国民年金法40国民年金法

社労士 国民年金法 問40:国民年金法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision

20歳前の傷病による障害基礎年金に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 20歳前の傷病による障害基礎年金は、国民年金の被保険者でない期間(20歳前)に傷病を負った者に対しても支給されるため、保険料納付要件がない。
  • 20歳前の傷病による障害基礎年金には、受給権者本人の前年所得が一定額を超える場合に支給停止となる所得制限が設けられている。
  • 20歳前の傷病による障害基礎年金に係る所得制限の基準額は、受給権者の扶養親族等の人数によらず一律に設定されており、扶養親族の数による加算はない。正答
  • 20歳前の傷病による障害基礎年金は、刑事施設に拘禁されている間は支給停止となる。
  • 20歳前の傷病による障害基礎年金の受給権者が日本国内に住所を有しなくなった場合(国外転出)は、その期間中は支給停止となる。
正答:20歳前の傷病による障害基礎年金に係る所得制限の基準額は、受給権者の扶養親族等の人数によらず一律に設定されており、扶養親族の数による加算はない。

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正答はウです。

20歳前傷病による障害基礎年金の所得制限は、受給権者本人の前年所得を基準としつつ、受給権者の扶養親族等の人数に応じて所得制限の基準額が引き上げられます(国年法第36条の3)。扶養親族が1人増えるごとに基準額が約38万円加算(老人扶養親族はさらに加算)されるため、「扶養親族等の人数によらず一律」「扶養親族の数による加算はない」という記述は誤りです。

なお「扶養親族等の所得そのもの」は所得制限の判定に直接組み込まれません(あくまで本人所得+扶養人数による加算という構造)。

アは正しく、20歳前傷病は保険料納付要件が不要です。イは正しく、所得制限があります。エは正しく、刑事拘禁中は支給停止(国年法第36条の2第1項第1号)。オは正しく、国内居住要件が課されており海外居住中は支給停止(同条第1項第2号)。

標準試験対策の基準レベル

20歳前傷病による障害基礎年金の特徴整理:

通常の障害基礎年金との比較:

| 項目 | 通常の障害基礎年金 | 20歳前傷病による障害基礎年金 |

|---|---|---|

| 保険料納付要件 | あり(初診日前の一定期間) | なし |

| 所得制限 | なし | あり(受給権者本人の前年所得に基づく) |

| 支給開始年齢 | 認定時(20歳以後の初診日等) | 20歳に達した日(または障害認定日が20歳以後の場合は認定日) |

| 国内居住要件 | なし | あり(日本国内に住所を有しない間は支給停止) |

所得制限の仕組み(国年法第36条の3):

| 所得区分 | 効果 |

|---|---|

| 扶養親族なし・前年所得が制限基準額以下 | 全額支給 |

| 前年所得が一定額を超える(扶養親族等なし) | 全部停止 |

| 前年所得が一定額を超える(扶養親族等あり) | 2分の1停止(または全部停止・所得段階による) |

ウの誤りの詳細:

所得制限の基準額は「扶養親族等の人数」によって加算されます(国年法第36条の3第2項)。扶養親族が1人増えるごとに約38万円が加算され、老人扶養親族・特定扶養親族等の場合はさらに加算されます。「人数によらず一律」「加算はない」という記述はこの構造を否定しているため誤りです。

なお「扶養親族の所得そのもの」は判定基準に直接含まれません(あくまで本人所得+扶養親族の数による基準額加算)。実務的には扶養親族の数による基準額調整=扶養家族の存在を考慮した制度設計となっています。

オの内容(国内居住要件):

20歳前傷病による障害基礎年金には、通常の障害基礎年金にはない国内居住要件があります(国年法第36条の2第1項第2号)。海外に住所を有する間は支給停止となります。これは「無拠出制給付(国庫負担)は国内居住者への支援に限定する」という政策判断によります。

上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【20歳前傷病障害基礎年金制度の設計思想と「保険料を払っていなくても受給できる」理由】

20歳前傷病による障害基礎年金は、保険料の拠出なしに給付を受けるという意味で「社会扶助的」な性格を持つ給付です。通常の社会保険給付は「保険料を払った見返りに給付を受ける」という保険原理に基づきますが、この制度は例外的な扶助原理を採用しています。

制度創設の経緯(1985年・昭和60年基礎年金制度導入時):

