国民年金法29国民年金法

社労士 国民年金法 問29:国民年金法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision

老齢基礎年金・障害基礎年金・遺族基礎年金の失権事由に関するア〜オの記述のうち、**正しいものの組み合わせはどれか**。

  • 1ア・ウ
  • 2ア・オ正答
  • 3イ・ウ
  • 4イ・エ
  • 5ウ・エ
正答:2ア・オ

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正答は2(ア・オの組み合わせ)です。

ア(老齢基礎年金は死亡のみが失権事由・婚姻等で消えない)とオ(内縁関係に入った場合も失権)が正しい記述です。

イは誤りです。障害基礎年金の失権事由は「3年経過のみ」では成立しません。国民年金法第35条は、障害の程度が1・2級に該当しなくなった日から起算して65歳に達した日の前日が到来した場合に失権すると定めており、「3年経過時点」という単独の失権事由は存在しません。

ウは正しい記述です。子の失権は18歳年度末到達・婚姻等で生じます。

エは誤りです。65歳以降に老齢基礎年金の受給権を取得しても、障害基礎年金の受給権自体は消滅しません。1人1年金の原則により「受給の選択」が必要になりますが、これは支給調整であり受給権の消滅ではありません。

標準試験対策の基準レベル

3種類の年金別失権事由の比較表:

老齢基礎年金の失権事由(国民年金法第28条の2):

| 失権事由 | 内容 |

|---|---|

| 死亡 | 受給権者が亡くなった |

※老齢基礎年金は「死亡のみ」が失権事由。一度発生した受給権は婚姻・離婚等で消えない。

障害基礎年金の失権事由(国民年金法第35条):

| 失権事由 | 内容 |

|---|---|

| 死亡 | 受給権者が亡くなった |

| 障害等級非該当の状態継続 | 障害の程度が1・2級に該当しなくなった日から起算して65歳に達した日の前日が到来したとき(65歳前に等級非該当が継続した場合) |

イの「3年経過のみ」という記述は誤りです。障害基礎年金の失権は「等級不該当が3年経過し、かつ65歳に達したとき」(両要件)が必要です。3年経過のみでは失権せず、65歳前であれば再び等級該当に戻る可能性があるため受給権が保護されます。

<!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): 国民年金法第35条第2項の失権事由は「3年継続経過+65歳到達」の両方が必要(いずれか早い方ではない)。65歳前に再び1・2級に該当すれば失権しない。e-Gov 国民年金法第35条と整合確認済。-->

遺族基礎年金(配偶者)の失権事由(第40条):

| 失権事由 |

|---|

| 死亡 |

| 婚姻(事実婚含む)(オの正しい根拠) |

| 直系血族・直系姻族以外の者の養子になったとき |

| 子が全員「子」の要件を失い、支給停止が継続したまま65歳に達したとき |

遺族基礎年金(子)の失権事由(第41条):

| 失権事由 |

|---|

| 死亡 |

| 18歳に達する日以後最初の3月31日が終了したとき(ウの正しい根拠) |

| 婚姻したとき |

| 直系血族・直系姻族以外の者の養子になったとき |

| 障害状態(1・2級)の子が20歳に達したとき |

| 離縁によって死亡した被保険者等との親族関係が終了したとき |

エの検証(障害基礎+老齢基礎の関係):

65歳以降は「障害基礎年金」と「老齢基礎年金」の両方の受給権を持つ場合がありますが、1人1年金の原則により一方を選択します。受給権自体は消滅せず「選択」という形で処理されます。

上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【3種年金の失権事由比較の実務的意義】

老齢・障害・遺族という3つの基礎年金の失権事由が異なるのは、それぞれの制度の目的が異なるからです:

  • 老齢基礎年金: 自分が保険料を支払ってきたことへの「老後保障」。一度発生した権利は保険料拠出に対する対価として永続する。婚姻等の身分変動とは無関係。
  • 障害基礎年金: 障害という「現在進行形のリスク」に対する給付。障害が回復すれば支給の必要がなくなる。だから障害等級非該当の継続が失権事由になる。
  • 遺族基礎年金: 被保険者の死亡によって生計維持が失われた遺族への補填。受給権者が新たな生計維持関係(婚姻等)を持てば「補填の必要がなくなる」として失権。

この制度目的の差が失権事由の差を生んでいます。

【障害基礎年金の失権事由の詳細(条文の正確な読み方)】

障害基礎年金の失権事由(国民年金法第35条)は次の通りです:

1. 受給権者が死亡したとき

2. 障害等級の1級または2級に該当しなくなった日から起算して、当該障害等級に該当しないまま65歳に達した日の前日が到来したとき

この「65歳に達した日の前日」という基準は非常に重要です。60歳で等級非該当になった場合、その状態が65歳になるまで(5年間)継続して初めて失権します。ただし64歳11か月で再び等級に該当するようになれば失権しません。

一方で試験問題で登場する「3年を経過」という数字は、旧法や改正前の規定に由来する場合があり、現行の失権事由ではないため注意が必要です。

【遺族基礎年金の「支給停止」vs「失権」の継続的整理】

前問(問28)で扱った「子が成長した際の配偶者の受給権の支給停止」に加え、遺族基礎年金では複数の「支給停止」事由があります:

| 事由 | 配偶者 | 子 |

|---|---|---|

| 子が「子」の要件を失った | 支給停止(全子が要件を失うと) | 失権(個別に) |

| 離婚 | 失権しない(離婚は失権事由でない・婚姻が失権事由) | 影響なし |

| 養子縁組 | 直系血族・直系姻族以外の養子→失権 | 直系血族・直系姻族以外の養子→失権 |

「離婚は失権事由ではなく婚姻が失権事由」という点は試験の引っかけポイントです。離婚後に独身に戻っても既存の遺族基礎年金の受給権は失権しません(ただし「元配偶者の再婚」ではなく「受給権者自身の婚姻」が問題)。

【内縁(事実婚)が失権事由に該当する根拠】

法律上の婚姻届を出さない内縁関係(事実婚)でも遺族基礎年金の失権事由となる理由(オの正しい根拠):

国民年金法第40条第1項第2号は「婚姻(届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む)をしたとき」と明示して内縁を含むことを規定しています。これは「生計維持補填」という制度目的から考えると当然の設計で、届出の有無を問わず実質的に新たな生計維持関係が生まれれば補填の必要がなくなります。

【社労士実務での活用:失権チェックと窓口相談】

実務では、遺族基礎年金の受給権者(特に未亡人)が再婚を検討している場合に「再婚すると遺族基礎年金が失権する」ことを的確に説明する義務があります。また「内縁でも失権する」点は知らずに内縁生活を始めたために受給停止(年金機構からの通知)になるケースがあり、事前の情報提供が重要です。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 国民年金法第28条の2(老齢基礎失権)・第35条(障害基礎失権)・第40条(遺族基礎失権)・第41条(遺族基礎子失権)(https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141) 確認日: 2026-06-08 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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