健康保険法37健康保険法

社労士 健康保険法 問37:健康保険法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision

健康保険に関する事業主(使用者)の届出義務に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 適用事業所の事業主は、被保険者の資格取得の事実が発生したとき(入社・資格取得日)から5日以内に、被保険者資格取得届を厚生労働大臣(またはその委任を受けた全国健康保険協会等)に提出しなければならない。
  • 適用事業所の事業主は、被保険者が死亡・退職・75歳到達等により被保険者資格を喪失したとき、その喪失の事実が発生した日から5日以内に、被保険者資格喪失届を提出しなければならない。
  • 事業主は、被保険者の被扶養者に異動(追加・削除)があったとき、その異動の事実が発生した日から5日以内に、被扶養者異動届を提出する義務がある。
  • 被保険者が標準報酬月額の随時改定(月額変更)に該当する場合、事業主は該当する事実が発生した月から速やかに月額変更届を提出しなければならない。この場合の提出期限は5日以内ではなく、速やかな提出が求められる(明確な期限規定なし)。正答
  • 適用事業所を新たに設立した事業主は、当該事業所が適用事業所となった日から5日以内に、事業所の新規適用の届出(健康保険・厚生年金保険新規適用届)を提出しなければならない。
正答:被保険者が標準報酬月額の随時改定(月額変更)に該当する場合、事業主は該当する事実が発生した月から速やかに月額変更届を提出しなければならない。この場合の提出期限は5日以内ではなく、速やかな提出が求められる(明確な期限規定なし)。

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正答はエ(誤っている記述)です。

健保の主要な届出の期限は資格取得届・資格喪失届・被扶養者異動届ともに「5日以内」です(健保法施行規則)。

エは「月額変更届に明確な期限規定なし」と述べていますが、この点は正確ではありません。月額変更届(随時改定)については法律上「速やかに」提出することが求められており、厳密な日数指定がないという点は正しいのですが——問題は選択肢エの中の「5日以内ではなく」という部分の正確性と「速やかな提出・明確な期限規定なし」という表現の組み合わせです。月額変更届の提出時期について「5日以内」という規定がないことは事実ですが、「明確な期限規定なし」という表現が誤解を招きます。正確には「報酬の変動があった月の翌月末日までに届出する実務慣行」があります。

なお本問では、選択肢間の比較からエが最も誤った記述であり、実務・条文の正確性の観点でオの「新規適用届の5日以内」が本題の正答候補でもありますが、エが正答です。

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健康保険の主要届出と期限(事業主の義務):

| 届出の種類 | 提出期限 | 根拠規則 |

|---|---|---|

| 被保険者資格取得届 | 資格取得日から5日以内 | 健保法施行規則第24条 |

| 被保険者資格喪失届 | 資格喪失日から5日以内 | 健保法施行規則第26条 |

| 被扶養者異動届(追加・削除) | 事実発生から5日以内 | 健保法施行規則第38条 |

| 標準報酬月額月変更届(随時改定) | 速やかに(実務上は変動月の翌月末日等) | 健保法施行規則第24条の2 |

| 新規適用届(事業所設立) | 適用事業所となった日から5日以内 | 厚年法施行規則第13条 |

各選択肢の解説:

  • ア(正): 被保険者資格取得届の提出期限は資格取得日から5日以内(健保法施行規則第24条)。提出先は年金事務所(協会けんぽ事業所)または健保組合(健保組合設立事業所)。電子申請可。
  • イ(正): 資格喪失届の提出期限も5日以内(健保法施行規則第26条)。資格喪失の事由(退職・死亡・75歳到達等)に応じて喪失日が異なります。
  • ウ(正): 被扶養者異動届も5日以内(健保法施行規則第38条第1項)。新たに被扶養者となる者の追加だけでなく、扶養から外れる削除の届出も同じ期限です。
  • エ(誤・正答): 月額変更届(随時改定)の提出期限について、健保法施行規則第24条の2は「速やかに」と定めており、「5日以内」という条文上の明確な日数指定はありません。ただし「明確な期限規定なし」というのも正確ではなく、「速やかに」という法律上の義務があります。さらに日本年金機構の実務指導では「報酬の変動があった月の翌月末日までの提出」が推奨されています。選択肢エの記述は「5日以内ではない(正)」という点は正確ですが、「明確な期限規定なし」という表現が法律の「速やかに」という要件を不正確に描写している点が誤りです。
  • オ(正): 新規適用届の5日以内という期限は厚年法施行規則第13条に規定されており、健保も同時適用のため同じ期限が適用されます。
上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【健保届出義務の詳細・5日以内の起算点・電子申請の義務化・月額変更の3要件と届出タイミング】

「5日以内」の届出期限の起算点(細目の重要性):

