問題
老齢基礎年金の支給要件(国民年金法26条)に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
正答はウです。
学生納付特例で保険料を納めなくてよいとされた期間は、5条3項で「保険料全額免除期間」に含まれるため、26条ただし書の10年の判定には保険料免除期間として算入されます。「含まれない」とするウは誤りです。
26条本文の括弧書きが学生納付特例を除いているのは、「保険料納付済期間又は保険料免除期間を有する者」という入口の要件の場面だけです。学生納付特例の期間しか持たない人は入口を通れませんが、入口を通った人の10年の計算では算入されます。ア・イ・エ・オは条文どおりの正しい記述です。
老齢基礎年金の受給資格期間の判定構造(26条・附則9条1項):
| 期間の種類 | 26条本文の「有する者」の判定 | 26条ただし書の10年の判定 | 27条の年金額の計算 |
|---|---|---|---|
| 保険料納付済期間 | ○ | ○ | ○ |
| 保険料免除期間(学生納付特例以外) | ○ | ○ | ○(区分に応じた割合) |
| 学生納付特例期間(追納なし) | ×(本文括弧書きで除外) | ○(5条3項で保険料全額免除期間) | ×(27条8号括弧書きで除外) |
| 合算対象期間 | × | 附則9条1項により合算して判定(10年以上ならただし書に該当しないとみなす) | × |
26条の条文構造:
26条本文は「保険料納付済期間又は保険料免除期間(第九十条の三第一項の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものを除く。)を有する者が六十五歳に達したとき」に支給すると定め、ただし書は「保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が十年に満たないときは、この限りでない」と定める。ただし書には括弧書きがないので、ここでの保険料免除期間は5条2項・3項の定義どおりで、学生納付特例期間を含む。
国民年金法附則9条1項は、ただし書に該当する者でも、保険料納付済期間・保険料免除期間・合算対象期間を合算した期間が10年以上であれば、ただし書に該当しないものとみなす。
各選択肢の解説:
- ア(正): 26条本文の文言どおり。
- イ(正): 5条2項は保険料免除期間を「保険料全額免除期間、保険料四分の三免除期間、保険料半額免除期間及び保険料四分の一免除期間を合算した期間」と定義している。
- ウ(誤・正答): 5条3項は、90条の3第1項の規定により納付を要しないものとされた保険料に係る期間を保険料全額免除期間に含めている。26条ただし書には除外の括弧書きがないため、10年の判定に算入される。
- エ(正): 国民年金法附則9条1項の文言どおり。
- オ(正): 附則9条1項が合算対象期間を用いるのは26条ただし書等の適用の場面であり、27条の年金額の計算の基礎となる月数(1号〜8号)に合算対象期間は含まれない。
【26条の本文とただし書で「保険料免除期間」の範囲が違う】
5条2項・3項により、学生納付特例(90条の3第1項)で納付を要しないものとされた保険料に係る期間は「保険料全額免除期間」に含まれ、したがって「保険料免除期間」に含まれる。26条は、この定義を前提に、本文にだけ「(第九十条の三第一項の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものを除く。)」という括弧書きを置いている。
その結果、学生納付特例期間には二つの顔がある。第一に、本文の入口要件(保険料納付済期間又は保険料免除期間を「有する者」)では数えない。学生納付特例期間しか持たず、追納もしていない者は、入口の要件を満たさない。第二に、入口を満たした者の10年の判定(ただし書)では、括弧書きがないので保険料免除期間として算入される。たとえば保険料納付済期間が3年、学生納付特例期間が7年ある者は、入口を満たし、合算10年でただし書にも該当しないため、65歳で老齢基礎年金の受給権を得る。一方、年金額の計算では27条8号が保険料全額免除期間から90条の3第1項の期間を括弧書きで除いているため、追納しない限り年金額には反映されない。
【合算対象期間(国民年金法附則9条1項)】
国民年金法附則9条1項は、合算対象期間を「附則第五条第一項第一号又は第三号に該当した期間(第二号被保険者又は第三号被保険者であつた期間、保険料納付済期間及び六十歳以上であつた期間を除く。)」と定義する。附則5条1項1号は日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満で厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる者、3号は日本国籍を有する者等で日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の者であり、いずれも任意加入できる立場にありながら加入しなかった期間が合算対象期間になる。なお、昭和61年3月以前の期間については、昭和60年改正法の附則が別に合算対象期間とする期間を定めている(問20参照)。
同項は、保険料納付済期間等を有する者のうち26条ただし書に該当する者であっても、保険料納付済期間・保険料免除期間・合算対象期間を合算した期間が10年以上であれば、26条・附則9条の2の2第1項・9条の3第1項・9条の3の2第1項の適用についてただし書に該当しないものとみなす。受給資格期間の判定にだけ使われ、27条の年金額の計算の基礎となる月数には含まれない。
【出題の狙い】
学生納付特例期間が「26条本文の入口では除外、ただし書の10年判定では算入、年金額では除外」と場面ごとに扱いが分かれることを、5条・26条・27条の括弧書きの有無から読み取れるかを問う問題である。
- 国民年金法第26条e-Govで原文を読む
- 厚生年金保険法e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 国民年金法5条2項・3項(保険料免除期間・保険料全額免除期間の定義)・26条(支給要件・本文括弧書き・ただし書)・27条(年金額の計算の基礎となる月数)・附則9条1項(老齢基礎年金等の支給要件の特例・合算対象期間の定義) e-Gov 法令API v2(law_id=334AC0000000141)2026-09-30 全文照合 確認日: 2026-09-30 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

