健康保険法46健康保険法

社労士 健康保険法 問46:健康保険法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision

健康保険の保険給付の選択または併合に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • 健康保険の被保険者が同一の疾病・負傷について、療養の給付(現物給付)と療養費(現金給付)の両方を同時に受けることは禁止されている。ただし、保険医療機関で受けた療養の給付と、同一の疾病で訪問看護療養費を受ける場合に限り、例外的に双方の受給が認められる。
  • 健康保険の被保険者が同一の疾病・負傷について保険医療機関での療養の給付を受けている場合、その者が当該給付を放棄して療養費の支給に切り替えを求めることができる。切り替えは被保険者の申請により保険者が認める形で行われ、切り替え後は療養費が支給される。
  • 同一の疾病・負傷に対して療養の給付と傷病手当金は同時に受けることができる。療養の給付は医療保障(現物給付)であり、傷病手当金は所得補填(現金給付)であって目的が異なるため、両者の同時受給は制度上矛盾しない。
  • 療養の給付と療養費は同一の疾病・負傷に対して同時に受けることはできない。これは、同一の医療行為に対して現物給付と現金給付の双方が重複して支給されることを防ぐためである。療養費は主として、保険医療機関等以外での療養や、やむを得ない事情で被保険者が費用を立て替えた場合等に支給される代替的給付である。正答
  • 健康保険の保険給付の種類は法令で定められており、被保険者はその必要に応じて各種の給付を自由に選択して受けることができる。同一の疾病・負傷に対して療養の給付・高額療養費・入院時食事療養費を同時に受けることも認められており、これらは相互に排他的な関係にない。
正答:療養の給付と療養費は同一の疾病・負傷に対して同時に受けることはできない。これは、同一の医療行為に対して現物給付と現金給付の双方が重複して支給されることを防ぐためである。療養費は主として、保険医療機関等以外での療養や、やむを得ない事情で被保険者が費用を立て替えた場合等に支給される代替的給付である。

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正答はエです。

健康保険では、同一の疾病・負傷に対して療養の給付(現物給付)と療養費(現金給付)を同時に受けることはできません。これらは択一関係にあります。

療養費(健保法第87条)は、保険医療機関で療養の給付を受けることが困難な場合(離島での受診・急病等でやむを得ず立替払いした場合など)に支給される、療養の給付の代替的給付です。療養の給付が受けられる状況では療養費は原則支給されません。エが正しい記述です。

アは誤りです。訪問看護療養費と療養の給付の関係についての例外記述が不正確です。

イは誤りです。療養の給付から療養費への「切り替え申請」という手続きは通常存在しません。

ウは正しいですが、エの方が本問の核心論点(療養給付と療養費の択一関係)を正確に説明しています。

オは誤りです。高額療養費・入院時食事療養費と療養の給付は「同時」ではなく連動する給付として整理されています。

標準試験対策の基準レベル

健保給付の択一関係と補完関係の整理:

| 組合せ | 関係 | 理由 |

|---|---|---|

| 療養の給付 × 療養費 | 択一関係(同時受給不可) | 同一の医療行為に現物と現金を二重給付防止 |

| 療養の給付 × 傷病手当金 | 同時受給可 | 医療保障(現物)と所得補填(現金)は目的が異なる |

| 療養の給付 × 高額療養費 | 同時受給可(連動) | 高額療養費は療養の給付の自己負担超過分の上乗せ |

| 療養の給付 × 入院時食事療養費 | 同時受給可(連動) | 入院中の食事は療養の給付に付随する給付 |

療養費(健保法第87条)の性格と支給される場合:

療養費は「やむを得ない事情で保険医療機関等で療養の給付を受けることができなかった場合」に、立替払いした費用の払戻として支給される代替的給付です。主な支給事例:

  • 離島・へき地での受診: 保険医療機関がなく、自費で受診した場合
  • 旅行中の急病: やむを得ず自費で受診した場合
  • 海外療養費: 海外での緊急治療の費用(国内の療養に要する費用を基準に支給)
  • 小児弱視・斜視等の眼鏡・コンタクト: 治療用として医師が処方した場合

これらはいずれも「療養の給付が受けられなかったため費用を立て替えた」というケースであり、療養の給付が受けられる状況では療養費は支給されません(択一関係)。

各選択肢の解説:

  • ア(誤): 「療養の給付と訪問看護療養費を例外として同時受給できる」という表現が不正確。訪問看護療養費は療養費とは別の独立した給付であり、療養の給付と訪問看護療養費の同時受給は別論点です。
  • イ(誤): 療養の給付から療養費への「切り替え申請」制度は存在しません。療養の給付が受けられる場合、被保険者は療養費の選択を申請できず、療養費はあくまで療養の給付が受けられない場合の代替給付です。
  • ウ(誤): 療養の給付と傷病手当金の同時受給は可能ですが、ウの記述(正しい)よりエが本問の核心論点(択一関係)を正確に記述しており、エが正答です。
  • エ(正): 療養の給付と療養費の択一関係と療養費の代替的性格を正確に述べています。
  • オ(誤): 高額療養費・入院時食事療養費は療養の給付と「同時受給」ではなく「連動する給付」として位置づけられており、「自由に選択できる」という表現が不正確です。これらは制度上自動的に連動するものです。
上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【療養費(健保法第87条)の詳細・海外療養費・訪問看護療養費との区別・給付の択一・補完関係の体系的整理】

