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法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

社労士 健康保険法 問34|健康保険の給付制限——故意・重過失・闘争・泥酔・刑事拘禁

問題

社労士 | 健康保険法 | 令和9年度(2027年度)試験対応・数値確認日 2026-10-01

健康保険の給付制限に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。

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答え合わせ

正解は ア
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はアです。

健康保険の給付制限は第116条〜第122条に定められています。アは闘争・泥酔・著しい不行跡による場合の給付制限(健保法第117条)を正しく述べています。保険者は「給付の全部または一部を行わないことができる」(任意的制限)とされています。

ウは誤りです。故意の犯罪行為または故意に給付事由を生じさせたとき(第116条)は、当該給付事由に係る保険給付は「行わない」(必ず全部不支給)と規定されており、「一部を行わないことができる(任意的)」「全部制限は認められない」は誤りです。

イは誤りです。健康保険法の給付制限の事由に「重大な過失」はありません(第116条〜第122条)。

エは誤りです。少年院収容・刑事施設等拘禁中(第118条第1項)でも、保険者は被扶養者に係る保険給付を行うことを妨げないとされています(同条第2項)。また傷病手当金・出産手当金が行われないのは厚生労働省令で定める場合に限られます。「健康保険の給付が行われない」と一律に言い切るのは誤りです。

オは誤りです。偽りその他不正の行為による場合(第120条)は、6か月以内の期間を定めて傷病手当金・出産手当金の全部または一部を支給しない旨の決定ができる規定で、「以後1年間の一律制限」ではありません。

健康保険の給付制限の類型と効果:

制限事由根拠条文制限の種類保険者の裁量
故意の犯罪行為・故意第116条当該給付事由に係る給付を行わない絶対的(「行わない」)
闘争・泥酔・著しい不行跡第117条全部または一部裁量的(「できる」)
少年院収容・刑事施設等拘禁第118条その期間の給付を行わない(傷病手当金・出産手当金は省令で定める場合に限る)。被扶養者の給付は行う絶対的(「行わない」)
療養の指示に従わない第119条一部裁量的(「できる」)
文書提出命令等に従わない第121条全部または一部裁量的(「できる」)
詐欺等の不正行為第120条6か月以内・傷病手当金・出産手当金の全部または一部を不支給裁量的(「できる」)

各選択肢の解説:

  • ウ(誤): 健保法第116条は「被保険者又は被保険者であった者が、自己の故意の犯罪行為により、又は故意に給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、行わない」と定めています。任意的制限ではなく、必ず行われません。
  • イ(誤): 健保法の給付制限(第116条〜第122条)に「重大な過失」を事由とするものはありません(他の法律の給付制限と混同しない)。
  • ア(正): 健保法第117条:「被保険者が闘争、泥酔又は著しい不行跡によって給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、その全部又は一部を行わないことができる。」この記述は条文と一致しており正しいです。
  • エ(誤): 第118条第1項は、少年院等に収容・刑事施設等に拘禁されたときは、疾病・負傷・出産につき、その期間に係る保険給付(傷病手当金・出産手当金は厚生労働省令で定める場合に限る)は行わないと定めますが、同条第2項は「保険者は…被扶養者に係る保険給付を行うことを妨げない」と定めています。「健康保険の給付が行われない」「保険者が任意に給付することはできない」と一律に述べる点が誤りです。
  • オ(誤): 詐欺等の不正行為(第120条)は、6か月以内の期間を定め、傷病手当金・出産手当金の全部または一部を支給しない旨の決定をすることができる規定です(不正行為があった日から1年を経過したときは除く)。「以後1年間の一律制限」ではありません。

【健保の給付制限の法的性格・刑事拘禁制限の詳細・他保険との比較・実務判断の指針】

給付制限の法的性格(「できる」と「しない」の違い):

給付制限には2種類の法的性格があります:

1. 裁量的制限(「〜することができる」): 闘争・泥酔・著しい不行跡(第117条)、療養の指示に従わない(第119条)、不正行為(第120条)、文書提出命令等に従わない(第121条)

