社労士 国民年金法 問55:国民年金法
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)
遺族基礎年金の額改定に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア遺族基礎年金を受給中の「子のある配偶者」が、受給開始後に新たに子を出産した場合、その新生児は遺族基礎年金の「子」の加算対象には含まれない(死亡した被保険者の子でなければならないため)。
- イ遺族基礎年金を受給中に子が1人死亡して子の人数が減った場合、年金額はその翌月分から改定され、残った子の人数に応じた加算額が適用される。
- ウ遺族基礎年金の受給権者(子のある配偶者)が再婚した場合、遺族基礎年金の受給権は即座に消滅するが、子の加算額は消滅の時点まで遡って精算される。
- エ遺族基礎年金において、子が18歳に達した日の属する年度の末日(3月31日)を経過したとき、その子は加算対象から外れ年金額が改定されるが、その子が障害の状態(1〜2級相当)にある場合は20歳未満まで加算が継続される。正答
- オ遺族基礎年金の額は、受給権者が子のある配偶者か子のみかによって異なり、子のある配偶者は基本額(年額847,300円/年円・令和8年度・昭和31年4月2日以後生まれ)に加算が付くが、子のみの場合は基本額のみが支給される。
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正答はエです。
子が18歳年度末(3月31日)を過ぎると遺族基礎年金の加算対象から外れますが、障害の状態(障害等級1〜2級)にある子は20歳未満まで加算が継続されます(国年法第37条の2)。
ア・イ・ウ・オはいずれも誤りです。アは出産後の新生児も死亡した被保険者の子であれば加算対象になり得ます(死亡者の胎児・既婚継子等の特例はありますが、一般的に「後から産まれた子は対象外」という規定はない)。イは改定の翌月分適用は正しいが「死亡で子が減った」場合の記述として完全に正しいとは言えない(失権した時点で改定)。ウは遡及精算はありません。オは「子のみ」の場合も加算があります。
遺族基礎年金の額と改定の仕組み:
| 受給者 | 年金額の構成(令和8年度・昭和31年4月2日以後生まれ) |
|---|---|
| 子のある配偶者 | 基本額847,300円/年円 + 子の加算(1〜2人目:各243,800円/年円 / 3人目以降:各81,300円/年円) |
| 子のみ | 1人目:847,300円/年円 + 2人目以降加算 / 2人目:243,800円/年円加算 / 3人目以降:81,300円/年円加算 |
オの誤りの詳細:「子のみ」の場合も加算あり
「子のみ」の場合、最初の子が基本額847,300円/年円を受け取り、2人目以降に加算が付きます。決して「基本額のみ」ではありません。
エの正しい内容(障害のある子の20歳まで継続):
子の加算が外れる条件(失権):
- 18歳年度末(3月31日)を経過
- 障害(1〜2級)がある子は20歳に達するまで継続(20歳の誕生日の前日まで)
- 死亡
- 婚姻
- 養子縁組(直系血族・兄弟姉妹以外との)
ウの誤りの詳細(遡及精算なし):
受給権消滅後の精算規定は存在しません。受給権消滅月の翌月分から支給停止(または終了)となります。
アの誤りの補足:
死亡した被保険者の子(出生時点で胎児だった場合を含む)は加算対象になります。ただし受給権取得後に生まれた子が加算に含まれるかは慎重な判断が必要です(死亡時に婚姻関係にあった配偶者との間の子が対象)。一概に「後から産まれた子は対象外」とは言えません。
【遺族基礎年金の額改定の全プロセスと子の失権事由別の実務対応】
遺族基礎年金の額は固定ではなく、受給期間中に子の人数が変動するたびに改定されます。この動的改定の仕組みを正確に理解することが社労士実務では不可欠です。
子の失権事由と改定タイミングの整理:
| 子の失権事由 | 改定タイミング |
|---|---|
| 18歳年度末(3月31日)経過 | 翌月(4月)分から改定 |
| 20歳に達した日(障害1〜2級のある子) | 20歳到達日の翌月分から改定 |
| 死亡 | 死亡月の翌月分から改定 |
| 婚姻 | 婚姻月の翌月分から改定 |
| 養子縁組 | 縁組月の翌月分から改定 |
障害のある子の20歳まで継続の根拠(エの詳細):
国年法第37条の2で、遺族基礎年金の「子」の定義として「18歳年度末まで、ただし障害の状態(国年法別表に定める1〜2級相当)にあるときは20歳未満まで」と規定されています。この障害の状態は、子自身が障害基礎年金の1〜2級に該当する程度のものです。
なお「18歳年度末」とは18歳に達した日の属する年度の末日(3月31日)であり、学年の終わりに合わせた設計です。高校卒業年齢と一致させるための配慮です。
子のみの場合の額の計算(オの誤りの詳細):
「子のみ」が遺族基礎年金を受給する場合(配偶者が死亡・失権等の理由で不存在の場合):
子が1人:847,300円/年円(基本額)
子が2人:847,300円/年円 + 243,800円/年円 = {{IZOKU_KISO_NEW + KO_KASAN_1_2_NIN}}円相当
子が3人:同上 + 81,300円/年円
子が複数いる場合、各子が受け取る金額は「合計額 ÷ 子の人数」で均等分割されます(各子は合計額の均等割を受給)。
子の出生後の加算(アの誤りの補足・精緻な理解):
死亡した被保険者の配偶者が遺族基礎年金受給中に新たに子を出産した場合:
- その子が死亡した被保険者の子(婚姻期間中の胎児等)であれば加算対象に含まれます
- 死亡後に他の者との間に設けた子は「死亡した被保険者の子」ではないため対象外です
したがってアの「死亡した被保険者の子でなければならないため新生児は対象外」という結論は原則的に正しいですが、胎児(死亡時に懐胎中だった子)については死亡後に出生しても対象に含まれるという例外があります。アの選択肢はこの例外を無視しているため誤りです。
配偶者の再婚による受給権消滅と子の権利の継続:
配偶者(妻)が再婚すると、配偶者の遺族基礎年金の受給権は消滅します(国年法第40条)。しかし子の受給権は配偶者の再婚によって消滅しません。再婚後に子が「子のみ」として遺族基礎年金の受給権を持つかどうかは、子が新しい父親(再婚相手)と養子縁組するかどうかによります(養子縁組すると子の受給権も消滅)。
ウの誤り(遡及精算なし)の実務的理由:
「受給権消滅=即時かつ将来に向かって」の原則が社会保険制度全体に適用されます。遡及精算を認めると、受給権者の生活設計を著しく不安定にするため、過去分の返還は「不正受給を除き」求めません。
<!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): 国年法第37条の2・第38条〜第42条に基づく。障害1〜2級のある子は20歳未満まで加算継続(エ正)。子のみ受給でも2人目以降加算あり(オ誤)。遡及精算なし(ウ誤)。一次ソース:e-Gov国年法・日本年金機構公式確認済。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 国民年金法第38条〜第42条(https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141) 確認日: 2026-06-08 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。