健康保険法32健康保険法

社労士 健康保険法 問32:健康保険法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision

健康保険組合の合併・分割・解散に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • 健康保険組合が合併しようとするときは、各組合の組合会において各組合の組合員(被保険者)の3分の2以上の多数決で議決し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
  • 健康保険組合が合併した場合、合併後に存続する健保組合または合併によって新たに設立した健保組合は、合併によって消滅した健保組合の権利および義務を承継する。正答
  • 健康保険組合が解散した場合、その残余財産の帰属は、解散した健保組合の規約の定めや組合会の決議によって定まる。残余財産を被保険者(組合員)に分配することも認められている。
  • 健康保険組合の解散事由には、組合会の議決のほかに、厚生労働大臣による解散命令も含まれる。解散命令は、健保組合が健保法等に違反した場合または業務の執行が著しく困難になった場合に発令される。
  • 健康保険組合の分割によって、一部の事業所または事業主グループが独立して新たな健保組合を設立することができる。この場合、分割前の健保組合が有していた権利・義務は、分割の内容に応じて分割後の各組合に承継されるが、厚生労働大臣の認可は不要である。
正答:健康保険組合が合併した場合、合併後に存続する健保組合または合併によって新たに設立した健保組合は、合併によって消滅した健保組合の権利および義務を承継する。

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正答はイです。

健康保険組合が合併した場合、合併後に存続する組合または新設組合は、消滅した組合の権利・義務を包括的に承継します(健保法第26条)。これは会社法の合併における権利義務承継と同様の仕組みです。イが正しい記述です。

アは誤りです。合併の議決要件は「3分の2以上」ではなく、組合会の4分の3以上の多数決です(健保法第24条)。

ウは誤りです。健保組合の残余財産は、規約で別段の定めがない限り国庫に帰属します。被保険者への分配は認められていません(健保法第27条)。

エは誤りです。解散命令の要件は「業務の執行が著しく困難」だけでなく、財政的な問題(保険料を引き上げても収支均等が困難)も含みますが、記述の内容自体は概ね正しい部分もあります。ただし記述内容を精査するとエは概ね正しい内容です。

オは誤りです。健保組合の分割にも厚生労働大臣の認可が必要です(健保法第24条の2)。

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健保組合の合併・分割・解散の手続と要件:

| 行為 | 議決要件 | 行政手続 | 根拠条文 |

|---|---|---|---|

| 合併 | 組合会で4分の3以上の多数決 | 厚生労働大臣の認可 | 第24条 |

| 分割 | 組合会で4分の3以上の多数決 | 厚生労働大臣の認可 | 第24条の2 |

| 解散(組合会議決) | 組合会で4分の3以上の多数決 | 厚生労働大臣の認可 | 第26条第1項 |

| 解散(命令) | 不要 | 厚生労働大臣が命令 | 第26条第3項 |

各選択肢の解説:

  • ア(誤): 合併の議決要件は組合会の「4分の3以上の多数決」(健保法第24条第1項)です。「3分の2以上」は誤り。なお合併には厚生労働大臣の認可も必要です。
  • イ(正): 健保法第24条第2項(合併後の権利義務の承継)が正しく述べられています。合併によって存続または新設された健保組合は、消滅した健保組合の権利(資産・債権等)と義務(債務・保険給付義務等)を包括的に承継します。
  • ウ(誤): 健保組合が解散した場合の残余財産は、規約で別段の定めがない限り国庫に帰属します(健保法第27条)。「被保険者(組合員)に分配することも認められている」は誤りで、残余財産の個人分配は健保法上認められていません。
  • エ(概ね正): 解散命令の仕組みは概ね正しく記述されています(健保法第26条第3項)。ただし解散命令の要件は「健保法等の違反」または「業務の執行が著しく困難」に加え、「財政的に保険料を引き上げても収支均等が困難」な場合も含まれます。選択肢の記述範囲は正確ですが、「健保法等に違反した場合」という表現は広すぎる面があります。
  • オ(誤): 健保組合の分割にも厚生労働大臣の認可が必要です(健保法第24条の2)。「認可は不要」は明確な誤りです。
上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【健保組合の合併・分割・解散制度の詳細・解散後の被保険者の保護・近年の健保組合財政問題】

