社労士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

社労士 国民年金法 問23|死亡一時金の請求権者の優先順位・請求期限・不支給要件

問題

社労士 | 国民年金法 | 令和9年度(2027年度)試験対応・数値確認日 2026-10-01

国民年金法における死亡一時金の請求権者および請求に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ

タップするとすぐ答え合わせ

答え合わせ

正解は エ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)

解説

正答はエ(誤っている記述)です。

エの誤りは「老齢基礎年金または障害基礎年金を受けたことがある場合でも死亡一時金が支給される」という部分です。死亡した者が生前に老齢基礎年金または障害基礎年金を受けたことがある場合は、死亡一時金は支給されません(国民年金法第52条の2第1項ただし書)。死亡一時金は「年金を受け取ることなく死亡した場合の保険料の払い損を補填する制度」であるため、老齢基礎年金や障害基礎年金をすでに受けたことがある場合は補填の必要がないとされています。

ア(遺族の範囲・生計同一)・イ(優先順位・同順位者の請求)・ウ(時効2年)・オ(遺族基礎年金を受けられる者がいれば不支給)はいずれも正しい記述です。

死亡一時金の不支給要件(国民年金法第52条の2第1項ただし書・第2項):

死亡一時金が支給されない場合:

不支給事由内容
老齢基礎年金を受けたことがある死亡前に老齢基礎年金の支給を受けたことがある(金額問わず・第1項ただし書)
障害基礎年金を受けたことがある死亡前に障害基礎年金の支給を受けたことがある(第1項ただし書)
遺族基礎年金を受けることができる者がいる死亡日にその者の死亡により遺族基礎年金を受けることができる者があるとき(第2項第1号。ただし死亡日の属する月にその遺族基礎年金の受給権が消滅したときを除く)

設問エは「老齢基礎年金・障害基礎年金を受けたことがあっても支給される」としており、これは条文と正反対です。

請求権者の優先順位と請求期限:

項目内容
請求権者の範囲配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹(生計同一者)
優先順位配偶者>子>父母>孫>祖父母>兄弟姉妹
同順位者1人のした請求は全員のためその全額につきしたものとみなし、1人に対してした支給は全員に対してしたものとみなす(第52条の3第3項)
時効行使することができる時(死亡の日の翌日)から2年(第102条第4項)

各選択肢の解説:

  • ア(正): 遺族の範囲(配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹)と「生計を同じくしていた者」という要件は法第52条の2・第52条の3の通り正確。遺族基礎年金の「生計を維持されていた者」(生計維持要件)より緩やかな「生計同一要件」であることに注意。
  • イ(正): 法第52条の3第2項(順位は第1項の順序)と第3項(同順位者の1人のした請求は全員のためその全額につきしたものとみなす)の通り。
  • ウ(正): 国民年金法第102条第4項により、死亡一時金を受ける権利は、行使することができる時から2年で時効によって消滅します(年金給付の5年=同条第1項と異なる)。
  • エ(誤・正答): 老齢基礎年金・障害基礎年金を「受けたことがある場合」は死亡一時金が支給されない(第52条の2第1項ただし書)。
  • オ(正): 第52条の2第2項第1号のとおり、死亡日にその者の死亡により遺族基礎年金を受けることができる者があるときは、死亡一時金は支給されません。例外は死亡日の属する月にその遺族基礎年金の受給権が消滅したときだけで、後に子が18歳年度末に達して遺族基礎年金の受給権が消滅しても、死亡一時金が支給されるようになるわけではありません。

【死亡一時金の不支給要件と「受けたことがある」という基準の精密な理解】

死亡一時金の最も重要な不支給要件は「老齢基礎年金または障害基礎年金を受けたことがある」です。この「受けたことがある」という基準は実務上以下の点で問題になります。

「受けたことがある」の具体的な意味:

