社労士 国民年金法 問48:国民年金法
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)
補足的老齢年金生活者支援給付金に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア補足的老齢年金生活者支援給付金は、老齢基礎年金の受給権者であって前年の公的年金等収入額とその他の所得額の合計が老齢基礎年金満額(月額70,608円/月円)以下である者を対象として支給される。
- イ補足的老齢年金生活者支援給付金は、老齢基礎年金の受給権者であって前年の公的年金等収入額とその他の所得額の合計が老齢基礎年金満額を超え一定の基準額以下である者を対象とし、所得が高いほど支給額が低くなる逓減方式で支給される。正答
- ウ補足的老齢年金生活者支援給付金の支給額は、老齢年金生活者支援給付金の基準額(月額5,310円/月(補足的老齢年金生活者支援給付金は別途・所得に応じ按分)円)と同額である。
- エ補足的老齢年金生活者支援給付金は、障害年金生活者支援給付金と同様に差押えが禁止されているが、所得税の課税対象となる点が異なる。
- オ補足的老齢年金生活者支援給付金を受給するためには、老齢基礎年金の受給権者であることのほか、保険料全額免除期間を10年以上有することが要件とされている。
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正答はイです。
補足的老齢年金生活者支援給付金は、前年の公的年金等収入額とその他の所得の合計が老齢基礎年金満額を超え一定の基準額以下である老齢基礎年金の受給権者に支給され、所得が高いほど支給額が低くなる逓減方式が採用されています。
アは誤り。所得が老齢基礎年金満額以下の者は「老齢年金生活者支援給付金」(別の給付)の対象です。
ウは誤り。補足的老齢年金生活者支援給付金の額は老齢年金生活者支援給付金の基準額(5,310円/月(補足的老齢年金生活者支援給付金は別途・所得に応じ按分)円)より低い金額となります(逓減のため)。
エは誤り。補足的老齢年金生活者支援給付金も非課税です。
オは誤り。保険料全額免除期間の要件はありません。
老齢給付金と補足的老齢給付金の区分整理(所得水準による振り分け):
| 所得水準 | 該当する給付 | 支給額の性質 |
|---|---|---|
| 前年所得が老齢基礎年金満額以下 | 老齢年金生活者支援給付金 | 月額5,310円/月(補足的老齢年金生活者支援給付金は別途・所得に応じ按分)円(保険料納付期間で按分)|
| 前年所得が満額超〜一定額以下 | 補足的老齢年金生活者支援給付金 | 満額超過分に応じ逓減(5,310円/月(補足的老齢年金生活者支援給付金は別途・所得に応じ按分)円未満) |
| 前年所得が一定額超 | 支給なし | — |
補足的老齢給付金を設けた理由(所得逆転防止):
仮に「満額以下なら給付・超えたら即ゼロ」という設計だと、所得が満額をわずかに超えただけで給付がゼロになり、「所得が多い人の手取りが少ない」という逆転現象が生じます。これを防ぐため、満額超の範囲で段階的に逓減させる緩衝帯として補足的老齢年金生活者支援給付金が設けられています。
各誤り選択肢の整理:
- ア:満額以下は老齢年金生活者支援給付金が正(満額超は補足的)。所得要件の閾値を逆に誤解させるひっかけ。
- ウ:補足的は逓減給付のため必ず5,310円/月(補足的老齢年金生活者支援給付金は別途・所得に応じ按分)円より低い。
- エ:年金生活者支援給付金制度全体(老齢・障害・遺族・補足的)が非課税・差押禁止。補足的だけ課税という例外規定は存在しない。
- オ:保険料全額免除期間の要件は存在しない。所得要件のみが支給の振り分け基準。
【補足的老齢年金生活者支援給付金の立法技術的設計と実務的意義】
補足的老齢年金生活者支援給付金は、2019年(令和元年)10月に施行された年金生活者支援給付金制度(「年金生活者支援給付金の支給に関する法律」第4条)の一区分として創設されました。この給付金の核心は「所得逆転防止機能」を持つ緩衝帯設計です。
所得逆転問題の数値例(なぜ補足的が必要か):
仮に老齢基礎年金満額(年額70,608円/月×12円)を境界として「以下なら月額5,310円/月(補足的老齢年金生活者支援給付金は別途・所得に応じ按分)円を支給・超えたらゼロ」と設計すると:
- 所得が満額相当−1円の者 → 給付金5,310円/月(補足的老齢年金生活者支援給付金は別途・所得に応じ按分)円受給あり → 実質手取りが高い
- 所得が満額相当+1円の者 → 給付金ゼロ → 実質手取りが逆転して低い
この逆転を解消するため、超過分に応じて5,310円/月(補足的老齢年金生活者支援給付金は別途・所得に応じ按分)円から段階的に逓減し、最終的にゼロになる設計が採用されています。
計算構造(法律第4条の精緻な理解):
補足的老齢年金生活者支援給付金の月額は以下の計算式で求められます:
支給額 = (上限基準額 − 前年所得) ÷ (上限基準額 − 老齢基礎年金満額相当額) × 5,310円/月(補足的老齢年金生活者支援給付金は別途・所得に応じ按分)円
この式により、所得が老齢基礎年金満額相当に近ければ5,310円/月(補足的老齢年金生活者支援給付金は別途・所得に応じ按分)円に近い金額、上限基準額に近ければゼロに近い金額が支給されます。
支給要件の詳細(オの誤りの根拠):
補足的老齢年金生活者支援給付金の支給要件は:
1. 老齢基礎年金の受給権者であること
2. 前年の公的年金等収入額とその他の所得の合計が「老齢基礎年金満額相当額を超え、かつ一定の基準額以下」であること
3. 日本国内に住所を有すること
保険料免除期間の要件は一切なく、所得水準のみで振り分けられます。
非課税・差押禁止規定(エの誤りの根拠):
年金生活者支援給付金の支給に関する法律第16条で「給付金として支給を受けた金品は、租税その他の公課の対象としない」と規定されており、補足的老齢年金生活者支援給付金も同様に非課税・差押禁止です(同法第17条で差押禁止)。
令和8年度改定と今後の動向(hot_topic):
補足的老齢年金生活者支援給付金の上限基準額と支給額は、老齢年金生活者支援給付金の基準額(5,310円/月(補足的老齢年金生活者支援給付金は別途・所得に応じ按分)円)と同様に毎年4月に消費者物価指数に基づき改定されます。令和8年度は改定率+1.9%%で改定されています。
社労士・FP実務との接続:
社労士が年金相談を行う際、「前年所得が老齢基礎年金満額をわずかに超える相談者」に対して補足的老齢年金生活者支援給付金の存在を案内することが重要です。相談者が「所得が満額を少し超えるので給付金はもらえない」と誤解しているケースが多く、社労士による正確な制度説明が求められます。FP1級では「補足的老齢年金生活者支援給付金の計算式と所得逆転防止の設計思想」が出題されることがあります。
<!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): 年金生活者支援給付金の支給に関する法律第4条・第16条・第17条に基づく。補足的老齢年金生活者支援給付金は所得が老齢基礎年金満額超〜上限基準額以下の者に逓減支給。保険料免除期間要件なし。非課税・差押禁止は補足的も同様。一次ソース:厚労省・e-Gov公式確認済。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 年金生活者支援給付金の支給に関する法律第4条(https://laws.e-gov.go.jp/law/430AC0000000061) 確認日: 2026-06-08 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。