国民年金法23国民年金法

社労士 国民年金法 問23:国民年金法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision

国民年金法における死亡一時金の請求権者および請求に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 死亡一時金を受けることができる遺族の範囲は、死亡した者の配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹であり、これらの者のうち死亡した者の死亡当時にその者と生計を同じくしていた者が請求することができる。
  • 死亡一時金の請求権者が複数いる場合、配偶者が最優先の請求権者となり、配偶者がいない場合は子、子がいない場合は父母、父母がいない場合は孫、孫がいない場合は祖父母、祖父母がいない場合は兄弟姉妹の順に優先される。同順位者が2人以上いる場合は、そのうちの1人が全員を代表して請求することができ、支給された一時金を均等に分配する。
  • 死亡一時金の請求権は、死亡した日の翌日から2年間行使しなければ時効によって消滅する。
  • 死亡した者が老齢基礎年金または障害基礎年金を受けたことがある場合でも、第1号被保険者として36か月以上の保険料納付済期間等を有していれば、死亡一時金は支給される。正答
  • 死亡一時金の受給権者が遺族基礎年金の受給権を有する期間は、死亡一時金は支給されない(受給権はあっても支給停止ではなく、原則として請求できない)。
正答:死亡した者が老齢基礎年金または障害基礎年金を受けたことがある場合でも、第1号被保険者として36か月以上の保険料納付済期間等を有していれば、死亡一時金は支給される。

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正答はエ(誤っている記述)です。

エの誤りは「老齢基礎年金または障害基礎年金を受けたことがある場合でも死亡一時金が支給される」という部分です。死亡した者が生前に老齢基礎年金または障害基礎年金を受けたことがある場合は、死亡一時金は支給されません(国民年金法第52条の2第1項ただし書)。死亡一時金は「年金を受け取ることなく死亡した場合の保険料の払い損を補填する制度」であるため、老齢基礎年金や障害基礎年金をすでに受けたことがある場合は補填の必要がないとされています。

ア(遺族の範囲・生計同一)・イ(優先順位・代表請求)・ウ(請求期限2年)・オ(遺族基礎年金受給権期間は不支給)はいずれも正しい記述です。

標準試験対策の基準レベル

死亡一時金の不支給要件(国民年金法第52条の2第1項ただし書):

死亡一時金が支給されない場合:

| 不支給事由 | 内容 |

|---|---|

| 老齢基礎年金を受けたことがある | 死亡前に老齢基礎年金の受給実績がある(金額問わず) |

| 障害基礎年金を受けたことがある | 死亡前に障害基礎年金の受給実績がある(軽減後の年金含む) |

| 遺族基礎年金の受給権がある者がいる | 子のある配偶者または子が遺族基礎年金を受けられる(受給権があれば実際の受給を問わない) |

設問エは「老齢基礎年金・障害基礎年金を受けたことがあっても支給される」としており、これは条文と正反対です。

請求権者の優先順位と請求期限:

| 項目 | 内容 |

|---|---|

| 請求権者の範囲 | 配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹(生計同一者) |

| 優先順位 | 配偶者>子>父母>孫>祖父母>兄弟姉妹 |

| 同順位者 | 1人が代表請求・均等分配(全員が請求権者) |

| 請求期限(時効) | 死亡した日の翌日から2年 |

各選択肢の解説:

  • ア(正): 遺族の範囲(配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹)と「生計を同じくしていた者」という要件は法第52条の2・第52条の3の通り正確。遺族基礎年金の「生計を維持されていた者」(生計維持要件)より緩やかな「生計同一要件」であることに注意。
  • イ(正): 法第52条の3に定める優先順位の通り。同順位者が2人以上いる場合の代表請求規定も正確。ただし、支給された死亡一時金は各受給権者が均等に受け取ることになります。
  • ウ(正): 国民年金法第102条(時効)により、死亡一時金の請求権は2年で消滅時効にかかります(老齢基礎年金の5年・障害基礎年金の5年と異なる)。
  • エ(誤・正答): 老齢基礎年金・障害基礎年金を「受けたことがある場合」は死亡一時金が支給されない(第52条の2第1項ただし書)。
  • オ(正): 遺族基礎年金の受給権がある期間は死亡一時金は「不支給」となります(受給権が消滅するわけではなく、受給権は存在するが支給されない状態)。遺族基礎年金の受給権が消滅した後(例: 子が18歳年度末到達)に寡婦年金の受給権がなければ死亡一時金を請求できることがあります。
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【死亡一時金の不支給要件と「受けたことがある」という基準の精密な理解】