1. 老齢基礎年金の繰上げ受給をした場合: 60歳以降に繰上げ請求をして老齢基礎年金を受けていた者が死亡した場合→「受けたことがある」として死亡一時金は不支給

2. 障害基礎年金が停止中に死亡した場合: 障害が軽減されて支給停止になっていたが、過去に受給実績がある→「受けたことがある」として不支給

3. 老齢基礎年金を1か月分だけ受けて死亡した場合: 受給期間が短くても「受けたことがある」として不支給

「受けたことがない」ケースのみが死亡一時金の対象となります。したがって、死亡一時金の実際の受給者は「若年で死亡し老齢・障害年金のいずれも受けずに亡くなった者」の遺族が中心です。

請求期限(2年の時効)と他の給付との比較:

給付時効期間起算点(第102条)
死亡一時金2年行使することができる時(第4項)
年金給付(老齢・障害・遺族基礎年金・寡婦年金など)を受ける権利5年支給すべき事由が生じた日(第1項)
支払期月ごとの年金の支給を受ける権利5年支払期月の翌月の初日(第1項)

死亡一時金は他の年金給付より短い2年の時効が適用されます。遺族が2年以内に請求しなければ時効消滅します。これは一時金としての性格(恩恵的・補填的)を反映しています。社労士試験では「遺族基礎年金と死亡一時金の時効年数の違い」が出題されることがあります。

死亡一時金・寡婦年金・遺族厚生年金の総合的な判断フロー:

夫(第1号被保険者)が死亡した場合の妻への給付選択フロー:

1. 子がいるか?

- YES → 遺族基礎年金(子のある妻として)→ 死亡一時金は不支給

- NO → 次のステップへ

2. 夫が老齢基礎年金・障害基礎年金を受けたことがあるか?

- YES → 死亡一時金も寡婦年金も不支給(第52条の2第1項ただし書・第49条第1項ただし書)

- NO → 死亡一時金・寡婦年金の請求可能性あり

3. 寡婦年金の要件を満たすか(婚姻10年・妻60歳〜・第1号期間10年)?

- YES → 寡婦年金 or 死亡一時金(どちらか選択)

- NO → 死亡一時金のみ(要件を満たせば)

4. 夫が厚生年金に加入していたか?

- YES → 遺族厚生年金(国民年金の寡婦年金・死亡一時金と別立て)

このフローは社労士実務で遺族への給付相談を行う際の基本的な判断順序であり、試験でも横断的な知識として問われます。

「生計を同じくしていた者」(生計同一)と「生計を維持されていた者」(生計維持)の実務的区別:

社労士試験では、給付の種類によって遺族の認定基準が異なることを正確に理解する必要があります。

基準適用される給付認定のポイント
生計同一死亡一時金(第52条の3第1項)・未支給年金(第19条第1項)同じ家計で生活していた事実(収入の多寡問わず)
生計維持遺族基礎年金・遺族厚生年金・寡婦年金死亡者が主たる生計維持者であった(年収850万円未満等の要件)

死亡一時金は「生計維持」ではなく「生計同一」なので、たとえば共働き夫婦の妻が死亡した場合、夫が高収入でも「生計を同じくしていた」として死亡一時金の請求権者になれます(遺族基礎年金では「生計維持」要件により認定が厳しい場合がある)。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 国民年金法第52条の2(支給要件。第1項ただし書=老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある者の死亡は不支給・第2項=遺族基礎年金を受けることができる者があるときは不支給)・第52条の3(遺族の範囲及び順位等。第3項=同順位者の1人の請求は全員のため)・第52条の4(金額)・第52条の6(支給の調整=寡婦年金との選択)・第102条第4項(死亡一時金を受ける権利は行使することができる時から2年で時効)(https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141・2026-09-30確認) 確認日: 2026-09-30 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

この問題の関連トピック

  • 死亡一時金の請求権者の優先順位・請求期限・不支給要件
  • 頻出度A

関連する問題

ページの先頭へ