健康保険法36健康保険法

社労士 健康保険法 問36:健康保険法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision

健康保険の保険料率の区分(特定保険料率・基本保険料率)に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • 健康保険の保険料率は、医療給付費等に充てるための「基本保険料率」と、後期高齢者支援金等に充てるための「特定保険料率」の2種類に区分されている。協会けんぽ・健保組合ともに、この2区分の明示が義務付けられている。
  • 特定保険料率とは、後期高齢者支援金・前期高齢者納付金の財源に充てられる保険料率であり、被保険者はこの部分の保険料を全額自己負担する(特定保険料率部分は事業主が負担しない)。
  • 前期高齢者納付金は、65歳以上75歳未満の前期高齢者に係る医療費の財政調整を目的として、各医療保険者(健保・国保等)から社会保険診療報酬支払基金に拠出されるものである。
  • 後期高齢者支援金は、75歳以上の後期高齢者に係る医療費(後期高齢者医療制度の給付費)の約50%を賄う財源として、各医療保険者が拠出するものである。
  • 協会けんぽの全国平均保険料率(9.9%)は、基本保険料率と特定保険料率を合算したものである。介護保険料率(1.62%)および子ども・子育て支援金率(0.23%)は、この保険料率とは別建てで徴収される。正答
正答:協会けんぽの全国平均保険料率(9.9%)は、基本保険料率と特定保険料率を合算したものである。介護保険料率(1.62%)および子ども・子育て支援金率(0.23%)は、この保険料率とは別建てで徴収される。

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正答はオです。

協会けんぽの全国平均保険料率9.9%は、基本保険料率と特定保険料率を合算したものです。介護保険料率(1.62%)と子ども・子育て支援金率(0.23%)は別立てで上乗せ徴収されます。オが正しい記述です。

アは正しいのですが、厳密には協会けんぽは法律上の区分表示義務があり、健保組合は規約・通知等で区分することが推奨されていますが義務付けの範囲が異なります。よって「ともに義務付けられている」は一部誤りです。

イは誤りです。特定保険料率部分も労使折半(事業主と被保険者が1/2ずつ負担)です。被保険者が全額負担するわけではありません。

ウは概ね正しいですが、前期高齢者納付金は65歳以上75歳未満の前期高齢者の医療費財政調整を目的としており、記述は正確です。

エは誤りです。後期高齢者支援金が賄う財源比率は約40%(保険者等拠出分)です(残りは国・都道府県・市区町村の公費と後期高齢者の保険料で負担)。「約50%」は誤りです。

標準試験対策の基準レベル

健康保険の保険料率の区分(健保法第160条・令和8年度・協会けんぽ全国平均):

| 保険料率の種類 | 対象 | 割合目安 | 負担 |

|---|---|---|---|

| 基本保険料率 | 医療給付費・保健事業・事務費等 | 9.9%のうち大半 | 労使折半 |

| 特定保険料率 | 後期高齢者支援金+前期高齢者納付金 | 9.9%のうち一定割合 | 労使折半 |

| 介護保険料率(別建て) | 介護保険の第2号保険料 | 1.62% | 労使折半(40〜64歳) |

| 子ども・子育て支援金(別建て) | 少子化対策財源(2026-04新設) | 0.23% | 労使折半 |

前期高齢者財政調整と後期高齢者支援金の違い:

| | 前期高齢者財政調整(前期高齢者納付金) | 後期高齢者支援金 |

|---|---|---|

| 対象年齢 | 65歳以上75歳未満(前期高齢者) | 75歳以上(後期高齢者) |

| 仕組み | 各医療保険者の前期高齢者加入者比率の格差を是正する財政調整 | 後期高齢者医療制度の給付費の約40%を各医療保険者が拠出 |

| 拠出先 | 社会保険診療報酬支払基金(経由して各保険者へ交付) | 社会保険診療報酬支払基金(経由して後期高齢者医療広域連合へ)|

| 健保への影響 | 健保の被保険者に前期高齢者が少ないため拠出超過になりやすい | 後期高齢者支援金として特定保険料率部分の財源 |

各選択肢の解説:

  • ア(一部誤): 協会けんぽは法定で特定・基本の区分表示が義務(健保法第160条第6項・第7項)。ただし健保組合については同様の法律上の明示義務があるかどうかは慎重に判断が必要です。
  • イ(誤): 特定保険料率も労使折半です(健保法第161条の折半原則は保険料率区分によって変わりません)。事業主が負担しないというのは誤りです。
  • ウ(正): 前期高齢者財政調整(高確法第32条以下)の説明として正確です。
  • エ(誤): 後期高齢者支援金は後期高齢者医療の給付費の約40%(保険者等負担分)を賄います。「約50%」は誤りです(残り約10%は後期高齢者の保険料・約50%は公費)。
  • オ(正): 協会けんぽの全国平均保険料率9.9%は基本+特定の合算値。介護料率・支援金率は別建てである点は正しく記述されています。
上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【前期高齢者財政調整・後期高齢者支援金の財政構造・特定保険料率と健保財政への影響・将来の持続可能性】

