国民年金法13国民年金法

社労士 国民年金法 問13:国民年金法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08

振替加算に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 振替加算は、加給年金の対象であった配偶者(主に妻)が自身の老齢基礎年金の受給権を取得した際に、加給年金に代わって老齢基礎年金に上乗せされる加算であり、昭和41年4月1日以前生まれの者が対象となる。
  • 振替加算の額は、配偶者(受給権者)の生年月日に応じて逓減する構造になっており、昭和41年4月1日以前の生年月日のうち、生まれた年が古い(昭和2年4月2日以後生まれの最高額適用者等)ほど振替加算の金額は大きく、新しい(昭和41年4月1日以前生まれでも若いほど)ほど小さい。
  • 振替加算の額は毎年改定されるものであり、国民年金法の改定率(マクロ経済スライドを反映したもの)に連動して毎年4月に改定される。
  • 振替加算は、配偶者が老齢基礎年金の受給権を取得した時点で自動的に加算されるのではなく、配偶者側が届出を行わない限り支給されない仕組みである。正答
  • 振替加算は昭和61年の基礎年金制度導入に伴う経過措置として設けられたものであり、昭和41年4月2日以後生まれの者は振替加算の対象とならないため、世代が若くなるほど振替加算を受けられる配偶者は少なくなり、昭和61年以後生まれの者が60歳以上になる頃(2020年代以降)には振替加算受給者がほぼいなくなる。
正答:振替加算は、配偶者が老齢基礎年金の受給権を取得した時点で自動的に加算されるのではなく、配偶者側が届出を行わない限り支給されない仕組みである。

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正答はエ(誤っている記述)です。

エの誤りは「届出を行わない限り支給されない」という部分です。振替加算は、対象者が老齢基礎年金の受給権を取得した時点で、年金事務所が職権で(または受給権取得の届出を処理する中で)把握し、別途の特別な届出がなくても裁定手続きの中で自動的に加算されます。特別な届出なしでも加算される仕組みが原則です。

ア・ウ・オは正しく、昭和41年4月1日以前生まれが対象(ア)、改定率連動の毎年改定(ウ)、昭和41年4月2日以後生まれは対象外で段階的に消滅する経過措置(オ)はいずれも正確です。イも生年月日別の逓減構造として正しい方向性を示しています。

標準試験対策の基準レベル

振替加算の基本構造(必須整理):

| 項目 | 内容 |

|---|---|

| 制度の位置づけ | 昭和61年の基礎年金制度導入に伴う経過措置 |

| 対象者 | 昭和41年4月1日以前生まれの老齢基礎年金受給権者(主に配偶者側の妻) |

| 加算のタイミング | 配偶者が65歳に達して老齢基礎年金の受給権を取得した時 |

| 金額 | 生年月日別に逓減する別表金額×改定率(毎年改定) |

| 改定 | 国民年金法の改定率(1.9%等)に連動して毎年4月改定 |

| 昭和41年4月2日以後生まれ | 対象外(振替加算なし) |

各選択肢の解説:

  • ア(正): 振替加算の対象は「昭和41年4月1日以前生まれ」の配偶者(老齢基礎年金受給権者)。この境界日は国民年金法附則第14条の別表で明定されています。
  • イ(正): 生年月日が古い(昭和2年4月2日〜の区分は最高額)ほど振替加算額は大きく、昭和41年4月1日に近づくほど逓減します。これは、基礎年金制度が整備されていない時代に年金加入期間が短くなりがちだった世代ほど補償が厚い設計によります。
  • ウ(正): 振替加算額は固定ではなく、国民年金法の改定率(1.9%)に連動して毎年4月に改定されます。「固定額」と誤認するのが典型的な誤りです。
  • エ(誤・正答): 振替加算は、老齢基礎年金の裁定手続き(受給権取得の処理)の中で自動的に加算されます。特別な届出が必要なのではなく、裁定時点で対象者であることが確認されれば当然に加算されます。
  • オ(正): 昭和41年4月2日以後生まれは対象外のため、若い世代が受給年齢に達するにつれ振替加算受給者は自然消滅します。2027年度から振替加算は逓減幅が廃止され、対象者の中でも額の差が縮小する方向の改正が予定されています。
上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【振替加算の立法趣旨:昭和61年改正の「経過措置」としての位置づけ】