- 保険者が具体的事案に応じて制限するかどうか判断する余地がある

2. 絶対的制限(「〜行わない」): 故意の犯罪行為・故意(第116条)、少年院収容・刑事施設等拘禁(第118条)

- 当然に給付されない(第118条は、被扶養者に係る保険給付を行うことを妨げない=同条第2項)

この区別は社労士試験で「保険者が必ず制限しなければならないか」を問う問題に直結します。

刑事拘禁(第118条)の詳細と例外:

対象(健保法第118条第1項):

  • 第1号: 少年院その他これに準ずる施設に収容されたとき
  • 第2号: 刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されたとき

収容・拘禁中は国の責任で医療が行われるため、健保から重複して給付する必要がない、というのが一般的な説明です。

例外:

  • 傷病手当金・出産手当金: 行われないのは「厚生労働省令で定める場合に限る」(第118条第1項括弧書き)
  • 被扶養者への給付: 被保険者本人が収容・拘禁されても、保険者は被扶養者に係る保険給付(家族療養費等)を行うことを妨げない(同条第2項)

他の法律(国民年金法・厚生年金保険法・労災保険法)にも故意・重大な過失・拘禁等による給付制限の規定がありますが、要件と効果は法律ごとに異なるため、各法の条文で確認してください。

被扶養者への準用(第122条):

第116条・第117条・第118条第1項・第119条は被扶養者について準用され、「保険給付」は「当該被扶養者に係る保険給付」と読み替えられます(第122条)。たとえば被扶養者が故意に給付事由を生じさせたときは、その被扶養者に係る保険給付(家族療養費等)は行われません。一方、第120条(不正受給による傷病手当金・出産手当金の不支給)と第121条(文書提出命令等に従わない場合)は準用の対象に挙がっていません。

条被保険者被扶養者への準用(第122条)
第116条(故意の犯罪行為・故意)行わないあり
第117条(闘争・泥酔・著しい不行跡)全部又は一部を行わないことができるあり
第118条第1項(収容・拘禁)その期間の保険給付を行わないあり
第119条(療養の指示に従わない)一部を行わないことができるあり
第120条・第121条条文のとおり準用の定めなし

第119条・第121条の文言の違い:

第119条は「正当な理由なしに療養に関する指示に従わないとき」に保険給付の一部を行わないことができ、第121条は第59条の命令に従わず、又は答弁・受診を拒んだときに保険給付の全部又は一部を行わないことができると定めています。「全部」まで制限できるかどうかは条ごとに違うため、文言で確認します。

不服申立て:

保険給付に関する処分に不服がある者は、社会保険審査官に審査請求をし、その決定に不服があれば社会保険審査会に再審査請求をすることができます(第189条第1項)。給付制限の決定もこの対象です。

社労士試験での頻出パターン(まとめ):

よくある誤答パターン正しい答え
「故意による場合は一部制限のみ」故意は行わない(絶対的・第116条)
「重大な過失も健保の給付制限事由」健保法に重大な過失の制限はない
「刑事拘禁中の全給付が絶対停止」被扶養者の給付を行うことを妨げない(第118条第2項)
「泥酔すると必ず給付制限」「できる」(裁量的)・必ず制限されるわけではない
「不正受給は以後1年間制限」6か月以内の期間で傷病手当金・出産手当金を不支給にできる(第120条)
この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 健康保険法第116条(故意の犯罪行為・故意)・第117条(闘争・泥酔・著しい不行跡)・第118条(少年院収容・刑事施設等拘禁)・第119条(療養の指示に従わない)・第120条(詐欺等の不正行為) 確認日: 2026-06-08 出典: e-Gov 健康保険法第116条〜第120条 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=211AC0000000070 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

この問題の関連トピック

  • 健康保険の給付制限——故意・重過失・闘争・泥酔・刑事拘禁
  • 頻出度B

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