高齢者医療確保法(高確法)による財政調整の全体像:

高齢者医療確保法(2008年施行)は、前期高齢者(65〜74歳)と後期高齢者(75歳以上)の医療費負担を各保険者間で公平に分担するための仕組みを設けています。

前期高齢者財政調整のメカニズム(重要):

前期高齢者は各医療保険者(健保組合・協会けんぽ・国保等)に分散して加入していますが、その加入割合は大きく偏っています。一般的に:

  • 健保組合・協会けんぽ: 前期高齢者加入率が低い(現役世代中心)
  • 国民健康保険: 前期高齢者加入率が高い

この格差を是正するため、前期高齢者加入率が全体平均より低い保険者(健保組合等)は「前期高齢者納付金」を支払基金に拠出し、加入率が高い保険者(国保等)は「前期高齢者交付金」を受け取る仕組みです。

結果として、健保組合・協会けんぽは実質的に多くの「前期高齢者納付金」を拠出することになり、これが特定保険料率上昇の主因の一つとなっています。

後期高齢者支援金の財源構成(令和8年度目安):

後期高齢者医療制度の給付費総額の財源:

  • 公費(国・都道府県・市区町村): 約50%
  • 各医療保険者からの後期高齢者支援金: 約40%(現役世代の連帯)
  • 後期高齢者の保険料: 約10%

この「40%連帯負担」が医療保険料(特定保険料率)に組み込まれており、被保険者・事業主双方が折半で拠出します。高齢化の進行とともにこの比率・金額は増加傾向にあり、健保組合財政を圧迫する要因となっています。

特定保険料率の動向と健保財政への影響:

令和8年度の協会けんぽ全国平均9.9%の内訳(協会けんぽ公表値):

  • 基本保険料率: 6.66%(医療給付費・保健事業等)
  • 特定保険料率: 3.24%(32.4/1000・全国一律・後期高齢者支援金+前期高齢者納付金)

※特定保険料率は全国一律で設定され(令和8年度3.24%)、全国平均料率9.9%から特定保険料率を差し引いた残りが基本保険料率(6.66%)となります。

特定保険料率は高齢化に伴い上昇を続けており、2000年代初頭と比較すると大幅に増加しています。社労士試験では「特定保険料率=後期支援金+前期納付金の財源」という区分を正確に理解することが求められます。

子ども・子育て支援金(2026-04新設)との関係:

2026年4月から新設された「子ども・子育て支援金」(0.23%・協会けんぽ全国平均)は、健保法上の保険料率(基本・特定)とは別の法的根拠(子ども・子育て支援法改正)に基づく徴収です。健保の保険料率区分(基本・特定)の外側に位置づけられており、社労士試験では令和8年度hot_topicとして把握が必要です。

健保組合の特定保険料率の設定:

健保組合は独自の保険料率を設定できますが、特定保険料率部分については保険者が拠出すべき後期高齢者支援金・前期高齢者納付金の額が確定してから逆算で設定します。基本保険料率(医療給付費充当分)は組合の医療費実績・独自付加給付等によって変動します。

社労士試験での頻出パターン(まとめ):

| よくある誤答パターン | 正しい答え |

|---|---|

| 「特定保険料率は被保険者全額負担」 | 特定部分も労使折半 |

| 「後期高齢者支援金は医療費の50%を賄う」 | 保険者拠出は約40% |

| 「前期高齢者は75歳以上」 | 前期は65〜74歳・後期は75歳以上 |

| 「介護保険料は健保保険料率に含まれる」 | 別建て(40〜64歳のみ) |

| 「子ども・子育て支援金は健保料率に含まれる」 | 別建て(2026-04新設) |

<!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): 健保法第160条第5〜7項(基本保険料率・特定保険料率の区分)・高確法第32条以下(前期高齢者財政調整)・第34条(後期高齢者支援金)・後期高齢者支援金=給付費の約40%(国公費50%・後期保険料10%)一次ソース突合済。特定保険料率も労使折半・後期支援金の財源比率40%を確認。基準日2026-04-10内で改正混入なし。正答オ維持。 -->

<!-- 最終監修 2026-06-08(legal-reviser・最終ゲート): advanced解説内の保険料率内訳をYMYL観点で協会けんぽ令和8年度公表値に修正。旧記載「基本約6.5%・特定約3.4%」→ 正確な「基本6.66%・特定3.24%(32.4/1000全国一律)」へ。出典: https://www.kyoukaikenpo.or.jp/about/business/insurance_rate/001/index.html (令和8年度全国平均料率9.9%・3月分から適用) -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 健康保険法第160条第5項〜第7項(特定保険料率・基本保険料率)・高齢者の医療の確保に関する法律(前期高齢者財政調整・後期高齢者支援金) 確認日: 2026-06-08 出典: e-Gov 健康保険法第160条 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=211AC0000000070 厚生労働省 前期高齢者医療費の財政調整 https://www.mhlw.go.jp/ 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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特定保険料率と基本保険料率——後期高齢者支援金・前期高齢者納付金の財源構造頻出度B

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