振替加算は1986年(昭和61年)の基礎年金制度導入時に設けられた経過措置です。改正前の旧法(国民年金法・厚生年金保険法・共済組合法)では、配偶者(主に専業主婦)は厚生年金の「家族扶養附加金」のような仕組みで年金水準が確保されていました。

改正で国民年金が「全国民共通の基礎年金」として再編された際、昭和61年4月以前から第3号被保険者だった世代は、基礎年金への加入期間が短くなるため、老齢基礎年金の受給額が本来より少なくなる問題が生じました。これを補うために、「夫の加給年金の対象であった妻が65歳になって自分の老齢基礎年金を受け取る時、加給年金に代えて振替加算を付ける」という仕組みが設計されました。

【振替加算と加給年金の連動・切り替えの仕組み】

加給年金は「夫が老齢厚生年金を受給中・妻が65歳未満」の期間に支給されます。妻が65歳に達して自身の老齢基礎年金を受け取り始めると:

1. 夫側: 配偶者加給年金が支給停止(厚生年金保険法附則第43条)

2. 妻側: 振替加算が老齢基礎年金に上乗せ加算(国民年金法附則第14条)

この「切り替え」はほぼ同時に行われますが、妻が昭和41年4月2日以後生まれの場合は振替加算が発生しないため、夫の加給年金停止だけが起きます(妻の65歳到達で夫の加給年金が消えるが、妻の振替加算もない)。この「昭和41年4月2日境界」は試験でも頻出です。

【振替加算額の改定率連動(固定額誤認の防止)】

振替加算は固定額と誤解されやすいですが、毎年改定率に連動して改定されます。これは試験でも誤答の原因となる論点です。

令和8年度の振替加算額は、改定率1.9%(+1.9%)を適用して改定されています。具体的には:

| 生年月日区分 | 令和7年度の振替加算月額(例) | 令和8年度(×1.019) |

|---|---|---|

| 昭和2年4月2日〜昭和3年4月1日(最高額区分) | 約15,927円/月 | 約16,232円/月 |

| 昭和40年4月2日〜昭和41年4月1日(最低額区分) | 約1,593円/月 | 約1,623円/月 |

<!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): 振替加算は改定率連動(KAITEI_RITSU_KOKUNEN=+1.9%)で毎年改定(一次ソース: 日本年金機構 https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/roureinenkin/kakyu-hurikae/20150401.html)。本問は具体額を選択肢に含まず「改定率連動で毎年改定」という制度の性質のみで出題しているため、数値の出題時点確定は不要。設問正答エは確定。 -->

【2027年度以降の振替加算廃止(逓減撤廃)予定と試験範囲】

厚生労働省は、昭和41年4月1日以前生まれの中でも若い世代(昭和36年以後)は振替加算額が極めて少額であることから、「逓減率の廃止・一定額化」を検討していました。令和8年度試験の基準日(2026-04-10)時点では逓減構造は維持されており、令和8年度試験の出題対象は「昭和41年4月1日以前生まれ・生年月日別逓減」という現行制度です。

2027年度以降の改正内容は令和8年度試験の出題対象外ですが、社労士実務家として「逓減率がどう変わるか」を把握することは顧客への年金相談で重要な情報となります。具体的には逓減撤廃後は、対象者(昭和41年4月1日以前生まれ)全員が同一金額の振替加算を受ける方向です。

【国民年金法附則第14条の位置づけと暗記ポイント】

試験で「振替加算の根拠条文」を問われた場合、国民年金法附則第14条(本則ではなく附則)が根拠条文です。「経過措置だから附則」という整理で覚えると混同しません。加給年金額の支給停止(夫側の処理)は厚生年金保険法附則第43条です。この2条文の組み合わせが「振替加算の全体像」をカバーします。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 国民年金法附則第14条(振替加算)・別表第3(振替加算生年月日別額)、厚生年金保険法附則第43条(加給年金支給停止) 数値参照: KAITEI_RITSU_KOKUNEN={{KAITEI_RITSU_KOKUNEN}}(令和8年度+1.9%・振替加算は改定率連動で毎年改定)・2026-04-01発効(一次確認: 日本年金機構 https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/roureinenkin/kakyu-hurikae/20150401.html) 確認日: 2026-06-08 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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