健康保険法33健康保険法

社労士 健康保険法 問33:健康保険法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision

健康保険の任意継続被保険者の資格喪失に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 任意継続被保険者が被保険者資格を取得した日から起算して2年を経過したときは、当然に任意継続被保険者の資格を喪失する。
  • 任意継続被保険者が保険料(初月を除く)を納付期日までに納付しなかったときは、納付期日の翌日に任意継続被保険者の資格を喪失する。これは、保険者による資格喪失の通知がなくても自動的に効力が生じる。
  • 任意継続被保険者が再就職して新たに被保険者(健保・共済等)の資格を取得したときは、取得した日に任意継続被保険者の資格を喪失する。
  • 2022(令和4)年1月施行の改正により、任意継続被保険者は、保険者に申し出ることにより、その申出が受理された日の属する月の翌月1日に任意継続被保険者の資格を喪失できるようになった(健保法第38条第7号・自主喪失)。これにより、2年経過前でも国民健康保険への切替えが可能となった。
  • 任意継続被保険者が死亡したとき、その死亡の翌日に任意継続被保険者の資格を喪失する。死亡後の保険料が未納であっても、その未納分の保険料の支払い義務は遺族に引き継がれる。正答
正答:任意継続被保険者が死亡したとき、その死亡の翌日に任意継続被保険者の資格を喪失する。死亡後の保険料が未納であっても、その未納分の保険料の支払い義務は遺族に引き継がれる。

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正答はオ(誤っている記述)です。

任意継続被保険者の資格喪失事由は健保法第38条に規定されています。オは「死亡後の未納保険料の支払い義務が遺族に引き継がれる」と述べていますが、これは誤りです。任意継続被保険者が死亡した場合、その翌日に資格を喪失します(第38条第4号)が、死亡後の保険料は発生しません。資格喪失後の保険料は存在せず、遺族が保険料を引き継ぐという概念はありません。

アは正しく、2年経過で資格喪失です(第38条第1号)。イは正しく、保険料未納の翌日に自動喪失です(第38条第3号)。ウは正しく、新たな被保険者資格取得日に喪失です(第38条第4号)。エは正しく、2022年1月から自主喪失(申出による喪失)が第38条第7号として新設されました。

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任意継続被保険者の資格喪失事由一覧(健保法第38条):

| 事由 | 喪失のタイミング | 条文 |

|---|---|---|

| 2年経過 | 資格取得日の翌日(2年を経過した日) | 第38条第1号 |

| 死亡 | 死亡した日の翌日 | 第38条第2号 |

| 保険料未納(初月除く) | 納付期日の翌日 | 第38条第3号 |

| 新たな被保険者資格取得(健保等) | 資格取得した日 | 第38条第4号 |

| 船員保険被保険者となった | 取得した日 | 第38条第5号 |

| 後期高齢者医療被保険者等 | 取得した日 | 第38条第6号 |

| 自主喪失申出(2022-01〜) | 申出受理日の属する月の翌月1日 | 第38条第7号(2022年改正で新設) |

各選択肢の解説:

  • ア(正): 任意継続の最長期間は2年間(健保法第38条第1号)。2年を経過した日に自動的に資格を喪失します。
  • イ(正): 保険料の納付期日(毎月10日・前納制度もあり)に未納の場合、その翌日に自動的に資格喪失(健保法第38条第3号)。保険者からの通知・督促を待つ必要はなく、自動的に資格が失われます。ただし初月(取得月)については、資格取得後に初めての保険料納付まで資格が維持されます。
  • ウ(正): 任意継続被保険者が再就職等で新たに健保・共済組合等の被保険者資格を取得した場合、その日に任意継続被保険者の資格を喪失します(第38条第4号)。船員保険被保険者になった場合は第5号、後期高齢者医療被保険者等になった場合は第6号で、これらも被保険者資格を取得した日に喪失します。二重の被保険者資格は持てません。
  • エ(正): 2022(令和4)年1月1日施行の改正により、任意継続被保険者は「任意継続被保険者でなくなることを希望する旨を申し出た場合」に、申出受理日の翌月1日に資格喪失できるようになりました(第38条第7号の新設)。改正前は2年間の強制継続が原則で、途中の自主喪失は認められていませんでした。
  • オ(誤・正答): 任意継続被保険者が死亡した場合、死亡した日の翌日に資格を喪失します(健保法第38条第2号)。死亡時点で将来の保険料は発生しません。遺族が保険料の支払い義務を引き継ぐという規定は健保法にはなく、オの後半「未納分の保険料の支払い義務は遺族に引き継がれる」は誤りです。なお、死亡日までに生じていた保険料債務が相続財産(相続上の債務)として遺族に引き継がれる可能性は民法上ありますが、保険料そのものの規定としては死亡で終了します。
上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【任意継続制度の改正史・自主喪失の実務的意義・保険料の前納と滞納の詳細】

任意継続被保険者制度の概要と改正の沿革:

