問題
遺族基礎年金の額改定に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
正答はエです。
子が18歳年度末(3月31日)を過ぎると遺族基礎年金の加算対象から外れますが、障害の状態(障害等級1〜2級)にある子は20歳に達するまで加算が継続されます(国年法第39条第3項第6号〜第8号)。
ア・イ・ウ・オはいずれも誤りです。アは、受給権取得の当時胎児であった子が生まれたときは、その子を加算対象の子とみなし、生まれた月の翌月から額を改定します(第39条第2項)。イは、子の1人が死亡して減ったときは、その翌月から子の数に応じて額が改定されます(第39条第3項第1号)。ウは遡及精算の規定はありません。オは「子のみ」の場合も2人目以降に加算があります(第39条の2)。
遺族基礎年金の額と改定の仕組み:
| 受給者 | 年金額の構成(令和8年度・昭和31年4月2日以後生まれ) |
|---|---|
| 子のある配偶者 | 基本額847,300円 + 子の加算(1〜2人目:各243,800円 / 3人目以降:各81,300円) |
| 子のみ | 1人目:847,300円 + 2人目以降加算 / 2人目:243,800円加算 / 3人目以降:81,300円加算 |
オの誤りの詳細:「子のみ」の場合も加算あり
「子のみ」の場合、最初の子が基本額847,300円を受け取り、2人目以降に加算が付きます。決して「基本額のみ」ではありません。
エの正しい内容(障害のある子の20歳まで継続):
子の加算が外れる事由(第39条第3項。該当した月の翌月から改定):
- 死亡
- 婚姻(事実婚を含む)
- 配偶者以外の者の養子となったとき
- 離縁によって死亡した被保険者の子でなくなったとき
- 配偶者と生計を同じくしなくなったとき
- 18歳年度末(3月31日)が終了(障害等級に該当する子を除く)
- 障害等級に該当する子の障害の事情がやんだとき(18歳年度末までの間を除く)
- 20歳に達したとき
イの誤りの詳細:
子が2人以上いて、そのうち1人を除いた子が死亡などに該当したときは、該当した日の属する月の翌月から、子の数に応じて年金額が改定されます(第39条第3項)。「改定されない」「人数で固定」は誤りです。
ウの誤りの詳細(遡及精算なし):
加算額を遡って精算する規定はありません。年金は受給権が消滅した月の分まで支給され(第18条第1項)、翌月分からは支給されません。
アの誤りの補足:
配偶者が受給権を取得した当時胎児であった子が生まれたときは、その子は受給権取得の当時に要件を満たし生計を同じくしていた子とみなされ、生まれた日の属する月の翌月から年金額が改定されます(第39条第2項)。
【遺族基礎年金の額改定の全プロセスと子の失権事由別の実務対応】
遺族基礎年金の額は固定ではなく、受給期間中に子の人数が変動するたびに改定されます。この動的改定の仕組みを正確に理解することが社労士実務では不可欠です。
子の失権事由と改定タイミングの整理:
| 子の失権事由 | 改定タイミング |
|---|---|
| 18歳年度末(3月31日)経過 | 翌月(4月)分から改定 |
| 20歳に達した日(障害1〜2級のある子) | 20歳到達日の翌月分から改定 |
| 死亡 | 死亡月の翌月分から改定 |
| 婚姻(事実婚を含む) | 婚姻月の翌月分から改定 |
| 配偶者以外の者の養子となった | 縁組月の翌月分から改定 |
| 離縁・配偶者と生計を同じくしなくなった | 該当月の翌月分から改定 |
障害のある子の20歳まで継続の根拠(エの詳細):
遺族基礎年金を受けられる「子」は、死亡の当時「18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか、又は20歳未満であって障害等級に該当する障害の状態にあり、かつ、現に婚姻をしていない」子です(国年法第37条の2第1項第2号)。受給中の改定も同じ考え方で、18歳年度末の終了は「障害等級に該当する障害の状態にあるときを除く」とされ、障害のある子は「20歳に達したとき」に加算から外れます(第39条第3項第6号・第8号)。障害等級は1級・2級で、子自身が障害基礎年金の1〜2級に該当する程度の状態です。
なお「18歳年度末」とは18歳に達した日の属する年度の末日(3月31日)であり、学年の終わりに合わせた設計です。高校卒業年齢と一致させるための配慮です。
子のみの場合の額の計算(オの誤りの詳細):
「子のみ」が遺族基礎年金を受給する場合(配偶者が死亡・失権等の理由で不存在の場合):
子が1人:847,300円(基本額)
子が2人:847,300円 + 243,800円
子が3人:同上 + 81,300円
子が複数いる場合、この合計額を子の数で除した額が各子の年金額になります(第39条の2第1項)。受給権を有する子の数に増減が生じたときは、その翌月から額を改定します(同条第2項)。
子の出生後の加算(アの誤りの補足・精緻な理解):
死亡した被保険者の配偶者が遺族基礎年金受給中に子を出産した場合:
- その子が配偶者の受給権取得の当時胎児であった子(死亡した被保険者の子)であれば、受給権取得の当時に要件を満たし生計を同じくしていた子とみなされ、生まれた月の翌月から加算されます(第39条第2項。遺族の範囲についても第37条の2第2項で同様にみなす)
- 死亡後に他の者との間に設けた子は「死亡した被保険者の子」ではないため対象外です
アの選択肢は、胎児であった子が生まれた場合も「加算対象に含まれない」としているため誤りです。
配偶者の再婚による受給権消滅と子の権利の継続:
配偶者が再婚(事実婚を含む)すると、配偶者の遺族基礎年金の受給権は消滅します(国年法第40条第1項第2号)。しかし子の受給権は配偶者の再婚によって消滅しません。子が再婚相手の養子となっても、再婚相手は子の直系姻族にあたるため、子の受給権は消滅しません(第40条第1項第3号は直系血族・直系姻族の養子を除く)。ただし、生計を同じくするその子の父または母がある間は、子に対する遺族基礎年金は支給停止になります(第41条第2項)。
ウの誤り(遡及精算なし):
年金は受給権が消滅した月の分まで支給され、翌月分からは支給されません(第18条第1項)。加算額を遡って精算するという規定はありません。
- 国民年金法第39条・第37条の2・第40条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 国民年金法第37条の2(遺族の範囲)・第38条(額)・第39条(配偶者の年金額・第2項=胎児の出生による改定・第3項=子の減少による改定)・第39条の2(子の年金額)・第40条(失権)・第41条第2項(子の支給停止)(https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141) 確認日: 2026-09-30 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

