問題
第3号被保険者の記録訂正に伴う不整合期間および特定保険料(特例追納)に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
正答はアです。
第3号被保険者としての届出漏れによる不整合期間のうち、保険料徴収権が時効で消滅しているもの(時効消滅不整合期間)について厚生労働大臣に届出をすると、その期間(特定期間)は、届出が行われた日以後、学生納付特例(90条の3第1項)と同じ「納付することを要しないものとされた保険料に係る期間」とみなされます(附則9条の4の2第2項)。つまり年金額の計算にはそのままでは反映されません。
イ〜オはいずれも誤りです。特定保険料の納付順序は古い月から、60歳未満の者の対象期間は承認日前10年以内に限られ、みなし納付日は「納付が行われた日」、年金額改定は「翌月」からです。
不整合期間の記録訂正から特定保険料の納付までの流れ(附則9条の4の2・9条の4の3):
| 段階 | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| ①記録訂正 | 第1号被保険者としての被保険者期間として記録が訂正された期間のうち、保険料徴収権が時効消滅しているもの=時効消滅不整合期間 | 附則9条の4の2第1項 |
| ②届出 | 厚生労働大臣への届出により、当該期間(特定期間)は、届出が行われた日以後、90条の3第1項(学生納付特例)の規定により納付を要しないものとされた保険料に係る期間とみなされる | 附則9条の4の2第2項 |
| ③特定保険料の納付 | 特定保険料納付期限日までの間に、承認を受けて、特定期間のうち保険料納付済期間以外の期間であって、その者が50歳以上60歳未満であった期間(その者が60歳未満である場合は、承認の日の属する月前10年以内の期間)の各月につき納付できる | 附則9条の4の3第1項 |
| ④納付の順序 | 先に経過した月の保険料に係る特定保険料から順次行う | 附則9条の4の3第2項 |
| ⑤みなし納付 | 特定保険料の納付が行われたときは、納付が行われた日に、納付に係る月の保険料が納付されたものとみなす | 附則9条の4の3第3項 |
| ⑥年金額改定 | 老齢基礎年金の受給権者が納付を行ったときは、納付が行われた日の属する月の翌月から年金額を改定する | 附則9条の4の3第4項 |
各選択肢の解説:
- ア(正): 附則9条の4の2第2項の文言どおり。
- イ(誤): 順序は「先に経過した月」=最も古い月から(附則9条の4の3第2項)。
- ウ(誤): 60歳未満である場合は「承認の日の属する月前10年以内の期間」という限定が付く(附則9条の4の3第1項括弧書き)。
- エ(誤): みなし納付日は「納付が行われた日」(附則9条の4の3第3項)であり、届出をした日ではない。
- オ(誤): 年金額の改定は「納付が行われた日の属する月の翌月から」(附則9条の4の3第4項)であり、当月からではない。
【不整合期間・時効消滅不整合期間・特定期間という3つの概念の区別】
附則9条の4の2は、まず「不整合期間」を、第3号被保険者としての被保険者期間として記録されていたもののうち、第1号被保険者としての被保険者期間として記録が訂正された期間と定義する。つまり、本来は第1号(自営業者等)として保険料を納めるべきだった期間が、届出漏れにより誤って第3号(保険料負担なし)として扱われていた期間である。この不整合期間のうち、記録が訂正された時点で保険料を徴収する権利がすでに時効(102条4項・2年)によって消滅しているものを「時効消滅不整合期間」と呼ぶ。時効が消滅していない不整合期間であれば、通常どおり保険料を徴収する余地があるため、附則9条の4の2の対象は時効消滅不整合期間に限定される。
被保険者等がこの時効消滅不整合期間について厚生労働大臣に届出をすると、その届出に係る期間を「特定期間」と呼び、附則9条の4の2第2項により、届出が行われた日以後、90条の3第1項(学生納付特例)による「納付することを要しないものとされた保険料に係る期間」とみなされる。学生納付特例と同じ扱いになるということは、受給資格期間には算入されるが、追納(この場合は特定保険料の納付)をしない限り年金額には反映されないということを意味する。
【特定保険料(特例追納)の対象期間の限定(附則9条の4の3第1項)】
特定保険料を納付できるのは、特定期間のうち保険料納付済期間以外の期間であって、その者が50歳以上60歳未満であった期間である。ただし括弧書きにより、その者が60歳未満である場合には、対象は「承認の日の属する月前10年以内の期間」に置き換わる。つまり、60歳以上の者は50歳以上60歳未満であった期間、60歳未満の者は承認前10年以内の期間が対象となり、いずれにしてもすべての特定期間を対象にできるわけではない。納付額は、承認の日の属する月前10年以内の各月の保険料に相当する額に政令で定める額を加算した額のうち最も高い額(承認前10年以内の月については、その月の加算後の額)である。
また、特定保険料を納付できるのは「特定保険料納付期限日」(平成25年改正法附則98条の政令で定める日の翌日から起算して3年を経過する日)までの間に限られる(附則9条の4の3第1項柱書)。これに対し、附則9条の4の2第1項の届出そのものには、このような期限は条文上置かれていない。
【納付の順序と年金額改定時期の実務的意味】
特定保険料の納付は「先に経過した月の保険料に係る特定保険料から順次に行う」(附則9条の4の3第2項)とされており、被保険者が任意に新しい月から先に納付することはできない。また、みなし納付日は実際に「納付が行われた日」であって、事前の届出日や承認日ではない点に注意が必要である。年金額の改定については、老齢基礎年金の受給権者(すでに年金を受給している者)が特定保険料を納付した場合、納付が行われた日の属する月の翌月から年金額が改定される(附則9条の4の3第4項本文)。ただし特定受給者(時効消滅不整合期間を保険料納付済期間とみなして年金を受給していた者)については、特定保険料納付期限日の属する月の翌月から改定するという別ルールが同項ただし書に定められている。
【出題の狙い】
不整合期間の記録訂正の仕組み、届出による特定期間のみなし効果、特定保険料の対象期間の限定、納付順序、みなし納付日、年金額改定時期という、附則9条の4の2・9条の4の3の条文構造を正確に追えているかを問う問題である。
- 国民年金法第90条の3e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 国民年金法附則9条の4の2第1項・第2項(第3号被保険者としての被保険者期間の特例・届出と特定期間のみなし)・附則9条の4の3第1項・第2項・第4項(特定保険料の納付・納付の順序・年金額の改定時期) e-Gov 法令API v2(law_id=334AC0000000141)2026-09-30 全文照合 確認日: 2026-09-30 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

