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法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

社労士 国民年金法 問29|失権事由の比較

問題

社労士 | 国民年金法 | 令和9年度(2027年度)試験対応・数値確認日 2026-10-01

老齢基礎年金・障害基礎年金・遺族基礎年金の失権事由に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

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正解は エ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はエです。

配偶者が有する遺族基礎年金の受給権は、支給対象となる子が1人であるときはその子が、子が2人以上であるときは同時に又は時を異にしてその全ての子が、39条3項各号のいずれかに該当するに至ったときに消滅します(40条2項)。子が複数いる場合、1人だけが該当しても配偶者の受給権は消滅せず、全員が該当して初めて消滅します。「1人でも該当すれば直ちに消滅」とするエは誤りです。

ア・イ・ウ・オはいずれも29条・35条・40条1項の条文どおりの正しい記述です。

3種類の基礎年金の失権事由の比較(29条・35条・40条):

年金失権事由根拠
老齢基礎年金受給権者の死亡(これのみ)29条
障害基礎年金①31条2項による従前の受給権の消滅 ②死亡 ③障害等級非該当のまま65歳到達(不該当から3年未経過の場合を除く) ④障害等級非該当のまま3年経過(3年経過時点で65歳未満の場合を除く)35条
遺族基礎年金(配偶者)①死亡 ②婚姻(事実婚含む) ③直系血族・直系姻族以外の者の養子となったとき ④支給対象の子が1人ならその子、2人以上なら全員が39条3項各号に該当するに至ったとき40条1項・2項

各選択肢の解説:

  • ア(正): 29条は「老齢基礎年金の受給権は、受給権者が死亡したときは、消滅する。」とのみ定める。
  • イ(正): 35条の条文どおり。
  • ウ(正): 40条1項1号〜3号の条文どおり。
  • エ(誤・正答): 40条2項は「子が一人であるときはその子が、…子が二人以上であるときは同時に又は時を異にしてその全ての子が」39条3項各号に該当するに至ったときに消滅すると定めており、子が複数いる場合は全員該当が必要。1人該当だけでは消滅しない。
  • オ(正): 35条3号ただし書「三年を経過した日において、当該受給権者が六十五歳未満であるときを除く。」のとおり。

【老齢基礎年金に死亡以外の失権事由がない理由】

29条は「老齢基礎年金の受給権は、受給権者が死亡したときは、消滅する。」という一文のみで構成されている。これは、老齢基礎年金が長年の保険料拠出に対する対価として支給される終身給付であり、婚姻・養子縁組・所得の変動といった受給権者の身分関係・生活状況の変化によってその権利自体を失わせる理由がないという制度設計を反映している。これに対し、障害基礎年金は障害の状態という変動しうる事実に基づく給付であるため障害の回復が失権事由になり、遺族基礎年金は生計維持関係の喪失に対する補填であるため受給権者自身の再婚等の新たな生計維持関係の形成が失権事由になる。3つの基礎年金の失権事由の違いは、それぞれの給付の性格(拠出の対価/障害という現在進行形のリスクへの給付/生計維持の喪失への補填)の違いをそのまま反映したものである。

【35条の障害基礎年金の失権事由の正確な読み方】

35条は、31条2項による消滅(前後の障害を併合した新たな障害基礎年金の受給権を取得したときに、従前の受給権が消滅する)を除くほか、受給権者が次のいずれかに該当するに至ったときに消滅すると定める。1号は死亡。2号は、厚生年金保険法47条2項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態にない者が65歳に達したときであるが、その65歳到達日において、障害等級に該当しなくなった日から起算して障害等級に該当することなく3年を経過していないときは、この失権事由から除外される。3号は、障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して3年を経過したときであるが、その3年経過日において受給権者が65歳未満であるときは、この失権事由から除外される。

ここでいう障害等級は、国民年金法30条2項の障害等級(1級・2級)ではなく、厚生年金保険法47条2項の障害等級であり、同項は「一級、二級及び三級」と定めている。したがって、障害基礎年金の受給権者が2級に該当しなくなっても、3級に該当する程度の障害の状態にある間は、35条2号・3号の「障害等級に該当しなくなつた」には当たらない(その間の障害基礎年金は支給停止の問題となる)。

2号と3号を組み合わせると、失権するのは「3級にも該当しない状態が3年続いたこと」と「65歳に達したこと」の両方がそろった時点になる。65歳未満のうちに3年が経過しても3号ただし書により失権せず、その後65歳に達した時に2号で失権する。逆に、3年を経過しないまま65歳に達しても2号ただし書により失権せず、その後3年を経過した時に3号で失権する。

【40条2項の「子が複数いる場合は全員該当」という設計の意味】

40条2項が、支給対象の子が2人以上いる場合に「同時に又は時を異にしてその全ての子」が該当するに至って初めて配偶者の受給権が消滅すると定めているのは、子が1人でも該当しなくなれば配偶者の年金に対する加算対象からは外れるものの(39条3項の年金額改定の対象)、配偶者自身の受給権(基本権)は、生計を維持すべき子が1人でも残っている限り存続させるという考え方に基づく。年金額の改定(子の数に応じた加算の増減)と受給権そのものの消滅(失権)とは別次元の問題であり、この区別を正確に理解しているかが本問の主眼である。

【出題の狙い】

老齢基礎年金の失権事由が死亡のみであること、障害基礎年金の失権事由の2号・3号の要件(65歳到達と3年経過の両方の切り口があること)、遺族基礎年金(配偶者)の失権が子全員の該当を要件とすることという、29条・35条・40条の条文構造の細部を正確に読み取れているかを問う問題である。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 国民年金法29条(老齢基礎年金の失権)・31条2項(併合認定に伴う従前の受給権の消滅)・35条(障害基礎年金の失権・各号)・39条3項(配偶者の遺族基礎年金の失権に連動する子の該当事由)・40条1項・2項(遺族基礎年金の失権) e-Gov 法令API v2(law_id=334AC0000000141)2026-09-30 全文照合 確認日: 2026-09-30 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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