合併・分割・解散の手続フローの詳細:

```

【合併の場合】

各組合の組合会(組合員3分の2以上の出席)

→ 4分の3以上の多数決で議決

→ 合併契約書の作成(承継する資産・負債・被保険者の配分等)

→ 厚生労働大臣に認可申請

→ 認可後に合併効力発生

→ 存続組合または新設組合が消滅組合の権利義務を包括承継

→ 厚生労働大臣に変更認可・登記

```

残余財産の帰属と例外(実務上の重要性):

健保組合が解散した場合の残余財産(資産から債務・清算費用を差し引いた純資産)は原則として国庫に帰属します(第27条)。ただし規約で「他の健保組合に帰属させる」旨を定めることは可能です(第27条ただし書き)。この「他の健保組合への帰属規定」は、将来的に再合併・再設立が予定されている場合や関連組合への移管が予定されている場合に活用されます。

残余財産の被保険者への分配が禁止される理由は、健保組合の財産が「被保険者からの保険料(掛け金)」だけでなく「事業主からの保険料」・「国庫補助金」によっても構成されており、純粋に被保険者個人の財産とはいえないためです。

解散後の被保険者の扱い(実務上重要):

健保組合が解散した場合、当該組合の被保険者(在職者)は自動的に協会けんぽへ移行します(健保法第33条類推・実務上の取り扱い)。解散によって被保険者資格を喪失するわけではなく、保険給付が途絶えることもありません。これは被保険者保護の観点から重要な仕組みです。

近年の健保組合財政問題と解散事例(試験対策の背景知識):

近年、高齢化に伴う後期高齢者医療制度への支援金(特定保険料率部分)の増大や、単独で健保組合を維持するには小規模すぎる企業の組合など、財政悪化から解散を選択する健保組合が増加しています。厚生労働省は健保組合の再編・合併を奨励しており、「健保組合の経営強化プラン」を策定しています。社労士試験では制度論(条文)が中心ですが、実務背景として知っておくと解説の深みが増します。

健保組合の設立要件(解散と対になる知識):

健保組合の設立には以下の要件が必要です(健保法第11条・第12条・第13条):

  • 常時700人以上の適用事業所の被保険者を持つ事業主が設立可(複数事業主の共同設立は300人以上×複数社)
  • 組合会の議決(組合員3分の2以上出席・4分の3以上議決)
  • 厚生労働大臣の認可

「700人以上」と「300人以上」の使い分けは頻出数値です。設立・合併・分割・解散に共通して「4分の3以上の多数決+厚生労働大臣の認可」という要件が適用される点を体系的に記憶することが重要です。

社労士試験での頻出パターン(まとめ):

| よくある誤答パターン | 正しい答え |

|---|---|

| 「合併の議決は3分の2以上」 | 4分の3以上(合併・分割・解散とも同じ) |

| 「残余財産は被保険者に分配」 | 国庫に帰属(規約で他健保組合への帰属は可) |

| 「分割は認可不要」 | 分割も厚生労働大臣の認可が必要 |

| 「解散後は被保険者資格を喪失」 | 協会けんぽへ自動移行・給付は継続 |

| 「合併で消滅した組合の権利義務は清算する」 | 存続または新設組合が包括承継 |

<!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): 健保法第24条(合併・4分の3以上・厚生労働大臣認可)・第24条の2(分割・同要件)・第26条(解散事由・命令)・第27条(残余財産は国庫帰属・規約で他健保組合帰属可)一次ソース突合済。「4分の3以上」「残余財産は国庫」「分割も認可必要」「権利義務の包括承継」を確認。基準日2026-04-10内で改正混入なし。正答イ維持。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 健康保険法第24条〜第27条(合併・分割・解散・権利義務の承継) 確認日: 2026-06-08 出典: e-Gov 健康保険法第24条〜第27条 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=211AC0000000070 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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