20歳前に傷病を発症した者は、国民年金への加入義務がない期間(20歳前)が初診日であるため、保険料を払いたくても払えない立場にあります。こうした者を年金の対象から外すことは社会保障の観点から不適切として、特例的に障害基礎年金を支給することとしました。

財源は国庫負担(全額)で賄われており、保険料財源ではありません。これが所得制限が設けられる理由の一つです(税金で賄う以上、資力のある者には制限する)。

所得制限の詳細な仕組み(精緻化):

所得制限の基準額(令和8年度・扶養親族なしの場合・日本年金機構公表値):

  • 全部停止となる所得上限:4,794,000円(約479万円・扶養親族なし)
  • 2分の1停止となる所得上限:3,761,000円(約376万円・扶養親族なし)

扶養親族等が1人増えるごとに38万円が加算されます。老人控除対象配偶者・老人扶養親族は1人につき48万円加算、特定扶養親族・控除対象扶養親族(19歳未満)は1人につき63万円加算されます(日本年金機構公表・令和8年度)。

なお、支給停止となる期間は10月から翌年9月まで(前年の所得に基づき判定)です。

扶養親族の数が考慮される意味:

「配偶者・扶養親族がいる場合は生活費が必要」という考え方に基づき、扶養家族が多いほど所得制限の上限が緩くなります。これは「担税力」の考え方(所得税の人的控除と同じ発想)を社会保障給付の所得制限に応用したものです。

国内居住要件との関係(海外在住者への不支給):

20歳前傷病による障害基礎年金は、通常の障害基礎年金にはない「国内居住要件」が設けられています。海外に住所を有する間は支給停止となります。これも「税財源による扶助的給付は国内居住者への支援に限定する」という政策判断によるものです。

支給停止事由の整理(オの詳細):

20歳前傷病による障害基礎年金には、通常の障害基礎年金にはない以下の特別停止事由があります(国年法第36条の2):

1. 国内居住要件不充足: 日本国内に住所を有しない間は支給停止

2. 刑事施設への拘禁: 全部停止

3. 少年院等矯正施設への収容: 全部停止

4. 労災保険の障害補償給付・障害給付: 一部停止(個別の調整規定あり)

これらの調整は「無拠出制(国庫負担)給付として、二重の生活保障を避ける」という政策判断から設けられています。通常の障害基礎年金(拠出制)には拘禁・国内居住要件による停止はありません

20歳前傷病の典型ケース(実務理解):

1. 先天性疾患(生まれつきの障害)

2. 10代での難病発症

3. 学生時代の交通事故・スポーツ外傷による障害

4. 精神疾患の初診日が10代のケース(統合失調症等)

社労士実務では、精神疾患の障害基礎年金請求で「初診日が20歳前か20歳後か」の判定が請求の成否を左右するため、初診日証明の取得が重要業務です。

上位資格との接続:

FP1級・年金アドバイザー2級では「20歳前傷病による障害基礎年金の所得制限の計算方法と扶養親族加算の具体的計算」が出題されます。社労士試験では「通常の障害基礎年金との相違点(保険料要件なし・所得制限あり・国内居住要件あり)」の3点セットが頻出です。

<!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): 国年法第30条の4(20歳前障害・保険料要件なし)・第36条の3(所得制限・扶養親族の数による基準額加算あり)・第36条の2(国内居住要件・拘禁停止)に基づく。改訂前は「扶養親族の所得は考慮されない=誤り」としていたが、現実には扶養親族の所得そのものは判定に入らず(人数による加算のみ)、原文の「ウ」は事実として正しい内容になっていたため、設問本文を「扶養親族の数による加算はない」(明確な誤り)に書き換え。労基法障害補償との関係は労災保険給付の場合のみ調整あり(労基法第76条直接の停止規定は不正確)であったため、より基本的な国内居住要件の論点に置換。一次ソース:e-Gov・日本年金機構公式確認済。 -->

<!-- 最終監修 2026-06-08(legal-reviser・最終ゲート): advanced解説内の所得制限額をYMYL観点で日本年金機構公表値(令和8年度)に修正。旧記載「全部停止 約472万円・1/2停止 約354万円」→ 正確な「4,794,000円・3,761,000円」へ。扶養加算額(38万/48万/63万)・支給停止期間(10月〜翌年9月)も追記。出典: https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/shougainenkin/jukyu-yoken/20200805.html -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 国民年金法第30条の4(20歳前障害基礎年金)・第36条の3(所得制限)・第36条の2(国内居住要件・拘禁停止)(https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141) 確認日: 2026-06-08 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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