国民年金法36国民年金法

社労士 国民年金法 問36:国民年金法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision

第3号被保険者の届出および特定期間に係る保険料納付済期間の特例に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • 第3号被保険者となった者は、自ら住所地の市町村長に対して資格取得の届出を行わなければならない。
  • 第3号被保険者の種別変更(第2号被保険者の配偶者でなくなった場合等)の届出は、その変更の日から30日以内に届け出なければならない。
  • 「特定期間に係る保険料納付済期間の特例」は、第3号被保険者としての届出漏れがあった期間を、一定の要件のもとで保険料納付済期間として扱う制度である。正答
  • 第3号被保険者の届出を受けた事業主は、30日以内に厚生労働大臣に届け出なければならない。
  • 第3号被保険者の要件を満たさなくなった事実を知りながら届出をしない場合、刑事罰(懲役または罰金)が科される。
正答:「特定期間に係る保険料納付済期間の特例」は、第3号被保険者としての届出漏れがあった期間を、一定の要件のもとで保険料納付済期間として扱う制度である。

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正答はウです。

「特定期間に係る保険料納付済期間の特例」は、過去に第3号被保険者の種別変更届の提出漏れがあった期間について、一定条件のもとで保険料納付済期間として扱う救済制度です(2013年・平成25年改正)。

アは誤り。第3号被保険者の届出は本人が直接市町村長に届け出るのではなく、第2号被保険者の配偶者として事業主(または共済組合)を経由して提出します。

イは誤り。第3号被保険者の種別変更の届出期限は14日以内です(30日ではありません)。

エは誤り。事業主は遅滞なく厚生労働大臣に届け出る義務がありますが、30日という期限ではありません。

オは誤り。届出義務違反は過料(行政上の制裁)であり、刑事罰(懲役・罰金)ではありません。

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第3号被保険者の届出の仕組みと第1号との違い:

| 項目 | 第1号被保険者 | 第3号被保険者 |

|---|---|---|

| 届出の主体 | 本人 | 本人(事業主経由) |

| 届出先 | 市町村長(直接) | 第2号被保険者の事業主または共済組合 → 厚生労働大臣 |

| 届出期限 | 14日以内 | 14日以内(本人→事業主の提出期限) |

第3号→第1号変更時の「第3号不整合問題」:

第3号被保険者が離婚や配偶者の退職などで第3号の資格を喪失した際、種別変更届を提出せずにいると「届出はしていないが第3号のままの扱い」という不整合状態が生じます。この状態では、実際には第1号として国民年金保険料を納付すべきだったのに、未納のままになるという問題が発生します。

特定期間に係る保険料納付済期間の特例(2013年改正):

  • 対象期間(特定期間): 第3号不整合が生じていた期間
  • 救済措置の内容: 特定期間の届出(追って届出)を行うことで、その期間を「保険料納付済期間」として扱う
  • 要件: 不整合が生じた原因が届出義務違反だった者
  • 効果: 老齢基礎年金の受給資格期間・年金額の計算に反映

オの誤り(罰則の種類):

第3号被保険者の届出義務違反は国民年金法第111条の過料(10万円以下)であり、刑事罰(刑法上の懲役・罰金)ではありません。過料は行政罰であり、前科にはなりません。

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【第3号不整合問題の歴史的経緯と2013年改正の意義】

第3号被保険者制度は1986年(昭和61年)の基礎年金制度導入時に創設されました。「専業主婦(主夫)が個人として保険料を負担せずとも基礎年金を受給できる」制度として設計されましたが、この便宜性ゆえに「届出管理が甘くなる」という構造的問題を内包していました。

第3号不整合問題の発生メカニズム:

1. 会社員の妻が専業主婦のため第3号被保険者として届出

2. 夫が退職または妻自身が就職などで第3号の要件を失う

3. しかし種別変更届(第3号→第1号)を提出しない

4. 年金記録上は「第3号のまま」→ 保険料を払わなくても記録が付く

5. 後に発覚 → 該当期間の記録を「未納」に訂正 → 受給額が大幅減少

このような事態が2010年頃から多数発覚し、社会問題となりました。被害を受けた当事者(多くが高齢女性)から「届出義務を知らなかった」「夫の職場から説明がなかった」という声が上がり、単純な届出不履行として扱うことへの批判が集まりました。

2013年(平成25年)改正の内容:

「年金機能強化法」(平成24年)により、特定期間(第3号不整合期間)を「保険料納付済期間」として扱う特例が設けられました。

救済の仕組み:

  • 特定期間は受給資格期間・年金額の計算において保険料納付済期間として扱う
  • 追って届出(解消届)を提出することが要件
  • ただし保険料を実際に遡及納付するわけではない(「みなし」で処理)

2013年改正の問題点と批判:

一方で、「届出義務を果たして第1号として保険料を納付し続けた人(真面目に払った人)と、未届のまま過ごした人が同じ扱いになるのは不公平」という批判もありました。この点について政府は「本人の認識・悪意の有無を考慮した措置」と説明しましたが、制度設計上の公平性の問題は完全には解消されていません。

第3号制度の将来的な動向:

第3号被保険者制度は「女性の就労を阻害する壁(社会保険の壁)」として長年批判されてきました。近年の議論では:

  • 夫の扶養から外れると妻の保険料負担が一気に発生する「130万円の壁」
  • 2026年10月施行の社会保険適用拡大(賃金要件8.8万円撤廃)で第3号から第2号への移行が増加見込み
  • 将来的な第3号廃止論(FP3級の学習範囲でも頻出のテーマ)

社労士試験では「第3号不整合の救済措置の要件・効果」を正確に理解することが求められますが、実務では「第3号から外れるタイミングをどう管理するか」のコンサルティングが重要です。

上位資格との接続:

FP1級では「第3号不整合救済措置の適用可否判定(ケーススタディ)」が出題されます。年金アドバイザー2級では「第3号不整合期間がある場合の老齢基礎年金額の計算方法」まで問われます。社労士受験生は制度の仕組みと2013年改正の意義を「届出義務のある者が届出を怠った場合の救済」という文脈で理解することが重要です。

<!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): 国年法第12条(届出)・附則第7条の3の2(特定期間特例・平成25年改正)に基づく。第3号届出経路は事業主経由。届出義務違反は過料(刑事罰ではない)。一次ソース:e-Gov・日本年金機構公式確認済。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 国民年金法第12条(届出)・第3条(第3号被保険者)・附則第7条の3の2(特定期間に係る保険料納付済期間特例・2013年改正)(https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141) 確認日: 2026-06-08 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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