国民年金法28国民年金法

社労士 国民年金法 問28:国民年金法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision

遺族基礎年金の支給対象および支給要件に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 遺族基礎年金を受けることができるのは、被保険者または被保険者であった者(以下「被保険者等」という)の死亡当時、その者によって生計を維持していた「子のある配偶者」または「子」に限られる。
  • 「子」とは、18歳に達する日以後最初の3月31日までの間にある者(一定の障害がある場合は20歳未満)であって、現に婚姻をしていない者をいう。
  • 子のある配偶者が遺族基礎年金を受けている間、子に対する遺族基礎年金は支給停止となる。
  • 平成26年4月以前は遺族基礎年金の受給対象は「子のある妻」および「子」のみであったが、同年4月から「子のある夫」も受給できるようになった。
  • 遺族基礎年金は、子が18歳の年度末(または20歳の誕生日前日)に達して「子」の要件を失うと、子がいなくなるため配偶者の遺族基礎年金の受給権も同時に消滅する。正答
正答:遺族基礎年金は、子が18歳の年度末(または20歳の誕生日前日)に達して「子」の要件を失うと、子がいなくなるため配偶者の遺族基礎年金の受給権も同時に消滅する。

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正答はオです。

オの誤りは「配偶者の受給権も同時に消滅する」という部分です。最後の子が「子」の要件(18歳年度末等)を失っても、配偶者の遺族基礎年金の受給権は消滅するのではなく、「支給停止」になります。支給停止と失権(消滅)は異なります。支給停止の場合、状況が変われば(例えば次の子が生まれる等)再び支給が始まる可能性があります。実際には子が全員年齢超過すれば配偶者の受給権の意味はほぼなくなりますが、法的には「支給停止」と「消滅」は別概念です。

ア〜エは正しい記述です。受給対象は子のある配偶者と子(ア)、子の年齢要件は18歳年度末・障害あり20歳未満(イ)、子への停止(ウ)、平成26年4月から父子家庭も対象(エ)は正確です。

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遺族基礎年金の受給対象と支給の仕組みの整理:

受給対象者の優先順位:

1. 子のある配偶者(配偶者が生計を維持していた、かつ子がいる)

2. (子のある配偶者がいない場合)

遺族基礎年金は子のいない配偶者は受給できない点が重要です(遺族厚生年金とは異なる)。

「子」の年齢要件(国民年金法第37条の2):

| 状況 | 年齢要件 |

|---|---|

| 通常 | 18歳に達する日以後最初の3月31日(18歳年度末)まで |

| 一定の障害あり(1・2級) | 20歳未満 |

「現に婚姻していないこと」も要件(婚姻すると「子」の要件を失う)。

支給停止のルール:

  • 子のある配偶者が受給している間:→ 子への遺族基礎年金は支給停止(ウの正しい根拠)
  • 最後の子が年齢超過:→ 子への受給権は消滅・配偶者の受給権は支給停止(消滅ではない)(オの誤りの根拠)

「子のある夫」への拡大(平成26年4月改正・エの確認):

改正前:「子のある妻」のみ対象。

改正後:「子のある配偶者」(妻・夫ともに)が対象に。ただし改正後も「夫であっても死亡当時に死亡者(妻)に生計を維持されていた」ことが要件です。

年金額(令和8年度):

基本額(老齢基礎年金満額相当)+ 子の加算額

  • 子の加算:1人目・2人目 各243,800円/年(243,800円/年)・3人目以降 各81,300円/年(81,300円/年)

(数値は `KO_KASAN_1_2_NIN`・`KO_KASAN_3_NIN_IKO` 参照)

上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【遺族基礎年金の「子のある者」限定の政策的意味】

遺族基礎年金が「子のある配偶者」または「子」のみを対象とする設計は、1985年(昭和60年)の基礎年金制度創設時の政策判断に基づいています。制度設計の思想は「子どもを育てる遺族家庭への集中的な支援」であり、子どものいない配偶者は老齢基礎年金で老後保障されることを前提に、遺族基礎年金は子育て世帯の短期的な生活保障に特化させています。

この「子なし配偶者は遺族基礎年金なし」という限定は、厚生年金被保険者の遺族に対する遺族厚生年金(配偶者が受給できる)との最大の違いです。

【父子家庭追加(平成26年4月改正)の背景】

平成26年(2014年)4月改正前は、国民年金法の遺族基礎年金の受給対象は「子のある妻」のみで「子のある夫」は対象外でした。これは「家族の生計を支えているのは夫であり、夫が死亡した場合に妻(と子)を守るべき」という旧来の家族観を反映した規定でした。

しかし共働き世帯・母子家庭から父子家庭への変化・性別役割分担の見直しという社会変化に対応して、「子のある夫」も受給できるよう改正されました。この改正は社労士試験でも「平成26年4月から父子家庭が対象となった」という改正知識として頻出です。

【支給停止と失権(消滅)の区別の実務的重要性】

社労士試験・実務において最も重要な概念の区別の1つが「支給停止」と「受給権の消滅(失権)」です:

| 概念 | 内容 | 実務的意味 |

|---|---|---|

| 支給停止 | 受給権は存在するが支給が一時停止 | 停止事由が消えれば支給再開 |

| 受給権の消滅(失権) | 受給権が法的に消えた | 以後は受給不可 |

遺族基礎年金における配偶者の失権事由(国民年金法第40条):

1. 死亡したとき

2. 婚姻(事実婚含む)をしたとき

3. 直系血族・直系姻族以外の者の養子になったとき

4. 子が全員「子」の要件を失い、支給停止事由が生じたとき(→失権ではなく支給停止)

子が「子」の要件を失ったとき(18歳年度末到達等)に、配偶者の受給権が消滅するのか支給停止になるのかは試験の頻出論点です。正解は「支給停止」です。受給権が残る理由は「その後に子が生まれる等で支給再開の可能性がゼロではない」という理論的根拠があります(実際には稀ですが)。

【遺族基礎年金の受給期間と切れ目のない支援設計】

子育て中の遺族家庭への支援として遺族基礎年金がありますが、子が全員成長すると遺族基礎年金が停止になる「ポストカット」の問題があります。この後の生活保障は:

1. 中高齢寡婦加算(厚生年金): 40歳以上65歳未満の妻が対象。遺族基礎年金が支給されない期間に加算。635,500円/年(635,500円/年)が支給。

2. 老齢基礎年金(65歳以降): 自分自身の加入期間に基づく老齢基礎年金を受給。

3. 経過的寡婦加算: 昭和31年4月1日以前生まれの妻に加算。

このように「子育て期は遺族基礎年金→中年期は中高齢寡婦加算→老年期は老齢基礎年金」という切れ目のない支援体系が設計されています。社労士はこの全体像を理解した上で依頼者に説明できることが求められます。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 国民年金法第37条(遺族基礎年金の受給権者)・第37条の2(子の定義)・第41条(支給停止)・附則第8条の3(平成26年4月改正・父子家庭)(https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141) 確認日: 2026-06-08 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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