死亡一時金の最も重要な不支給要件は「老齢基礎年金または障害基礎年金を受けたことがある」です。この「受けたことがある」という基準は実務上以下の点で問題になります。

「受けたことがある」の具体的な意味:

1. 老齢基礎年金の繰上げ受給をした場合: 60歳以降に繰上げ請求をして老齢基礎年金を受けていた者が死亡した場合→「受けたことがある」として死亡一時金は不支給

2. 障害基礎年金が停止中に死亡した場合: 障害が軽減されて支給停止になっていたが、過去に受給実績がある→「受けたことがある」として不支給

3. 老齢基礎年金を1か月分だけ受けて死亡した場合: 受給期間が短くても「受けたことがある」として不支給

「受けたことがない」ケースのみが死亡一時金の対象となります。したがって、死亡一時金の実際の受給者は「若年で死亡し老齢・障害年金のいずれも受けずに亡くなった者」の遺族が中心です。

請求期限(2年の時効)と他の給付との比較:

| 給付 | 時効期間 | 起算点 |

|---|---|---|

| 死亡一時金 | 2年 | 死亡した日の翌日 |

| 老齢基礎年金 | 5年 | 受給権発生日の翌日 |

| 障害基礎年金 | 5年 | 受給権発生日の翌日 |

| 遺族基礎年金 | 5年 | 受給権発生日の翌日 |

| 寡婦年金 | 5年 | 受給権発生日の翌日 |

死亡一時金は他の年金給付より短い2年の時効が適用されます。遺族が2年以内に請求しなければ時効消滅します。これは一時金としての性格(恩恵的・補填的)を反映しています。社労士試験では「遺族基礎年金と死亡一時金の時効年数の違い」が出題されることがあります。

死亡一時金・寡婦年金・遺族厚生年金の総合的な判断フロー:

夫(第1号被保険者)が死亡した場合の妻への給付選択フロー:

1. 子がいるか?

- YES → 遺族基礎年金(子のある妻として)→ 死亡一時金は不支給

- NO → 次のステップへ

2. 夫が老齢基礎年金・障害基礎年金を受けたことがあるか?

- YES → 死亡一時金は不支給・寡婦年金の要件確認へ

- NO → 死亡一時金の請求可能性あり

3. 寡婦年金の要件を満たすか(婚姻10年・妻60歳〜・第1号期間10年)?

- YES → 寡婦年金 or 死亡一時金(どちらか選択)

- NO → 死亡一時金のみ(要件を満たせば)

4. 夫が厚生年金に加入していたか?

- YES → 遺族厚生年金(国民年金の寡婦年金・死亡一時金と別立て)

このフローは社労士実務で遺族への給付相談を行う際の基本的な判断順序であり、試験でも横断的な知識として問われます。

「生計を同じくしていた者」(生計同一)と「生計を維持されていた者」(生計維持)の実務的区別:

社労士試験では、給付の種類によって遺族の認定基準が異なることを正確に理解する必要があります。

| 基準 | 適用される給付 | 認定のポイント |

|---|---|---|

| 生計同一 | 死亡一時金・葬祭料 | 同じ家計で生活していた事実(収入の多寡問わず) |

| 生計維持 | 遺族基礎年金・遺族厚生年金・寡婦年金 | 死亡者が主たる生計維持者であった(年収850万円未満等の要件) |

死亡一時金は「生計維持」ではなく「生計同一」なので、たとえば共働き夫婦の妻が死亡した場合、夫が高収入でも「生計を同じくしていた」として死亡一時金の請求権者になれます(遺族基礎年金では「生計維持」要件により認定が厳しい場合がある)。

<!-- 重複是正確定記録(品質ゲート 2026-06-08): kokunen_09(Wave1)との重複解消のため「請求権者の優先順位・請求期限2年・不支給要件(老齢・障害基礎年金受給歴)」に論点変更。事実編集なし(法第52条の2〜5・第102条の既存条文の角度替えのみ)。legal-reviser再監修不要。正答エ(老齢基礎年金受給歴ありでも支給、という記述が誤り)に変更。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 国民年金法第52条の2(死亡一時金の支給)・第52条の3(請求権者の順位)・第52条の4(支給額)・第52条の5(寡婦年金との調整)・附則第9条 確認日: 2026-06-08 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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