健康保険法31健康保険法

社労士 健康保険法 問31:健康保険法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision

健康保険の保険料の負担に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 被保険者と事業主は、健康保険料を原則として折半(1/2ずつ)で負担する。この「労使折半」の原則は健保法第161条に定められている。
  • 健保組合は、規約で定めることにより、事業主の負担割合を被保険者の負担割合よりも高くすることができる。一方で、被保険者の負担割合を事業主の負担割合より高くすることはできない。
  • 任意継続被保険者の保険料は、在職中の被保険者と異なり、全額を任意継続被保険者が自己負担する。退職後は使用関係がないため、事業主が任意継続被保険者の保険料を負担することはない。
  • 協会けんぽ(全国健康保険協会)が管掌する健康保険の保険料率は、都道府県ごとに定められる。令和8年度の全国平均保険料率は9.9%である。
  • 日雇特例被保険者の保険料は、被保険者(日雇労働者)と事業主が折半で負担する。事業主は賃金支払いの際、自己の負担分と被保険者負担分の合計額相当の印紙保険料を、被保険者の手帳から徴収して保険者に金銭で納付する。正答
正答:日雇特例被保険者の保険料は、被保険者(日雇労働者)と事業主が折半で負担する。事業主は賃金支払いの際、自己の負担分と被保険者負担分の合計額相当の印紙保険料を、被保険者の手帳から徴収して保険者に金銭で納付する。

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正答はオ(誤っている記述)です。

日雇特例被保険者の保険料は確かに労使折半ですが、納付方法に誤りがあります。日雇の保険料は「事業主が健康保険印紙を被保険者の健康保険被保険者手帳に貼り付け、消印して納付する」(印紙保険料方式・健保法第169条)方法で行われます。「被保険者の手帳から徴収して金銭で納付する」という記述は仕組みを誤って説明しており、印紙の貼付・消印という方式とは異なります。

アは正しく労使折半の原則(健保法第161条)。イは正しく健保組合は事業主負担を増やすことは可能ですが被保険者負担を増やすことはできません(第162条)。ウは正しく任意継続被保険者は退職後のため全額自己負担です(第163条)。エは正しく協会けんぽは都道府県別料率で令和8年度全国平均は9.9%(第160条)。

標準試験対策の基準レベル

健康保険の保険料負担割合の体系:

| 被保険者の種別 | 被保険者負担 | 事業主負担 | 根拠条文 |

|---|---|---|---|

| 一般被保険者(協会けんぽ) | 1/2 | 1/2 | 第161条第1項 |

| 一般被保険者(健保組合) | 原則1/2(規約で減額可) | 原則1/2(規約で増額可) | 第162条 |

| 任意継続被保険者 | 全額(10/10) | なし(退職後のため) | 第163条 |

| 日雇特例被保険者 | 1/2(印紙保険料) | 1/2(事業主が印紙貼付・消印) | 第169条 |

各選択肢の解説:

  • ア(正): 健保法第161条第1項は「被保険者及びその使用者(事業主)は、それぞれ保険料額の1/2を負担する」と規定。折半が原則です。
  • イ(正): 健保法第162条により、健保組合は規約で「事業主の負担すべき一般保険料額の負担の割合を増加することができる」と定めています。事業主負担を増やす方向は認められますが、逆方向(被保険者負担を増やす規約)は認められません(被保険者保護)。
  • ウ(正): 任意継続被保険者の保険料は健保法第163条で規定され、標準報酬月額×保険料率を全額自己負担します。退職後は使用関係がないため事業主負担分は存在せず、現役時の保険料の約2倍を自己負担することになります。
  • エ(正): 協会けんぽは健保法第160条第2項で都道府県単位の保険料率を定め、令和8年度の全国平均は9.9%(確認日: 2026-06-08・出典: 協会けんぽ)です。なお、介護保険料率は1.62%、子ども・子育て支援金率は0.23%が別途加算されます。
  • オ(誤・正答): 日雇特例被保険者の保険料は、事業主が健康保険印紙(健保法第170条)を被保険者の健康保険被保険者手帳に貼り付け・消印して納付する印紙保険料方式(健保法第169条)で徴収・納付されます。「金銭で納付」「被保険者の手帳から徴収」という表現は実際の仕組みと食い違っており誤りです。
上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【健保組合の保険料設定の自由度・任意継続の保険料計算・日雇印紙保険料方式の詳細】

健保組合の保険料設定に関する規約自治の範囲(第162条):

健保組合は規約で次のような設定が可能です:

| 変更可能な事項 | 条件 |

|---|---|

| 事業主負担割合の増額 | 事業主分≧被保険者分(下限は折半・上限は規約次第) |

| 介護保険料率の設定 | 特定被保険者(40〜64歳)のみ徴収・介護保険2号料率に連動 |

| 付加給付の設定 | 高額療養費を超える自己負担分を法定外給付として補填可 |

| 保険料の報酬比例方式の維持 | 定額保険料等は認められない(標準報酬月額×料率方式が原則) |

なお健保組合が「被保険者負担を事業主負担より多くする」規約は健保法の強行規定(折半原則・被保険者保護)に違反するため無効です。

任意継続被保険者の保険料計算(第47条・標準報酬月額の特則):

