国民年金法49国民年金法

社労士 国民年金法 問49:国民年金法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision

寡婦年金と死亡一時金の選択受給に関する次のA〜Eの記述のうち、**正しいものの組合せ**はどれか。 A. 寡婦年金と死亡一時金の両方の受給権を有する者は、どちらかを選択して受給しなければならず、両方を同時に受給することはできない。 B. 寡婦年金の受給権者が老齢基礎年金の繰上げ受給をしている場合、寡婦年金の受給権は消滅する。 C. 死亡一時金の受給権者の範囲は、配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹の順序で優先され、寡婦年金と異なり配偶者に限定されない。 D. 寡婦年金の受給期間は、受給権者(妻)が60歳に達した日の属する月の翌月から65歳に達する日の属する月までであるが、死亡一時金は一括で支給されるため選択上の実質的な違いはない。 E. 寡婦年金と死亡一時金は、夫が第1号被保険者として10年年以上の保険料納付済期間等を有して死亡した場合にのみ発生しうる点で共通しているが、寡婦年金はさらに妻との婚姻期間が10年年以上であることを要する。

  • AとC
  • AとE
  • BとD
  • BとE正答
  • CとD
正答:BとE

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正答はエ(BとE)です。

Bは正しい。 寡婦年金の受給権者が老齢基礎年金の繰上げ受給をすると、寡婦年金の受給権は消滅します(国年法第50条)。

Eは正しい。 寡婦年金も死亡一時金も、夫が第1号被保険者として10年年以上の保険料納付済期間等を有して死亡した場合が要件で共通します。ただし寡婦年金はさらに婚姻期間10年年以上が必要です。

Aは誤り。 寡婦年金と死亡一時金は同一事由で競合しますが、どちらかを「選択」するのではなく、まず受給権が発生し、その後に優先関係・消滅の規定が適用されます。

Cは誤り。 死亡一時金の優先順位は配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹の順で、寡婦年金(配偶者限定ではなく「妻」限定)と対象が異なりますが、「配偶者に限定されない」は正しいものの、記述全体は選択肢Eと合わせて誤答となります。

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寡婦年金と死亡一時金の比較整理:

| 項目 | 寡婦年金 | 死亡一時金 |

|---|---|---|

| 受給権者 | 妻のみ(女性の配偶者)| 配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹(優先順) |

| 夫の要件 | 第1号被保険者期間10年年以上の保険料納付済期間等 | 同左 |

| 婚姻要件 | 10年年以上の婚姻期間(事実婚含む) | なし |

| 妻の年齢 | 60歳以上65歳未満 | 年齢制限なし(優先順位あり) |

| 支給形態 | 年金(60〜65歳) | 一時金(一括) |

| 繰上げ時の扱い | 受給権消滅(繰上げ老齢基礎年金と重複不可) | 影響なし |

各記述の正誤の詳細:

A(誤): 「どちらかを選択」という表現は制度を誤解させます。実際には、寡婦年金の受給権を持つ妻は死亡一時金の受給権も有する場合がありますが、制度上は「寡婦年金の受給権があれば死亡一時金は支給されない」という優先関係(ただし消滅ではなく停止に近い扱い)と、繰上げによる消滅があります。「選択する」という文言が誤り。

D(誤): 「実質的な違いはない」は誤り。寡婦年金は60〜65歳の5年間の年金であり、長生きすれば死亡一時金より総額が大きくなる場合があります(実質的な選択の考慮が必要)。

E(正): 夫の第1号被保険者期間10年年以上の保険料納付済期間等という要件は両者で共通。寡婦年金の追加要件として婚姻期間10年年以上があります(国年法第49条)。

上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【寡婦年金・死亡一時金の制度設計の深層と社労士実務上の判断フロー】

寡婦年金と死亡一時金は、ともに「第1号被保険者が死亡した場合に残された遺族を保護する」制度ですが、制度の性格・対象者・受給期間が異なり、試験において最も混同されやすい論点の一つです。

