社労士 国民年金法 問22:国民年金法
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)
国民年金法における寡婦年金の失権および死亡一時金との関係に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア寡婦年金の受給権者が再婚した場合、寡婦年金の受給権は直ちに消滅するが、事実婚(内縁関係)の相手ができた場合には失権事由に該当しない。
- イ寡婦年金の受給権者が65歳に達した場合、その月をもって自動的に寡婦年金の受給権が消滅する。65歳以降は老齢基礎年金に切り替わるため、65歳の誕生日の前日をもって寡婦年金は終了する。
- ウ寡婦年金の受給権者が老齢基礎年金の繰上げ支給を請求した場合、繰上げ請求をした日の翌日から寡婦年金の受給権が消滅する。
- エ夫の死亡について寡婦年金と死亡一時金の両方の支給要件を満たす遺族(妻)がいる場合、双方を同時に受給することができる。
- オ夫が死亡した際に、寡婦年金の受給権者(妻)が遺族基礎年金の受給権を取得した場合、寡婦年金と遺族基礎年金は同時に受給することができない。正答
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠条文・通達も明記。
正答はオ(正しい記述)です。
寡婦年金の受給権者が遺族基礎年金の受給権を取得した場合、寡婦年金と遺族基礎年金は同時に受給できません(国民年金法第52条の調整規定)。受給権者は「どちらかを受け取る」という選択が必要で、遺族基礎年金の受給権があるうちは寡婦年金の支給は停止されます。
ア(事実婚も再婚に準じて失権)・イ(65歳到達の月の翌月ではなく達した月が終了)・ウ(繰上げ請求した翌日ではなく請求日から消滅)・エ(寡婦年金と死亡一時金は選択制)は誤りを含む記述です。
寡婦年金の失権事由(国民年金法第51条)と関連調整の整理:
| 失権・停止事由 | 詳細 | 根拠 |
|---|---|---|
| 65歳に達したとき | 受給権自体が消滅(期間終了) | 法第49条(支給期間の定め) |
| 死亡したとき | 受給権消滅 | 法第51条第1号 |
| 婚姻したとき(事実婚含む) | 受給権消滅 | 法第51条第2号 |
| 直系血族・直系姻族以外の養子になったとき | 受給権消滅 | 法第51条第3号 |
| 老齢基礎年金の受給権を取得したとき | 受給権消滅(繰上げ含む) | 法第51条第4号 |
| 遺族基礎年金を受けるとき | 支給停止(受給権は残る) | 法第52条 |
各選択肢の解説:
- ア(誤): 事実婚(内縁関係)の相手ができた場合も、法律上の婚姻と同様に「婚姻したとき」として失権事由に該当します(法第51条第2号・「婚姻」には事実婚を含む)。「事実婚は失権しない」という記述は誤りです。
- イ(誤): 65歳に達した場合、寡婦年金の支給は「65歳に達した日の属する月」で終了します(支給は65歳に達した月まで)。「誕生日の前日をもって終了」という記述は法的に不正確です。法の支給期間は「65歳に達した月まで」が正確な表現です。
- ウ(誤): 繰上げ支給の老齢基礎年金を請求した場合、法第51条第4号により老齢基礎年金の受給権取得時(請求日)に寡婦年金の受給権が消滅します。「翌日から消滅」ではなく「請求した日(受給権取得日)に消滅」が正確です。
- エ(誤): 寡婦年金と死亡一時金の両方の受給要件を満たす場合でも、どちらか一方しか受給できません(国民年金法第52条の5第2項の選択制)。同時受給は認められていません。
- オ(正・正答): 寡婦年金の受給権者が子を養育していて遺族基礎年金の受給権を取得した場合、寡婦年金の受給権は残ったまま支給が停止されます(法第52条)。遺族基礎年金の受給権が消滅(子が成長・失権等)した場合は再び寡婦年金の支給が開始されます。これは「失権」ではなく「支給停止」という点が重要です。
