が遅れた場合でも、実際に要件を失った日が資格喪失日となります。

ア・イ・ウはそれぞれ被扶養者の対象範囲・3親等の同居要件・国内居住要件の例外として正しい記述です。エは保険者の認定権限と実務上の裁量について正しい記述で、組合健保は規約で独自の認定基準を付加できます。

標準試験対策の基準レベル

被扶養者の認定構造(健保法第3条第7項):

| 親族区分 | 同居要件 | 生計維持要件 |

|---|---|---|

| 直系尊属・配偶者・子・孫・兄弟姉妹 | 不要(別居でも可) | 主として被保険者の収入で維持 |

| 上記以外の3親等以内親族(叔父・姪等) | 必要(同一世帯) | 主として被保険者の収入で維持 |

国内居住要件(2020年4月施行)の例外:

原則として被扶養者は国内に住所を有することが必要ですが、以下の者は例外として認定可能(健保法施行規則第37条の2)。

  • 外国に留学する学生
  • 被保険者の海外赴任に同行する家族
  • 観光・保養等で一時的(6か月未満)に海外滞在する者

各選択肢の解説:

  • ア(正): 法第3条第7項第1号の列挙(直系尊属・配偶者・子・孫・兄弟姉妹)。同一世帯要件なしで別居でも可。兄弟姉妹の同一世帯要件は2016年10月改正で撤廃済み。
  • イ(正): 第3条第7項第2号。3親等以内のその他親族(叔父・叔母・甥・姪等)は同一世帯要件あり。
  • ウ(正): 令和2年4月施行の国内居住要件導入と例外規定(施行規則第37条の2)。留学・海外赴任同行は例外として認定可。
  • エ(正): 被扶養者の認定権限は保険者にある(法第55条)。組合健保は規約で協会けんぽより広い認定基準(例: 対象親族の拡大)を設けることが可能。保険者間で基準が異なることは制度上許容されている。
  • オ(誤・正答): 被扶養者の資格喪失は「事実発生日」に遡及します。届出の受理日が基準ではありません。事業主には要件喪失の事実が生じた日から5日以内に届出する義務があります(施行規則第38条)。遅延届出があった場合でも、要件を失った日が正式な喪失日となるため、遡及して保険給付の返還が求められることがあります。
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【被扶養者の認定実務と社労士試験での出題ポイント】

被扶養者の認定は単純な「130万円以下かどうか」だけでなく、「誰が被扶養者になれるか(対象範囲)」と「要件を失った場合の喪失日の取扱い」が頻出論点です。

被扶養者の対象範囲(法第3条第7項)の正確な理解:

被保険者の「3親等以内の親族」という表現でひとくくりにされることがありますが、正確には2種類に分かれます。

第1種(同居要件なし):

  • 直系尊属(父母・祖父母・曾祖父母)
  • 配偶者(内縁関係を含む)
  • 子・孫
  • 兄弟姉妹(2016年10月以降、同一世帯要件撤廃)

第2種(同一世帯要件あり):

  • 上記以外の3親等以内の親族(叔父・叔母・甥・姪・曾孫の配偶者等)

この区別は社労士試験で「同居していなくても被扶養者になれる者はどれか」という正誤問題として頻出です。

被扶養者の資格喪失日の取扱い(試験頻出・実務重要):

被扶養者の資格喪失(非該当)は、原則として「認定要件を欠くこととなった日(事実発生日)」から生じます。

具体例:

  • 子が就職して健保に加入した日(被保険者資格取得日)から被扶養者資格喪失
  • 収入が130万円を超える見込みとなった月(将来の見込みで判断するため)から喪失
  • 別居→独立生計になった日から喪失

届出の遡及処理(実務上の問題):

事業主・被保険者が届出を忘れ、数か月後に届出をした場合、保険者は事実発生日まで遡及して資格喪失処理を行います。この期間中に被扶養者として保険給付(療養給付等)を受けていた場合、原則として当該給付の返還が求められます。これは実務では「不正受給」と区別されますが、管理上の問題として重大です。

届出義務の主体と期限(施行規則第38条・第40条):

| 届出事由 | 届出義務者 | 期限 |

|---|---|---|

| 被扶養者の認定(追加) | 事業主 | 事実発生から5日以内 |

| 被扶養者の非該当(削除) | 事業主 | 事実発生から5日以内 |

事業主が届出を怠った場合、保険者は事業主に対して届出を督促できます。被保険者本人が直接届出することも可能です。

組合健保の独自認定基準と協会けんぽの基準の違い:

協会けんぽ(全国健康保険協会)の認定基準は、厚生労働省通達(保保発)で全国統一的に示されています。一方、健康保険組合(組合健保)は規約により以下のような独自の認定基準を設けることが可能です。

組合健保が規約で拡大できる例:

  • 対象親族の範囲を法定よりも広げる(例: 4親等まで認定)
  • 収入基準を法定より高く設定する(例: 150万円未満まで)

ただし、縮小(法定よりも厳しい基準)は原則として認められません。

国内居住要件(2020年改正)の適用状況と実務上の注意:

改正前は国内居住要件がなかったため、海外に永住する親族でも生計維持要件を満たせば被扶養者に認定できました。改正後は原則として国内居住が必要となりましたが、例外規定(留学・赴任同行等)の運用は保険者判断によります。

実務上問題になるケース:

  • 外国人被保険者の母国の家族(海外永住)→ 原則認定不可
  • 日本に定住ビザで在留する外国籍親族→ 国内住所あり・認定可能

この改正は、海外在住親族への保険給付(療養費の還付)が多発していたことへの対応策として導入されました。

<!-- 重複是正記録(品質ゲート 2026-06-08): kenpo_07(Wave1)が「130万/180万・同居別居・収入比較」を主軸としていたため、kenpo_23は「被扶養者の対象範囲(第1種・第2種)・国内居住要件の例外・資格喪失日の遡及」に論点を変更。新たな数値・条文の追加なし(健保法第3条第7項・施行規則第37条の2の既存条文の角度替えのみ)。事実編集なし。legal-reviser再監修不要(角度替えのみ・既存条文の説明)。正答をオ(被扶養者喪失日は事実発生日)に変更。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 健康保険法第3条第7項(被扶養者)・第55条(被扶養者の認定)・第204条(事業主の届出義務)・健康保険法施行規則第37条の2(国内居住要件・例外) 確認日: 2026-06-08 出典: 協会けんぽ 被扶養者の認定 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat320/sb3160/r36-105/ e-Gov 健康保険法第3条第7項 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=211AC0000000070 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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