問題
寡婦年金と死亡一時金に関する次のA〜Eの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。 A. 寡婦年金の受給権は、受給権者が60歳に達したときに消滅する。 B. 寡婦年金は、夫の死亡について労働基準法の規定による遺族補償が行われるべきものであるときは、死亡日から6年間、その支給が停止される。 C. 死亡一時金を受けることができる遺族は、原則として、死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものであり、受給権者が妻に限られる寡婦年金と異なり、夫も含まれる。 D. 死亡一時金は、死亡した者の死亡日においてその者の死亡により遺族基礎年金を受けることができる者があるときであっても、その遺族に支給される。 E. 死亡一時金の支給要件となる第1号被保険者としての保険料納付済期間等の月数は、寡婦年金の夫の期間要件と同じく10年(120月)以上である。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はア(BとC)です。
Bは正しい。 寡婦年金は、当該夫の死亡について第41条第1項に規定する給付(労働基準法の規定による遺族補償)が行われるべきものであるときは、死亡日から6年間、その支給を停止します(第52条)。
Cは正しい。 死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹で、死亡の当時その者と生計を同じくしていた者です(第52条の3第1項本文)。寡婦年金の受給権者が「妻」に限られる(第49条第1項)のと異なり、夫も含まれます。
Aは誤り。 寡婦年金の受給権は、受給権者が65歳に達したとき(又は死亡・婚姻・養子縁組など第40条第1項各号に該当したとき)に消滅します(第51条)。60歳は、60歳未満の妻に対する支給が始まる時期です(第49条第3項)。Dは誤り。 死亡日にその者の死亡により遺族基礎年金を受けることができる者があるときは、死亡一時金は支給されません(第52条の2第2項第1号。死亡日の属する月に遺族基礎年金の受給権が消滅したときを除く)。Eは誤り。 死亡一時金の要件は、第1号被保険者としての保険料納付済期間等の月数(一部免除期間は所定の割合で換算)が36月以上であることで(第52条の2第1項)、寡婦年金の10年(120月)要件とは異なります。
寡婦年金と死亡一時金の対比整理:
| 項目 | 寡婦年金 | 死亡一時金 |
|---|---|---|
| 受給権者 | 妻のみ(第49条) | 配偶者(夫を含む)・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹(第52条の3) |
| 死亡した者の要件 | 第1号被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間の合算が10年以上の夫(第49条第1項) | 第1号被保険者期間に係る保険料納付済期間等の月数(一部免除は所定割合で換算)が36月以上(第52条の2第1項) |
| 婚姻・生計要件 | 夫によって生計を維持し、婚姻関係(事実婚含む)が10年以上継続した65歳未満の妻 | 死亡の当時生計を同じくしていたこと |
| 支給しない・停止 | 夫の死亡について労働基準法の遺族補償が行われるべきときは死亡日から6年間停止(第52条) | 死亡日に遺族基礎年金を受けることができる者があるときは支給しない(第52条の2第2項) |
| 失権 | 65歳到達、又は第40条第1項各号(死亡・婚姻・直系血族等以外の養子)(第51条) | —(一時金) |
Bの正の詳細(寡婦年金の支給停止):
第52条は「寡婦年金は、当該夫の死亡について第四十一条第一項に規定する給付が行われるべきものであるときは、死亡日から六年間、その支給を停止する」と定めています。第41条第1項に規定する給付とは、労働基準法の規定による遺族補償です。遺族基礎年金の同じ仕組み(第41条第1項)を寡婦年金にも当てはめたものです。
Cの正の詳細(遺族の範囲の違い):
寡婦年金は「妻」に限定されるのに対し、死亡一時金は配偶者(夫を含む)・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹のうち、死亡の当時生計を同じくしていた者が対象で、この順序で受ける者が決まります(第52条の3第1項・第2項)。ただし、子が遺族基礎年金の受給権を取得したがその子と生計を同じくする父又は母があるため支給停止となる場合(第52条の2第3項)に支給される死亡一時金は、生計を同じくしていた配偶者に限られます(第52条の3第1項ただし書)。
【寡婦年金と死亡一時金の要件・支給制限の全体像】
寡婦年金(第49条〜第52条)と死亡一時金(第52条の2〜第52条の6)は、いずれも第1号被保険者としての保険料納付の実績がある者が死亡した場合の給付で、老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある者の死亡には支給されない点が共通します(第49条第1項ただし書・第52条の2第1項ただし書)。一方、対象者・要件・支給制限は大きく異なります。
寡婦年金の要件(第49条)と支給期間:
死亡日の前日において、死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間の合算が10年以上である夫(保険料納付済期間又は学生納付特例期間以外の保険料免除期間を有する者に限る)が死亡し、夫によって生計を維持し、婚姻関係(事実婚含む)が10年以上継続した65歳未満の妻に支給されます。60歳未満の妻には60歳に達した日の属する月の翌月から支給が始まり(第49条第3項)、65歳到達などで受給権が消滅します(第51条)。額は、夫の第1号被保険者期間につき第27条の例で計算した額の4分の3です(第50条)。
寡婦年金の支給停止(第52条):
夫の死亡について労働基準法の遺族補償が行われるべきときは、死亡日から6年間支給を停止します。停止期間は「死亡日から」数えるため、60歳未満の妻の場合、支給開始(60歳到達月の翌月)より前に停止期間が終わることもあります。
死亡一時金の要件(第52条の2)と額:
第1号被保険者期間に係る保険料納付済期間の月数に、4分の1免除期間の月数の4分の3・半額免除期間の月数の2分の1・4分の3免除期間の月数の4分の1を合算した月数(全額免除期間は算入しない)が36月以上である者の死亡が要件です。死亡日に遺族基礎年金を受けることができる者があるときは支給されません(第2項第1号)。額は合算月数に応じて12万円から32万円までの6段階で、付加保険料の納付済期間が3年以上あれば8,500円が加算されます(第52条の4)。
社労士・FP実務との接続:
遺族相談を受けた社労士は、寡婦年金は妻に限られ、労働基準法の遺族補償との関係で6年間停止されうること、死亡一時金は夫を含む生計同一の遺族が対象で、遺族基礎年金を受けられる者がいれば支給されないことを、要件月数(10年と36月)とあわせて正確に説明する必要があります。
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出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 国民年金法第41条第1項(労働基準法の遺族補償との調整)・第49条(寡婦年金の支給要件)・第50条(寡婦年金の額)・第51条(寡婦年金の失権)・第52条(寡婦年金の支給停止)・第52条の2(死亡一時金の支給要件)・第52条の3(死亡一時金の遺族の範囲及び順位)・第52条の4(死亡一時金の額)(https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141) e-Gov 法令API v2 で全文照合 確認日: 2026-09-30 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