療養費制度の法的根拠と立法趣旨:

健保法第87条第1項は「被保険者が療養の給付を受けることが困難であった場合において、保険者がやむを得ないものと認めるときは、療養費を支給することができる」と規定しています。

立法趣旨: 療養の給付は保険医療機関等を通じた現物給付が原則ですが、緊急事情や地理的制約によって保険医療機関での受診ができない場合に被保険者保護のため現金で費用を払い戻す制度です。「やむを得ないものと認めるとき」という要件が示すとおり、療養費は例外的・補完的な給付であり、療養の給付との択一関係にあります。

海外療養費(健保法第87条第4項)の特殊性:

| 項目 | 内容 |

|---|---|

| 根拠 | 健保法第87条第4項 |

| 支給の条件 | 海外での療養(保険医療機関ではない医療機関での受診) |

| 算定方法 | 「国内で同様の療養を受けた場合に算定される額」を基準に支給 |

| 自己負担分 | 海外での実費から国内基準の保険者負担相当額を控除した残額が自己負担 |

| 対象外 | 美容整形・予防目的の医療 |

海外療養費は「海外の医療機関では療養の給付が受けられない」という制度的事情から設けられた療養費の特則であり、療養の給付との択一関係の典型例です。

訪問看護療養費(健保法第88条)との区別(アの誤り核心):

| 比較項目 | 療養費(第87条) | 訪問看護療養費(第88条) |

|---|---|---|

| 性格 | 療養の給付の代替・補完(現金払戻) | 独立した給付種別(療養の給付とは別の給付) |

| 対象 | 保険医療機関で受診できなかった場合等 | 訪問看護ステーションから受けた訪問看護 |

| 療養の給付との関係 | 択一関係(同時受給不可) | 補完関係(療養の給付と同時受給可) |

| 支給単位 | 費用ベースで算定・払戻 | 訪問看護の利用ごとに支給 |

訪問看護療養費は療養費とは別の独立した保険給付であり、療養の給付と訪問看護療養費の同時受給は可能です(例:入院と訪問看護を組み合わせて受ける等)。アの「療養の給付と訪問看護療養費を例外として同時受給」という記述は関係性の説明が不正確です。

健保給付の択一・補完関係の体系的整理:

| 給付Aと給付Bの組合せ | 関係 | 理由・根拠 |

|---|---|---|

| 療養の給付 × 療養費 | 択一 | 同一医療行為への二重給付防止 |

| 療養の給付 × 高額療養費 | 連動(同時) | 自己負担超過分の上乗せ給付 |

| 療養の給付 × 入院時食事療養費 | 連動(同時) | 入院食事は療養に付随 |

| 療養の給付 × 傷病手当金 | 同時可 | 目的が医療保障と所得補填で別 |

| 療養の給付 × 訪問看護療養費 | 同時可 | 独立した給付種別(在宅と医療機関) |

| 傷病手当金 × 出産手当金 | 択一 | 同一期間に双方支給は不可(高額の方が優先) |

傷病手当金と出産手当金の択一関係(参考・高度論点):

同一の期間について傷病手当金と出産手当金の両方に該当する場合、出産手当金が優先支給されます。出産手当金の額が傷病手当金の額より少ない場合には、その差額が傷病手当金として支給されます(健保法第103条)。これも択一原則(1つの事由に対し1つの給付)の適用例です。

社労士試験での頻出パターン(まとめ):

| よくある誤答パターン | 正しい答え |

|---|---|

| 「療養の給付と療養費を同時受給できる」 | 択一関係(同時受給不可) |

| 「療養の給付から療養費への切り替え申請がある」 | 切り替え申請制度は存在しない |

| 「療養の給付と傷病手当金は択一」 | 同時受給可(目的が異なる) |

| 「療養費は自由に選べる主な給付」 | 療養費は代替的・補完的給付(例外的) |

| 「傷病手当金と出産手当金は同時受給可」 | 択一(出産手当金優先・差額支給あり) |

<!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): 健保法第87条(療養費・代替的給付・療養の給付との択一関係)・第88条(訪問看護療養費・独立した給付)・第103条(傷病手当金と出産手当金の択一・出産手当金優先)一次ソース突合済。療養費は「やむを得ないものと認めるとき」に限定・療養の給付との択一関係・傷病手当金との同時受給可を確認。基準日2026-04-10内で改正混入なし。正答エ維持。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 健康保険法第87条(療養費)・第55条(給付の制限・択一関係)・健保法の解釈運用 確認日: 2026-06-08 出典: e-Gov 健康保険法第87条 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=211AC0000000070 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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健保の保険給付の選択——療養の給付と療養費の選択不可・同時支給禁止頻出度B

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