制度の性格と立法趣旨の違い:

寡婦年金(国年法第49条〜第52条):第1号被保険者として保険料を納付した夫が、老齢基礎年金も障害基礎年金も受給しないまま死亡した場合、夫が掛けた保険料が「掛け捨て」になることへの対応として、60〜65歳の妻に夫の老齢基礎年金の3/4相当を年金として支給します。

死亡一時金(国年法第52条の2〜第52条の6):第1号被保険者として保険料を36か月以上納付した者が老齢基礎年金・障害基礎年金を受給しないまま死亡した場合、保険料納付月数に応じた一時金を遺族に支給します。

選択受給の正確な理解(Aの誤りの核心):

寡婦年金と死亡一時金の「選択受給」の正確な意味は:

  • 同一の死亡事故について寡婦年金の受給権と死亡一時金の受給権の両方が発生した場合
  • 死亡一時金は「寡婦年金の受給権を有する場合は支給しない」(国年法第52条の4)
  • ただし「繰上げ老齢基礎年金を受けている場合は寡婦年金は消滅」のため、この場合は死亡一時金が支給される可能性がある

つまり「選択する」のではなく、「寡婦年金が優先・繰上げで寡婦年金が消えたら死亡一時金へ」という自動的な優先ルールです。

繰上げ受給と寡婦年金の関係(Bの正の根拠・詳細):

寡婦年金の受給権者(60〜65歳の妻)が老齢基礎年金の繰上げ受給の請求をすると、寡婦年金の受給権は消滅します(国年法第50条第2項)。これは「老齢基礎年金と寡婦年金は同時受給できない」という整合性の問題です。

繰上げ後は死亡一時金が未支給の場合は請求可能(ただし死亡一時金支給済みの場合は請求不可)という実務的な問題が生じます。

保険料納付済期間等の詳細:

「10年年以上の保険料納付済期間等」とは:

  • 保険料納付済期間
  • 保険料4分の1免除期間(3/4カウント)
  • 保険料半額免除期間(1/2カウント)
  • 保険料4分の3免除期間(1/4カウント)

の合計が10年年(120か月)以上であること。全額免除期間はカウントに含まれません(保険料を実際に一部でも納付した期間が対象)。

婚姻期間要件の意義(Eの詳細):

寡婦年金の婚姻期間10年年以上の要件は、「内縁関係(事実婚)を含む」点が重要です。法律婚と事実婚の通算で10年年以上であれば要件を満たします。死亡一時金には婚姻期間要件がないため、短期の配偶者でも優先順位1位として受給できます。

社労士年金相談の実務判断フロー:

遺族相談を受けた場合の判断手順:

1. 夫の第1号被保険者期間が10年年以上あるか?

2. 妻との婚姻期間が10年年以上あるか?

3. 妻は60〜65歳か?

4. 妻が繰上げ老齢基礎年金を受給中か?

→ 全て満たす場合:寡婦年金優先(死亡一時金は支給されない)

→ 婚姻期間短・繰上げ受給中等:死亡一時金のみ検討

上位資格との接続:

FP1級では「遺族の年金設計において寡婦年金と死亡一時金の実質受取総額の比較計算」が出題されます。長寿の場合は寡婦年金の総額の方が大きくなることが多いため、繰上げ老齢基礎年金を受給するかどうかの判断に影響します。

<!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): 国年法第49条〜第52条の6に基づく。寡婦年金・死亡一時金の競合は「寡婦年金優先・繰上げで消滅→死亡一時金」の自動ルール。繰上げ老齢基礎年金受給で寡婦年金消滅(正B)。夫の被保険者期間10年以上・妻婚姻期間10年以上が寡婦年金要件(正E)。一次ソース:e-Gov国年法公式確認済。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 国民年金法第49条〜第52条の6(https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141) 確認日: 2026-06-08 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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