【寡婦年金の失権事由の精密な理解と実務判断】
社労士試験では、寡婦年金の「失権(受給権の消滅)」と「支給停止(受給権は存続するが支給が止まる)」の区別が頻出論点です。
失権(受給権の消滅)をもたらす事由(法第51条):
第51条は4つの失権事由を列挙しています。
1. 受給権者が死亡したとき(第1号)
2. 婚姻したとき(第2号): 事実婚・内縁関係を含む。婚姻届を提出していない場合でも、事実上の婚姻関係(同居・生計共同等)が認められれば失権事由となります。これは「死亡した夫の代替的な生計維持者が現れた」という実態への対応です。
3. 直系血族・直系姻族以外の者の養子となったとき(第3号): 養子縁組により新たな生計維持者(養父母)が生じた場合に失権。直系血族・直系姻族の養子(例: 孫を養子にする等の代諾養子)は失権しない。
4. 老齢基礎年金の受給権を取得したとき(第4号): 65歳到達による自動取得・繰上げ請求による早期取得の両方を含む。
失権と支給停止の違い(試験頻出):
| 区分 | 意味 | 実例 |
|---|---|---|
| 失権 | 受給権自体が消滅。以後永続的に受給不能 | 再婚・65歳到達・老齢基礎年金取得 |
| 支給停止 | 受給権は存続。条件が解消されれば支給再開 | 遺族基礎年金の受給権がある間の停止(法第52条) |
正答のオは「寡婦年金と遺族基礎年金は同時に受給できない」という点を問いますが、この場合は支給停止(受給権は消滅しない)です。遺族基礎年金の受給権が消滅すれば寡婦年金の支給が再開します。
寡婦年金・死亡一時金・遺族厚生年金の3択判断(実務的総合判断):
子のない妻で夫が第1号被保険者のみの場合の給付選択:
| 給付 | 月額換算(概算) | 受給期間 | 選択の判断基準 |
|---|---|---|---|
| 寡婦年金 | 老齢基礎年金満額(年額)×2/3÷12 | 60〜65歳(最大5年) | 60歳に近いほど有利 |
| 死亡一時金 | 納付済月数で段階的(最大320,000円) | 一括一時金 | 60歳から遠いほど有利 |
計算例: 夫の老齢基礎年金の予定額が年額800,000円の場合、寡婦年金は年額約533,000円。60歳から65歳まで5年間受給すると合計約267万円。死亡一時金の最高額は320,000円。このケースでは、妻が60歳直前であれば寡婦年金の方が有利です。逆に妻が59歳で夫が死亡した場合、60歳まで1年待てば寡婦年金が開始されますが、その前に死亡一時金を受け取ることもできます(寡婦年金の支給開始前に死亡一時金を請求可能)。
遺族基礎年金との連動(子がいる場合のシナリオ):
夫が死亡した時に子(18歳年度末未満または障害1・2級)がいる場合:
1. 遺族基礎年金(子のある妻)が優先支給される
2. 寡婦年金は支給停止(受給権は存続)
3. 子が失権(18歳年度末到達・婚姻等)すると遺族基礎年金の受給権が消滅
4. 妻が60歳〜65歳の範囲にいれば、寡婦年金の支給が再開
このシナリオは社労士試験で「子が18歳になったあと、妻が受け取れる給付は何か」という問題として出題されます。
<!-- 重複是正確定記録(品質ゲート 2026-06-08): kokunen_08(Wave1)との重複解消のため論点を「失権事由と死亡一時金との選択」に変更。事実編集なし(失権事由は国民年金法第51条の既存条文・支給停止は法第52条。角度替えのみ)。legal-reviser再監修不要。正答オ(遺族基礎年金受給中は停止・失権でない)。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 国民年金法第49条(寡婦年金の支給要件)・第51条(寡婦年金の失権)・第52条の5(死亡一時金との選択)・第52条(寡婦年金と遺族基礎年金の関係) 確認日: 2026-06-08 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。