国民年金法16国民年金法

社労士 国民年金法 問16:国民年金法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08

国民年金の任意加入被保険者に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者であって、老齢基礎年金等の受給権を有しない者または受給資格期間を満たしていない者は、申出により国民年金に任意加入することができる。
  • 日本国籍を有する者で、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の者(海外居住者)も、申出により国民年金に任意加入することができる。ただし、厚生年金保険の被保険者または共済組合員である期間は対象外となる。
  • 特例による任意加入(昭和40年4月1日以前生まれの者に限定される特例任意加入)は、受給資格期間(10年)を満たしていない者が対象であり、70歳に達するまで任意加入が可能である。
  • 任意加入被保険者の保険料月額は、第1号被保険者の保険料月額と同額であり、令和8年度の保険料月額は17,920円/月である。
  • 任意加入被保険者は、申出の翌月から被保険者資格を取得し、申出を撤回することはできないため、60歳から65歳までの期間は強制的に保険料を納付し続ける義務がある。正答
正答:任意加入被保険者は、申出の翌月から被保険者資格を取得し、申出を撤回することはできないため、60歳から65歳までの期間は強制的に保険料を納付し続ける義務がある。

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正答はオ(誤っている記述)です。

オの誤りは「申出を撤回することはできない」という部分です。任意加入被保険者は、任意加入という名称の通り自らの意思で加入する制度であり、いつでも申出を撤回して被保険者資格を喪失することができます(国民年金法附則第5条)。強制的に保険料を払い続ける義務はありません。

また「申出の翌月から資格取得」という点も不正確で、通常は申出の日(申出があった日)から資格を取得します(翌月からではありません)。

ア〜エはいずれも正しい記述です。国内60〜65歳(ア)、海外居住20〜65歳(イ)、特例任意加入〜70歳(ウ)、保険料は第1号同額(エ)はいずれも条文通りです。

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国民年金 任意加入被保険者の3類型(必須整理):

| 類型 | 根拠条文 | 対象者 | 上限年齢 |

|---|---|---|---|

| 国内任意加入 | 附則第5条 | 国内居住60歳以上65歳未満・受給権なし等 | 65歳 |

| 海外任意加入 | 附則第5条の2 | 日本国籍・海外居住・20歳以上65歳未満 | 65歳 |

| 特例任意加入 | 附則第5条の3 | 昭和40年4月1日以前生まれ・受給資格未充足 | 70歳 |

各選択肢の解説:

  • ア(正): 国内居住60歳以上65歳未満で「受給権を有しない者または受給資格期間を満たしていない者」が対象。「または」の両方が含まれる点(受給権あり・受給資格を超えた満額達成者は対象外)に注意。
  • イ(正): 海外任意加入は「日本国籍を有する者」という国籍要件があります(国内任意加入は外国人も可能)。20歳以上65歳未満の範囲で、厚年・共済組合員期間は対象外。
  • ウ(正): 特例任意加入は「昭和40年4月1日以前生まれ」という生年月日要件があり、70歳まで加入可能。受給資格期間(10年)を満たしていない者が対象(満たした時点で資格喪失)。
  • エ(正): 任意加入被保険者の保険料月額は第1号被保険者と同額(17,920円/月)。保険料の前納・口座振替等も第1号被保険者と同じルールで利用可能。
  • オ(誤・正答): 任意加入被保険者はいつでも申出を撤回して喪失可能です。「申出の翌月から資格取得」も誤りで、申出の日から取得します。強制加入の義務はなく、任意の性質が本質です。
上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【任意加入制度の政策的意義:年金格差の是正手段として】

国民年金の任意加入制度は、単なる「加入期間延長の手段」を超えた政策的意義を持っています。

1. 受給資格取得のための最終手段: 60歳到達時点で受給資格期間(10年)に不足がある者が、65歳(特例は70歳)まで加入期間を延ばして受給資格を確保できます。無年金防止という観点から、社会保障制度の網の目を最後に補完する機能です。

