問題
国民年金の任意加入被保険者に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はオ(誤っている記述)です。
オの誤りは「申出を撤回することはできない」という部分です。任意加入被保険者は、任意加入という名称の通り自らの意思で加入する制度であり、いつでも申し出て被保険者資格を喪失することができます(国民年金法附則第5条第4項)。強制的に保険料を払い続ける義務はありません。
また「申出の翌月から資格取得」という点も誤りで、申出をした日に資格を取得します(附則第5条第3項)。
ア〜エはいずれも正しい記述です。国内60〜65歳(ア)、海外居住20〜65歳(イ)、特例任意加入〜70歳(ウ)、保険料は第1号同額(エ)はいずれも条文通りです。
国民年金 任意加入被保険者の3類型(必須整理):
| 類型 | 根拠条文 | 対象者 | 上限年齢 |
|---|---|---|---|
| 国内任意加入 | 附則第5条第1項第2号 | 国内居住60歳以上65歳未満(日本年金機構の案内では、繰上げ支給を受けていない・20歳以上60歳未満の納付月数が480月未満・厚生年金保険等に加入していない者) | 65歳 |
| 海外任意加入 | 附則第5条第1項第3号 | 日本国籍・海外居住・20歳以上65歳未満 | 65歳 |
| 特例任意加入 | 平成6年・平成16年の改正法の附則 | 65歳以上70歳未満・受給資格期間を満たしていない者(生年月日の要件あり) | 70歳 |
各選択肢の解説:
- ア(正): 附則第5条第1項第2号(日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者)のとおり。第2号被保険者・第3号被保険者は除かれ(同項本文括弧書)、老齢基礎年金の繰上げ受給権者にも附則第5条は適用されません(附則第9条の2の3)。
- イ(正): 附則第5条第1項第3号は「日本国籍を有する者その他政令で定める者であつて、日本国内に住所を有しない二十歳以上六十五歳未満のもの」と定めています(国内任意加入は国籍を問わない)。第2号被保険者は同項本文括弧書で除かれます。
- ウ(正): 65歳以上70歳未満の特例任意加入は、年金の受給資格期間を満たしていない者が対象で、70歳まで加入可能です(受給権を取得した時点で資格喪失)。
- エ(正): 任意加入被保険者の保険料月額は第1号被保険者と同額(17,920円/月)。保険料の前納・口座振替等も第1号被保険者と同じルールで利用可能。
- オ(誤・正答): 任意加入被保険者はいつでも申し出て資格を喪失できます(附則第5条第4項)。「申出の翌月から資格取得」も誤りで、申出をした日に取得します(同条第3項)。強制加入の義務はなく、任意の性質が本質です。
【任意加入制度の政策的意義:年金格差の是正手段として】
国民年金の任意加入制度は、単なる「加入期間延長の手段」を超えた政策的意義を持っています。
1. 受給資格取得のための最終手段: 60歳到達時点で受給資格期間(10年)に不足がある者が、65歳(特例は70歳)まで加入期間を延ばして受給資格を確保できます。無年金防止という観点から、社会保障制度の網の目を最後に補完する機能です。
2. 年金額増加のための任意延長: 受給資格は満たしているが満額(40年加入)に達していない者が、任意加入で加入期間を延ばして年金額を増やすことができます。例えば56歳で第1号被保険者期間が始まった者が60歳から4年間任意加入すれば、40年加入に近づけることが可能です。
3. 海外居住者への制度参加: 海外赴任・移住した日本人が公的年金の加入期間を維持するための制度として機能します。帰国後に老齢基礎年金を受け取るための「期間の橋渡し」です。
【特例任意加入(平成6年・平成16年の改正法の附則)の生年月日要件の背景】
特例任意加入は、平成6年・平成16年の改正法の附則で、生年月日の要件を付けて設けられた経過措置です(具体的な生年月日の境界は改正法の附則の条文で確認すること。本問の選択肢は生年月日を問わない形にしてある)。背景には国民年金の強制加入制度の変遷があります。会社員(厚生年金加入者)の配偶者が国民年金の強制加入対象となったのは1986年(昭和61年)の大改正(基礎年金制度導入)からで、それ以前の配偶者の加入は任意でした。
このため、昭和61年4月の時点で既に年齢が高かった世代には、任意加入しなかった期間(合算対象期間)が長く、受給資格期間を満たせないまま65歳を迎える人がいました。特例任意加入は、65歳以後も70歳まで加入して受給資格期間を満たす道を残すための救済措置です。
【実務上のポイント:任意加入の口座振替・前納と付加保険料の活用】
任意加入被保険者(国内・海外)は、第1号被保険者と同様に次の制度を利用できます:
| 制度 | 内容 | 活用メリット |
|---|---|---|
| 口座振替(当月末振替) | 毎月末日に口座振替 | 2か月前納(翌月末振替)より若干割高 |
| 前納(6か月・1年・2年) | まとめて先払い | 割引あり(割引額は年度ごとに日本年金機構が公表) |
| 付加保険料(月+400円) | 附則第5条第1項の任意加入被保険者は、付加保険料の規定の適用上、第1号被保険者とみなされる(附則第5条第9項) | 200円×納付月数の付加年金 |
| 国民年金基金 | 附則第5条第1項第2号・第3号の任意加入被保険者(国内60歳以上65歳未満・海外居住)は加入員になれる(附則第5条第11項・第12項) | 上乗せ年金の確保 |
社労士実務では、60代前半の自営業者・退職者が「あと3〜4年任意加入すれば年金額が大幅に増える」というケースに多く遭遇します。任意加入の月額17,920円/月を支払うことで取得できる追加の老齢基礎年金額(満額の40分の1≒約21,182円/年)との費用対効果を試算し、加入継続の意思決定支援をすることが実務上の主要業務の一つです。
【特例任意加入の終了条件(試験頻出の落とし穴)】
特例任意加入の資格喪失事由は複数あります:
- 70歳到達
- 受給資格期間(10年)の充足
- 老齢基礎年金等の受給権取得
- 申出の撤回(任意喪失)
「受給権を取得した時点で喪失する」という点が、通常の国内任意加入(65歳到達まで、受給資格充足後も継続加入可能)との違いです。通常の国内任意加入者は、受給資格を満たしていても、20歳以上60歳未満の納付月数と合わせて480月に達するまでは、65歳まで年金額の増額のために加入し続けることができます。
- 国民年金法e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 国民年金法附則第5条(任意加入被保険者。第1項第2号=国内60歳以上65歳未満・第3号=日本国籍を有する海外居住の20歳以上65歳未満・第3項=申出をした日に資格取得・第4項=いつでも申し出て資格喪失)(https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141・2026-09-30確認。附則第5条の2・第5条の3は存在しない)、特例任意加入は平成6年・平成16年の改正法の附則、日本年金機構「任意加入制度」(65歳以上70歳未満の特例は「年金の受給資格期間を満たしていない」者・2026-09-30確認) 参照した数値: 国民年金保険料 月額:17,920円/月(2026-04-01発効・一次確認: 日本年金機構) 確認日: 2026-06-08 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

