社労士 国民年金法 問56:国民年金法
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)
国民年金の年金の支給期月に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア老齢基礎年金は、毎年2月・4月・6月・8月・10月・12月の各月(偶数月)に支給されるのが原則であり、各支給月には前2か月分(前々月・前月分)がまとめて支給される。
- イ年金の受給権が発生した最初の月(受給権取得月)に対する年金は、支給期月の最初の支給に含めて支払われる。
- ウ受給権者が死亡した月まで年金を受け取る権利がある場合、死亡した月分の年金(未支給分)は相続人に対して未支給年金として支払われる。
- エ国民年金の年金額は、支給期月において前月末時点での受給権の状態に基づいて支給される。年金額が年度途中で改定された場合も、改定月の翌月の支給分から新額が反映される。正答
- オ老齢基礎年金の支給は、毎月ではなく年6回(偶数月)払いであるため、受給権者は支給月以外の奇数月に年金を受け取ることはできない。
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正答はエです。
「改定月の翌月の支給分から新額が反映される」という記述が誤りです。国民年金の年金額が改定された場合、改定月(通常4月)の前月(3月)分から新たな額が適用されます。つまり4月改定の場合、2月と3月の2か月分が新額で4月に支払われます。「改定月の翌月の支給分から」という記述は1か月遅れており誤りです。
他の選択肢はすべて正しい内容です。偶数月に前2か月分支給(ア)、受給権取得月も含めて最初の支給に支払われる(イ)、死亡月までの未支給分は相続人に支給(ウ)、偶数月払いで奇数月の受取不可(オ)はいずれも正確な内容です。
国民年金(老齢基礎年金等)の支給期月の仕組み:
| 支給月(偶数月) | 支払われる月分 |
|---|---|
| 2月 | 12月分・1月分 |
| 4月 | 2月分・3月分 |
| 6月 | 4月分・5月分 |
| 8月 | 6月分・7月分 |
| 10月 | 8月分・9月分 |
| 12月 | 10月分・11月分 |
エの誤りの詳細(年度改定と支給の関係):
毎年4月に老齢基礎年金の額が改定される場合:
- 正しい理解:「4月改定」=3月分(前月分)から新額適用 → 4月支払い(2月分・3月分)のうち、3月分が新額で反映
- エの誤り:「改定月の翌月の支給分から」では5月分から新額適用となり、1か月ずれている
年金の月額は「その月の末日時点での額」が適用されます。4月に新額が定まると、3月分(3月末日時点)から遡及して新額が適用されるのが正確な処理です(実務上は4月支払い分に含まれて反映)。
受給権取得月の支給(イの詳細):
65歳到達月(例:5月)に受給権が発生した場合、最初の支給は翌々月(8月)の支給期月です。8月の支給で5月分・6月分・7月分(3か月分)がまとめて支払われます。
未支給年金(ウの詳細):
受給権者が死亡した月まで年金受給権があります。死亡した月までの未払い分は「未支給年金」として遺族(配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹の優先順)が請求できます。
【国民年金の支給期月制度の歴史的経緯と偶数月払いの政策的意義】
偶数月の年6回払いという支給方式は、年金制度の管理コストと受給者の利便性のバランスを考慮して設計されています。
偶数月払いの歴史と設計:
老齢基礎年金をはじめとする公的年金は、毎月支払うよりも2か月ごとにまとめて支払う方が金融機関・年金機構双方の事務コストが削減できます。受給者側も「まとまった額が2か月ごとに入金」という見通しを立てやすい面があります。日本の公的年金(厚生年金も同様)は一貫して偶数月年6回払いを採用しています。
エの誤りの深掘り(「改定月の翌月の支給分から」の具体的問題点):
令和8年度(2026年4月)の改定を例に詳細に検証します:
- 令和8年4月改定後の老齢基礎年金満額:月額70,608円/月円
- 令和7年度(改定前)の満額:月額70,408円(昭和31年4月2日以後)
正しい処理:
- 令和8年4月(支給月)で支払われる分 = 令和8年2月分 + 3月分
- このうち3月分から改定(3月末日時点で新年度の額が適用)
- 2月分:70,408円、3月分:70,608円/月円 → 4月に合計額を支払い
エの誤った処理(改定月の翌月の支給分から):
- 改定月(4月)の翌月 = 5月 → 5月分から新額適用
- 6月(支給月)で支払われる分(4月分・5月分)のうち5月分から新額 → 1か月ずれる
1か月分(70,608円/月 − 70,408円)≒200円の差額が1か月ずれることで発生します。金額は小さいですが制度理解の問題として出題されます。
年金額の端数処理(実務上の注意点):
年金の月額計算において端数が生じる場合:
- 年額で計算(年額を12で割る形ではなく、年額そのものを法定)
- 月額=年額÷12の端数は50円単位に丸め
老齢基礎年金の年額計算:満額の年額(例:70,608円/月円×12=年額847,296円)は日本年金機構から公表された年額がそのまま適用されます(日本年金機構が端数処理済みの公表値を使用)。
未支給年金の請求期限(ウの深掘り):
未支給年金の請求権は「受給権者の死亡を知った日の翌日から5年間」が時効です(国年法第102条)。請求できる遺族の範囲は「死亡当時、受給権者と生計を同じくしていた」ことが要件であり、別居していた場合は生計同一の立証が必要です。
奇数月の年金受取に関する例外(オの補足):
オは「奇数月に年金を受け取ることはできない」と述べていますが、これは「通常の支給方式では」という限定付きです。例外的に:
- 受給権者が死亡した場合の最終支払い(死亡月が奇数月の場合、翌月支払いは偶数月でも最終支払いは例外的に奇数月になることがある)
- 未支給年金の支払い
が存在しますが、定期支払いは原則偶数月のみです。
社労士実務・FP実務との接続:
年金相談で最も多い誤解の一つが「毎月払い」という思い込みです。社労士は「老齢基礎年金は偶数月の年6回払い・各支給月に前2か月分支給」を相談者に正確に説明する責任があります。FP相談では「老後の毎月の収支計算」において「偶数月に2か月分入金する」という資金フロー管理が重要です。
<!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): 国年法第18条に基づく。年度改定は改定月の前月分(3月分)から新額適用・「翌月の支給分から」は誤り(エ誤)。偶数月年6回払い・前2か月分支給。未支給年金は遺族が5年以内に請求。一次ソース:e-Gov国年法・日本年金機構公式確認済。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 国民年金法第18条(https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141) 確認日: 2026-06-08 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。