2. 年金額増加のための任意延長: 受給資格は満たしているが満額(40年加入)に達していない者が、任意加入で加入期間を延ばして年金額を増やすことができます。例えば56歳で第1号被保険者期間が始まった者が60歳から4年間任意加入すれば、40年加入に近づけることが可能です。

3. 海外居住者への制度参加: 海外赴任・移住した日本人が公的年金の加入期間を維持するための制度として機能します。帰国後に老齢基礎年金を受け取るための「期間の橋渡し」です。

【特例任意加入(附則第5条の3)の生年月日要件の背景】

特例任意加入が「昭和40年4月1日以前生まれ」に限定されている理由は、国民年金の強制加入制度の変遷に関わります。旧来の国民年金制度では、農業従事者・自営業者が主要対象であり、サラリーマン(厚生年金加入者)やその配偶者が国民年金の強制加入対象となったのは1986年(昭和61年)の大改正(基礎年金制度導入)からです。

昭和40年4月1日以前生まれの者(昭和61年改正時点で21歳以上)は、20歳から60歳までの40年間を強制加入で満たすことが構造的に難しい世代です。特に、30代以降にサラリーマン配偶者(専業主婦等)となった女性は、30代の10年前後が「第3号被保険者制度がなかった時代の加入空白」となり、40年間の満額に届かないケースが生じました。特例任意加入は、こうした経緯で年金額が低くなりがちな世代への救済措置です。

【実務上のポイント:任意加入の口座振替・前納と付加保険料の活用】

任意加入被保険者(国内・海外)は、第1号被保険者と同様に次の制度を利用できます:

| 制度 | 内容 | 活用メリット |

|---|---|---|

| 口座振替(当月末振替) | 毎月末日に口座振替 | 2か月前納(翌月末振替)より若干割高 |

| 前納(6か月・1年) | 毎年4月分から翌3月分を一括 | 割引あり(6か月で約900円・1年で約3,800円の割引) |

| 付加保険料(月+400円) | 第1号被保険者と同様に任意加入者も付加可能 | 200円×加入月数の付加年金 |

| 国民年金基金 | 国内任意加入者は加入可。特例任意加入・海外任意加入は不可 | 上乗せ年金の確保 |

社労士実務では、60代前半の自営業者・退職者が「あと3〜4年任意加入すれば年金額が大幅に増える」というケースに多く遭遇します。任意加入の月額17,920円/月を支払うことで取得できる追加の老齢基礎年金額(満額の40分の1≒約21,182円/年)との費用対効果を試算し、加入継続の意思決定支援をすることが実務上の主要業務の一つです。

【特例任意加入の終了条件(試験頻出の落とし穴)】

特例任意加入の資格喪失事由は複数あります:

  • 70歳到達
  • 受給資格期間(10年)の充足
  • 老齢基礎年金等の受給権取得
  • 申出の撤回(任意喪失)

「受給資格期間を満たした時点で強制的に喪失する」という点が、通常の国内任意加入(65歳到達まで、受給資格充足後も継続加入可能)との違いです。通常の国内任意加入者は、受給資格を満たしていても65歳まで継続して年金額の増額のために加入し続けることができます(ただし付加保険料は65歳未満まで)。

<!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): 任意加入3類型(附則5条・5条の2・5条の3)、上限年齢65/65/70歳、海外任意加入の日本国籍要件、特例任意加入の昭和40.4.1以前生まれ要件をe-Gov国民年金法附則で確認。KOKUNEN_HOKENRYO_MONTHLY=17,920円は令和8年度volatile_master登録済。設問正答オ(誤り:申出撤回不可・翌月から取得が誤り)確定。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 国民年金法附則第5条(国内任意加入)・附則第5条の2(海外任意加入)・附則第5条の3(特例任意加入) 数値参照: KOKUNEN_HOKENRYO_MONTHLY={{KOKUNEN_HOKENRYO_MONTHLY}}(17,920円/月・2026-04-01発効・一次確認: 日本年金機構) 確認日: 2026-06-08 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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