任意継続被保険者の保険料は次の2つの方法で計算され、低い方の標準報酬月額を適用します:

1. 退職時の標準報酬月額をそのまま使用

2. 当該保険者の被保険者全体の前年9月30日時点の平均標準報酬月額(協会けんぽは全国平均・健保組合は組合平均)

この「低い方」の仕組みにより、高所得の退職者が在職中より低い保険料で任意継続できる場合があります。逆に低所得者は平均額の方が高い場合があるため、任意継続より国保の方が安いケースも存在します(実務上の重要な比較ポイント)。

任意継続被保険者の保険料改正(2022年1月〜)の影響:

2022(令和4)年1月より、任意継続被保険者は保険料の納付期限までに保険料を納付しなかった場合(健保法第38条第3号)に加え、自分の意思で資格を喪失できる(第38条第7号・自主喪失申出)ようになりました。これにより、改正前は事実上「保険料を意図的に滞納する」しかなかった脱退ルートが、申出による正規ルートに整備されました。

協会けんぽの保険料構造(令和8年度):

| 保険料の種類 | 率(協会けんぽ全国平均) | 労使の負担 | 備考 |

|---|---|---|---|

| 健康保険料(医療分) | 9.9% | 折半 | 都道府県別に異なる |

| 介護保険料 | 1.62% | 折半 | 40〜64歳のみ |

| 子ども・子育て支援金 | 0.23% | 折半 | 2026-04-01新設・hot_topic |

子ども・子育て支援金(2026-04-01施行)は健保法ではなく「子ども・子育て支援法の一部改正」に基づく新たな徴収で、社労士試験の令和8年度hot_topicとして注目されています。

日雇特例被保険者の印紙保険料方式の詳細:

日雇労働者は複数の事業主の下で就労することを前提とした制度のため、事業主が賃金支払いごとに「健康保険印紙(健保法第170条)」を被保険者の「日雇労働被保険者手帳」に貼り付け、消印する方式で保険料を納付します。具体的な流れ:

1. 事業主は健康保険印紙の販売所(郵便局等)で印紙を購入

2. 賃金支払いの日に、被保険者の手帳の所定欄に印紙を貼付

3. 印紙の上に消印を行い再使用不可とする

4. 事業主は被保険者負担分を賃金から控除(賃金支払いと相殺)

賃金日額の区分(第1〜第3級)に応じて印紙保険料の額が告示で定められ、労使折半で負担します。

日雇特例被保険者の保険料水準(条文告示値・年次運用):

| 賃金の日額区分 | 第1級 | 第2級 | 第3級 |

|---|---|---|---|

| 区分の閾値 | 11,000円以上 | 8,200円以上11,000円未満 | 8,200円未満 |

| 印紙保険料 | 労使各定額 | 労使各定額 | 労使各定額 |

(具体的な金額は告示で年次設定・VolatileBox管理推奨)

社労士試験での頻出パターン(まとめ):

| よくある誤答パターン | 正しい答え |

|---|---|

| 「健保組合は被保険者の負担を増やせる」 | 事業主負担は増やせるが被保険者負担を増やすことはできない |

| 「任意継続は退職時標準報酬で計算する(平均と比較しない)」 | 退職時と平均の低い方を使用 |

| 「日雇の保険料は月払い」 | 賃金支払いの都度・印紙で納付 |

| 「協会けんぽの料率は全国一律」 | 都道府県別(令和8年度全国平均9.9%) |

| 「日雇の印紙保険料は金銭納付」 | 印紙の貼付・消印で納付(金銭納付ではない) |

<!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): 健保法第161条(折半原則)・第162条(健保組合規約による事業主増額・被保険者増額は無効)・第163条(任意継続全額自己負担)・第169条(日雇印紙保険料)・第170条(健康保険印紙)・第160条(協会けんぽ都道府県別料率)一次ソース突合済。日雇印紙保険料の貼付・消印方式を正確に記述(金銭納付ではない)。任意継続自主喪失2022年改正は第38条第7号として整理。子ども・子育て支援金2026-04新設を記載。基準日2026-04-10内で改正混入なし。正答オ維持・構造異常(重複解説・正答訂正混入)を是正。 -->

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</invoke>

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 健康保険法第161条(保険料の折半負担)・第162条(健保組合規約による特例)・第163条(任意継続被保険者の保険料)・第169条(日雇特例被保険者の印紙保険料) 確認日: 2026-06-08 出典: e-Gov 健康保険法第161条〜第169条 https://laws.e-gov.go.jp/document?lawid=211AC0000000070 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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