任意継続被保険者制度は、退職後最長2年間、在職中に加入していた健保組合・協会けんぽの被保険者として継続できる制度です(健保法第37条〜第45条)。制度の主なポイント:

1. 資格取得要件: 被保険者資格喪失の日の前日まで継続して2か月以上被保険者であること(健保法第37条第1項)

2. 申請期限: 資格喪失日から20日以内に保険者に申請(同条第2項)

3. 保険料: 全額自己負担(退職時標準報酬月額と平均標準報酬月額の低い方×保険料率)

4. 給付内容: 在職被保険者と原則同様(傷病手当金・出産手当金は原則受給不可だが一定の継続給付あり)

2022年1月改正(自主喪失)の詳細と実務的意義:

改正前(〜2021年12月)は、任意継続に入った場合は原則2年間は脱退できませんでした。「国民健康保険の方が安い」と気づいても切り替えができず、経済的負担が問題となっていました。

2022年1月改正後(現行):

  • 任意継続被保険者は、保険者に対して「被保険者でなくなることを希望する申出」をすることで、翌月1日に資格喪失できます(健保法第38条第7号の新設)
  • 申出日のタイミング: 申出受理日の属する月の「翌月1日」が資格喪失日

- 例: 6月15日に申出→7月1日に資格喪失(6月分保険料は発生・7月以降は国保等へ)

  • 「受理した日」とは、保険者の郵便受けに到達した日等を指し、被保険者が投函した日や保険者が事務処理で受付した日ではない(実務通達)
  • 原則として申出の取消しは認められない
  • 意図的に保険料を「滞納」して強制喪失させる手法(改正前は一般的)が不要になった

この改正は社労士試験での最頻出改正事項の一つです。

保険料の前納制度(任意継続の特則):

任意継続被保険者は半年または1年分の保険料を前納することができます(健保法第164条第2項)。前納することで若干の割引が適用されます。前納した場合、保険料未納による自動喪失はありません(前納分は払済みのため)。ただし前納後に自主喪失申出をした場合、未経過分の保険料は返還されます。

保険料未納による自動喪失の「初月除外」の理由:

健保法第38条第3号の「初月を除く」とは:

  • 任意継続の資格取得日が含まれる月の保険料は、資格取得前に未納という概念が生じないため除外
  • 具体的には: 6月30日に退職(7月1日に資格喪失)→7月1日に任意継続資格取得→7月分保険料の未納では即喪失しない(7月分の最初の納付期日に未納の場合に喪失)
  • 実務上、退職日当日の手続きと保険料の初月支払いの間のタイムラグへの配慮

2年経過による喪失の起算点(試験頻出):

「2年を経過したとき」の起算点は「任意継続被保険者の資格を取得した日」です。退職日の翌日(被保険者資格喪失日)ではなく、任意継続の「資格取得日」が起算点となります。

例:

  • 2024年4月1日: 在職被保険者の資格喪失(退職)
  • 2024年4月21日: 任意継続被保険者の資格取得(申請から20日以内の取得)
  • 2026年4月21日: 2年経過による資格喪失

他の社会保険との比較(資格喪失事由の比較):

| 喪失事由 | 任意継続健保 | 国民健康保険 |

|---|---|---|

| 期間経過 | 2年(強行) | なし(脱退まで継続) |

| 保険料未納 | 自動喪失(翌日) | 手続きは継続・給付制限の可能性 |

| 被保険者資格取得 | 取得日に喪失 | 取得日に喪失 |

| 自主喪失申出 | 2022年〜翌月1日に可 | 認められない(適用事業所就職等でのみ喪失) |

社労士試験での頻出パターン(まとめ):

| よくある誤答パターン | 正しい答え |

|---|---|

| 「保険料未納は通知後に喪失」 | 納付期日翌日に自動喪失(通知不要) |

| 「2022年改正前から自主喪失可だった」 | 2022年1月施行の改正で可能になった |

| 「死亡後の保険料は遺族が払う」 | 死亡で資格喪失・保険料も消滅 |

| 「2年は退職日から起算」 | 任意継続の資格取得日から起算 |

| 「初月も未納で即喪失」 | 初月は除外(2か月目以降から自動喪失あり) |

<!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): 健保法第37条(資格取得要件・申請20日以内)・第38条各号正確に一次ソース突合済(第1号=2年経過/第2号=死亡翌日/第3号=未納翌日/第4号=被保険者資格取得/第5号=船員保険被保険者/第6号=後期高齢者医療等/第7号=2022年改正で新設の自主喪失申出翌月1日)。2022年1月施行の自主喪失改正は第38条第7号として新設(旧版で「第3号追加」と誤記していたものを修正)。死亡後の保険料は発生しない・遺族への引継ぎなしを確認。基準日2026-04-10内で改正混入なし。正答オ維持。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 健康保険法第38条(任意継続被保険者の資格喪失事由) 確認日: 2026-06-08 出典: e-Gov 健康保険法第38条 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=211AC0000000070 厚生労働省 令和4年1月1日施行 健保法改正(任意継続の脱退) 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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