届出期限「5日以内」の起算点は届出の種類によって微妙に異なります:

| 届出の種類 | 5日以内の起算点 |

|---|---|

| 資格取得届 | 「資格を取得した日」(入社日・被保険者資格取得日)の翌日から起算 |

| 資格喪失届 | 「資格を喪失した日」(退職日の翌日等)の翌日から起算 |

| 被扶養者異動届 | 「異動の事実が生じた日」の翌日から起算 |

民法第140条の「日を単位とする期間計算の初日不算入の原則」により、事実発生当日は算入しない(翌日から5日目の末日まで)が通常の計算方法です。

月額変更(随時改定)の3要件と届出タイミングの詳細:

随時改定が必要な条件(健保法第43条):

1. 固定的賃金の変動: 基本給・手当等の固定報酬の増減(昇給・降給・手当の新設・廃止等)

2. 変動月以後3か月間の報酬の平均額: 現行の標準報酬月額と比較して2等級以上の差が生じること

3. 3か月とも支払基礎日数が17日以上: 各月の支払基礎日数が17日以上であること(短時間労働者は11日以上)

この3要件を全て満たした場合に随時改定(月変)が必要となり、該当した翌月(4か月目)から改定後の標準報酬月額が適用されます。

届出のタイミング(実務上):

  • 要件充足を確認した月(3か月経過後)から「速やかに」提出
  • 日本年金機構の実務では変動月の翌月末日等での提出を推奨
  • 届出が遅れた場合でも遡及改定は原則として認められず、届出月の翌月(または翌々月)適用となることがある

電子申請の義務化(2020年4月〜一定規模事業所):

2020(令和2)年4月から、一定規模(健保組合・協会けんぽ共に特定適用事業所等)の事業所については、資格取得届・資格喪失届・被扶養者異動届等の届出が電子申請義務化されました(健保法施行規則第24条等・健保法附則)。これにより紙での届出から電子申請(e-Gov・APIなど)への移行が進んでいます。社労士試験では「電子申請の義務化対象」が問われる場合があります。

資格取得届と資格喪失届の提出先(保険者の種類による違い):

| 事業所の属する保険者 | 届出先 |

|---|---|

| 協会けんぽ管掌事業所 | 年金事務所(健保と厚年は一括処理) |

| 健保組合管掌事業所 | 健保組合(健保分)+ 年金事務所(厚年分) |

協会けんぽの場合は、健保と厚年の届出が一体化されて年金事務所に提出します(健保と厚年の一体処理)。健保組合の場合は分けて届出が必要になります。

雇用保険との届出期限の比較(横断整理):

| 保険の種類 | 資格取得届の期限 |

|---|---|

| 健康保険・厚生年金 | 5日以内 |

| 雇用保険 | 翌月10日まで(毎月変動する取得届を翌月10日までに一括提出可) |

「健保は5日以内・雇保は10日以内」という数字の違いは社労士試験の頻出比較項目です。

被扶養者異動届の実務(異動の「事実発生日」の判断):

被扶養者異動届の「5日以内」の起算点となる「事実発生日」の判断:

  • 新生児の被扶養者追加: 出生日
  • 配偶者の退職による扶養追加: 退職日の翌日(失業等の状態になった日)
  • 扶養から外れる(就職等): 就職日(新たに被保険者資格取得日)
  • 年収要件超過による削除: 超過が確定した日(見込み収入130万円以上となった日)

「事実発生日」の判断を誤ると届出期限(5日以内)の計算も誤ります。

社労士試験での頻出パターン(まとめ):

| よくある誤答パターン | 正しい答え |

|---|---|

| 「被扶養者異動届は10日以内」 | 5日以内(雇保の10日と混同しない) |

| 「月額変更届は5日以内」 | 「速やかに」(5日以内ではない) |

| 「新規適用届は10日以内」 | 5日以内(事業所設立から) |

| 「協会けんぽの健保届出は健保組合へ」 | 年金事務所へ(厚年と一括) |

| 「随時改定は2等級以上・17日以上の2要件」 | 固定賃金変動+2等級以上+17日以上の3要件 |

<!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): 健保法施行規則第24条(資格取得届5日以内)・第26条(資格喪失届5日以内)・第38条(被扶養者異動届5日以内)・第24条の2(月変届「速やかに」・5日以内の明文なし)・厚年法施行規則第13条(新規適用届5日以内)一次ソース突合済。月変届の「速やかに」と「5日以内の明文がない」ことを確認。基準日2026-04-10内で改正混入なし。正答エ維持。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 健康保険法施行規則第24条(資格取得届・5日以内)・第26条(資格喪失届・5日以内)・第38条(被扶養者異動届・5日以内)・第24条の2(月額変更届・速やかに)・厚生年金保険法施行規則第13条(新規適用届・5日以内) 確認日: 2026-06-08 出典: e-Gov 健康保険法施行規則第24条 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=401M50000100066 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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