社労士 健康保険法 問39:健康保険法
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)
健康保険の日雇特例被保険者の保険給付に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア日雇特例被保険者は、日雇労働被保険者手帳の健康保険印紙の貼付状況(保険料納付実績)に応じて、保険給付を受けることができる。療養の給付を受けるためには、前2か月(直近2か月)に通算して26日分以上の保険料が納付されていること等の要件がある。
- イ日雇特例被保険者の被扶養者に対する保険給付(家族療養費等)は、一般被保険者の被扶養者に対する給付と同様に行われる。日雇特例被保険者本人が療養の給付の要件を満たしている場合には、被扶養者も家族療養費の対象となる。
- ウ日雇特例被保険者が出産した場合の出産育児一時金は、一般被保険者と同様に500,000円/児(産科医療補償制度対象施設での出産)が支給される。ただし、出産育児一時金の受給には、一般の療養給付と同様の保険料納付要件が必要である。
- エ日雇特例被保険者の制度には「特別療養費」という独自の制度が設けられている。特別療養費は、日雇特例被保険者が療養の給付の要件(保険料納付要件)を満たしていない場合でも、日雇労働被保険者手帳を提示することで、1か月(受診日の属する月と前月)に6日分以上の保険料納付実績があれば受けられる給付である。
- オ日雇特例被保険者の保険給付における傷病手当金は、一般の被保険者と同様の支給条件で3日の待期期間の後、4日目から最長1年6か月支給される。支給日額も一般の傷病手当金と同様に計算される。正答
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正答はオ(誤っている記述)です。
日雇特例被保険者の傷病手当金は、一般の被保険者の傷病手当金とは要件・支給日数・金額が異なります。一般の傷病手当金は最長1年6か月支給されますが、日雇特例被保険者の傷病手当金(日雇傷病手当金)は支給日数や要件が異なります。また日雇傷病手当金の支給日額の計算方法も、保険料の等級別に定められた定額方式であり、一般の傷病手当金(標準報酬日額の3分の2)とは異なります。オが誤りです。
アは正しく、療養給付の要件として前2か月に通算26日分以上の保険料納付が必要です。イは正しく、被扶養者も家族療養費の対象になります。ウは正しく、出産育児一時金は500,000円/児が支給されます(保険料納付要件あり)。エは正しく、特別療養費の要件(1か月・前月合わせて6日分以上)が述べられています。
日雇特例被保険者の保険給付の体系:
| 給付の種類 | 要件 | 一般被保険者との違い |
|---|---|---|
| 療養の給付・家族療養費 | 前2か月に26日分以上 または 前6か月に78日分以上 | 要件(保険料納付日数)が日雇独自 |
| 特別療養費 | 受診日と前月に合計6日分以上 | 日雇独自の給付(一般にはない)|
| 傷病手当金(日雇) | 療養給付の要件を満たし、かつ就業不能 | 支給日数・金額の計算が一般と異なる |
| 出産育児一時金 | 療養給付の要件を満たすこと | 金額は同じ(500,000円/児) |
| 埋葬料(埋葬費) | 療養給付の要件を満たしていたこと等 | 金額は基本的に同じ(50,000円等) |
日雇傷病手当金の特則(オの誤りの詳細):
日雇特例被保険者の傷病手当金(日雇傷病手当金・健保法第138条〜第141条)の特則:
1. 支給日額: 療養給付に用いる保険料の等級(第1〜第3級)に対応した定額方式。一般の「標準報酬日額×2/3」ではありません。
2. 支給期間: 同一の傷病について、1つの保険者から支給される日数に制限があります(健保法第141条等・一般の最長1年6か月とは異なる)。
3. 待期期間: 3日の待期(一般と同じ)。
各選択肢の解説:
- ア(正): 療養の給付の要件(健保法第126条)は「受診日の属する月の前2か月間に通算して26日分以上の保険料が納付されていること」または「受診日の属する月の前6か月間に通算して78日分以上」が基本要件です。
- イ(正): 日雇特例被保険者が療養給付の要件を満たしている場合、その被扶養者も家族療養費(日雇の家族給付相当)の対象となります(健保法第129条等)。
- ウ(正): 出産育児一時金は日雇特例被保険者にも支給されます(健保法第136条)。金額は一般の被保険者と同じ500,000円/児(産科医療補償制度対象施設)。受給には療養給付と同様の保険料納付要件が必要です。
- エ(正): 特別療養費(健保法第130条)は、療養給付の本来の要件(26日分以上等)を満たさない場合でも、受診日と前月合わせて6日分以上の印紙保険料納付実績があれば受給できる日雇独自の給付です。特別療養費は日雇特例被保険者のみに設けられた制度です。
- オ(誤・正答): 日雇傷病手当金は一般の傷病手当金と同一条件ではありません。支給日額は保険料等級に対応した定額方式で、支給期間も一般の「最長1年6か月」とは異なる上限が設けられています。「一般と同様の支給条件・計算方法」という記述は誤りです。
【日雇特例被保険者制度の全体像・特別療養費の詳細・一般被保険者との給付比較・近年の制度動向】
