問題
国民年金の任意加入被保険者に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はウです。
65歳以上70歳未満の者であって老齢基礎年金の受給資格期間(10年)を満たしていない者は、受給資格を取得するために65歳以降も任意加入が可能です(特例任意加入・改正法附則による特例)。
アは誤り。厚生年金保険の被保険者は、国民年金では第2号被保険者に該当し、附則第5条第1項は第2号被保険者を任意加入の対象から除いています。
イは誤り。在外邦人の任意加入は20歳以上65歳未満が対象です(国年法附則第5条第1項第3号)。60歳未満ではなく、60歳以上65歳未満の在外邦人も任意加入できます。国内居住者と異なり、海外居住者は強制被保険者の対象外(強制加入は「日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の日本人」のみ)ですが、任意加入の上限は65歳まで認められています。
エは誤り。特例任意加入は受給資格期間を満たしていない者が受給資格を得るための制度です。既に10年を満たしている者は、年金額を増やす目的では利用できません(ウと対になる肢)。
オは誤り。任意加入被保険者は保険料の免除制度の適用対象外です(任意加入は自らの意思で加入するため、保険料免除は認められません)。
国民年金の任意加入被保険者の3区分整理:
| 区分 | 対象者 | 年齢要件 | 主な目的 |
|---|---|---|---|
| 一般任意加入 | 国内居住の日本人(強制加入対象外) | 60歳以上65歳未満 | 年金額の増額(保険料納付期間を延ばす) |
| 在外邦人任意加入 | 国外居住の日本国籍者 | 20歳以上65歳未満 | 受給資格期間の確保・年金額の増額 |
| 特例任意加入 | 受給資格期間未達の者 | 65歳以上70歳未満 | 受給資格期間(10年)の達成 |
アの誤り(厚生年金被保険者は任意加入不可):
60〜65歳でも厚生年金保険の被保険者(第2号被保険者)は、国民年金に重ねて任意加入することはできません。この場合は厚生年金の保険料を払い続けることで老齢厚生年金(プラス老齢基礎年金)の受給権を得ます。
イの誤り(在外邦人は20歳以上65歳未満まで任意加入可能):
国年法附則第5条第1項第3号の在外邦人任意加入は20歳以上65歳未満が対象です。60歳以上の在外邦人も任意加入できます。
国内居住者の場合は60歳までは強制被保険者(第1号)であり、60歳以上65歳未満が任意加入の対象です(同条第1項第2号)。一方、海外居住者は強制加入の対象外であるため、20歳から65歳未満まで一貫して任意加入の対象となります。
オの誤り(任意加入に免除制度なし):
任意加入は「自発的に加入した者」であるため、保険料の免除制度は適用されません。任意加入を選択しながら保険料を払わないという状況は制度上想定されていません。保険料を払わない場合は任意加入を取りやめることになります。
エの誤り(特例任意加入は受給資格期間を満たしていない者のため):
特例任意加入の対象は「受給資格期間を満たしていない65歳以上70歳未満の者」です。受給資格期間を満たした者が年金額を増やしたい場合は、60歳以上65歳未満の一般任意加入(納付済期間が480月未満の者)で対応するのが制度の組み立てです。65歳以降は「年金額の増額」ではなく「受給資格の取得」のための制度と整理しましょう。
特例任意加入の実務的意義:
受給資格期間が10年に短縮されたことで、特例任意加入の利用機会は減少しています。それでも65歳時点で保険料納付済期間・免除期間・合算対象期間を合わせても10年に届かない者にとっては、受給資格を得るための手段になります。
【国民年金の任意加入制度の変遷:国民皆年金の実現と「40年満額」を目指す制度設計】
任意加入被保険者制度は、国民年金が1961年(昭和36年)に国民皆年金制度として発足した当初から、全国民を強制加入させることが困難であったことへの補完措置として設けられました。
制度発足時の課題:
国民年金発足時(昭和36年)に既に40歳以上だった者は、強制加入になっても40年間の全期間保険料を払えないため、満額の老齢基礎年金を受けられません。このような「制度加入時の年齢」による不平等を緩和するために、任意加入制度が重要な役割を担ってきました。
60〜65歳の一般任意加入の実務的活用:
60歳に達した時点で保険料の納付済期間が40年に達していない者(例:30年しか払っていない者)は、60歳以降も任意加入して65歳まで保険料を納め続けることで老齢基礎年金の受給額を増やすことができます。
計算例:
- 保険料納付済期間が35年(420か月)の場合、老齢基礎年金は満額×420/480 = 87.5%
- 60〜65歳に5年(60か月)追加で任意加入すると満額×480/480 = 100%
- 月額で約70,608円(満額)受給可能
在外邦人任意加入の歴史的意義:
戦後の高度経済成長期から1970〜80年代にかけて、日本企業の海外進出・海外駐在が増加しました。国民年金の強制加入は「日本国内に住所を有する日本国籍者」が対象であるため、海外赴任した自営業者・日系人等は強制加入から外れてしまいます。在外邦人の任意加入(国民年金法附則第5条第1項第3号)はこのような者が日本の年金制度に参加し続けられるよう設けられました。
現在は社会保障協定(二国間協定)で年金通算ができる国も増えており、在外邦人の年金戦略はより複雑になっています。
特例任意加入の現代的意義(受給資格期間10年短縮後の位置づけ):
受給資格期間の短縮(25年→10年)により、特例任意加入の利用ニーズは大幅に低下しました。制度の目的はあくまで受給資格期間の確保であり、次の点に注意が必要です:
1. 受給資格期間を満たせば役目を終える: 特例任意加入は受給資格期間を満たしていない者のための制度です。10年を満たしている者が年金額を増やす目的で65歳以降に加入することはできません(エ)。合算対象期間(カラ期間)は受給資格期間には数えますが年金額には反映されないため、「資格はあるが額が低い」者の増額手段は、65歳前の一般任意加入になります。
2. 受給資格期間に届かない者の選択肢: 65歳時点で納付済期間・免除期間・合算対象期間を合わせても10年に届かない者は、特例任意加入で受給資格の取得を目指すことになります。
任意加入の手続きと注意点:
- 手続き先: 住所地の市区町村窓口(国内)または在外公館(海外)
- 口座振替が利用可能
- 付加保険料の同時加入も可能(任意加入被保険者は付加年金にも加入できる)
- 任意加入の取りやめはいつでも可能(強制適用と異なり自由脱退可能)
上位資格との接続:
FP1級では「60歳から65歳まで任意加入した場合の老齢基礎年金増加額の計算」「在外邦人の年金戦略と社会保障協定の関係」が出題されます。年金アドバイザー3級では「特例任意加入の要件と申請手続き」が頻出です。社労士実務では定年退職後の年金相談(任意加入の提案)および在外邦人を雇用する企業への社会保障協定の説明が重要業務です。
- 国民年金法e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 国民年金法附則第5条第1項第2号(任意加入・国内60〜65歳)・第3号(在外邦人任意加入・20〜65歳)(https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141)/特例任意加入(65〜70歳・受給資格期間を満たしていない者)は国民年金法の改正法附則による特例(日本年金機構「任意加入制度」https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/kanyu/20140627-03.html) 確認日: 2026-09-30 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