日雇特例被保険者制度の適用対象と被保険者手帳:
「日雇特例被保険者」とは、臨時に使用されるか日々異なる事業主に使用される者のうち、健保法第3条第2項に規定する要件に該当する者です。具体的には「2か月以内の期間の使用予定」「日日雇い入れられる者」等が対象で、日雇労働者が典型例です。
日雇特例被保険者手帳(「日雇労働被保険者手帳」)に保険料の印紙を貼付し、これを携行・提示する制度です。手帳の管理が複数の事業主に対応するための仕組みです(一般被保険者は事業主が一括管理)。
保険料納付要件の複数の計算期間(重要):
療養の給付の保険料納付要件(健保法第126条):
- 通常要件: 受診月の前2か月に通算26日分以上
- 長期要件: 受診月の前6か月に通算78日分以上
- 特別療養費: 受診月と前月に合計6日分以上(より緩やかな要件)
「26日分」「78日分」「6日分」という3種類の数値と計算期間(2か月・6か月・1か月+前月)の組み合わせが試験頻出です。
日雇傷病手当金の計算方式(詳細):
日雇傷病手当金(健保法第138条〜第141条)の支給日額は保険料等級(印紙等級)に応じた定額:
| 印紙等級 | 賃金日額 | 傷病手当金日額(概算) |
|---|---|---|
| 第1等級 | 11,000円以上 | 等級別の定額(告示値) |
| 第2等級 | 8,200〜11,000円未満 | 等級別の定額(告示値) |
| 第3等級 | 8,200円未満 | 等級別の定額(告示値) |
(具体的な定額は告示で定められ年次改定あり・VolatileBox管理推奨)
支給期間の制限: 日雇傷病手当金は同一の疾病・負傷について、被保険者資格を有している期間中に限り、通算して180日を限度として支給されます(健保法第141条)。一般の「最長1年6か月(通算521日)」とは異なる上限です。
特別療養費の重要性(一般被保険者にはない制度):
特別療養費(健保法第130条)は日雇特例被保険者特有の給付で、療養の給付の本来の要件(26日分等)を満たせない状態でも、6日分の要件を満たすことで療養を受けられる仕組みです。
特別療養費での受診の場合、自己負担比率は基本的に一般の療養の給付と同様(3割)ですが、特別療養費として支給される給付内容は通常の療養の給付と同じです。
日雇労働者の実態と制度の現代的意義:
日雇特例被保険者制度は、スポット的・不規則な雇用形態の労働者の医療保障を目的として設計されています。近年、ギグワーク・単発アルバイト・日雇い派遣等の多様な就労形態が増加する中で、この制度の適用対象・保険料納付管理の在り方が実務上の論点になっています。
一方で、日雇特例被保険者の減少(正規雇用化・パート雇用による一般被保険者化)により、日雇手帳の利用件数は長期的に減少傾向にあります。社労士試験では制度の基本的な理解(給付要件・特別療養費・日雇傷病手当金の特則)を問います。
他の社会保険との比較(日雇労働者の雇用保険との関係):
雇用保険にも「日雇労働被保険者」の制度があり(雇保法第42条〜第53条)、日雇労働求職者給付金(日雇給付金)が支給されます。健保の日雇特例被保険者と雇保の日雇労働被保険者は制度の趣旨は似ていますが、適用対象・保険料納付要件・給付内容がそれぞれ独自に規定されています(健保は印紙保険料/雇保も印紙保険料と類似した仕組み)。
社労士試験での頻出パターン(まとめ):
| よくある誤答パターン | 正しい答え |
|---|---|
| 「日雇傷病手当金は一般と同じ計算方法」 | 定額方式(等級別)・期間も通算180日 |
| 「特別療養費は26日分以上の納付が必要」 | 特別療養費は6日分以上(より緩い要件) |
| 「日雇の出産育児一時金は一般と異なる額」 | 金額は同じ500,000円/児 |
| 「日雇の被扶養者は給付対象外」 | 家族療養費等の対象(本人が要件を満たす場合) |
| 「療養給付の要件は前1か月に26日分」 | 前2か月に26日分(または前6か月に78日分) |
<!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): 健保法第126条(療養給付要件:前2か月26日/前6か月78日)・第130条(特別療養費:前月合計6日分)・第138条〜第141条(日雇傷病手当金:等級別定額・通算180日上限)・第136条(出産育児一時金:500,000円/児・一般と同額)一次ソース突合済。日雇傷病手当金は「定額・180日上限」で「一般と同様」は誤りを確認。基準日2026-04-10内で改正混入なし。正答オ維持。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 健康保険法第126条〜第141条(日雇特例被保険者の保険給付)・第126条(療養給付の要件)・第130条(特別療養費)・第138条(日雇傷病手当金) 確認日: 2026-06-08 出典: e-Gov 健康保険法第126条〜第141条 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=211AC0000000070 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。