問題
被保険者の資格を取得した際の標準報酬月額の決定(第22条)に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はイです。
資格取得時の標準報酬月額の決定(第22条1項1号)では、月・週その他一定期間によって報酬が定められる場合、資格取得日現在の報酬額をその期間の総日数で除して得た額の30倍に相当する額を報酬月額とします。イはこれを正確に記述しています。
アは倍率が31倍となっており誤りです。ウは適用期間を「常に12月まで」としていますが、正しくは原則その年の8月まで(6月1日〜12月31日に取得した者は翌年8月まで)です。エ・オも条文と異なり誤りです。
資格取得時の標準報酬月額の決定(第22条1項各号)の整理:
| 号 | 報酬の定め方 | 報酬月額の算定方法 |
|---|---|---|
| 1号 | 月・週その他一定期間 | 資格取得日現在の報酬額 ÷ その期間の総日数 × 30 |
| 2号 | 日・時間・出来高・請負 | 資格取得月前1月間に当該事業所で同様の業務に従事し同様の報酬を受ける者が受けた報酬額の平均額 |
| 3号 | 前2号で算定困難 | 資格取得月前1月間にその地方で同様の業務・報酬を受ける者が受けた報酬額 |
| 4号 | 前3号の2以上に該当する報酬を受ける場合 | 各号の規定によって算定した額の合算額 |
適用期間(第22条2項):
資格取得月から、その年の8月まで(6月1日から12月31日までの間に資格を取得した者は、翌年の8月まで)の各月の標準報酬月額とする。
各選択肢の解説:
- ア(誤): 倍率は「30倍」であり「31倍」ではない(1号)。
- イ(正): 1号の文言どおり。
- ウ(誤): 適用期間は原則その年の8月まで。「常に12月まで」は誤り。
- エ(誤): 2号は「資格取得月前1月間」の同様業務・同様報酬の者の平均額であり、「資格取得後1月間の実際の報酬額」ではない。
- オ(誤): 3号は「被保険者の資格を取得した月前一月間に、その地方で、同様の業務に従事し、かつ、同様の報酬を受ける者が受けた報酬の額」を用いる。本人が前の勤務先で受けていた報酬の額を用いるという定めはない。
【「30倍」という係数の意味】
第22条1項1号は、資格取得日現在の報酬(月給・週給その他一定期間ごとに定められた報酬)を、その期間の総日数で除して1日あたりの単価を求め、それに30を乗じて月額に換算する方法を定めています。たとえば週給制であれば、週給の額を週の総日数(7日)で除して日額を求め、その30倍を報酬月額とします。倍率は「30倍」であり、アのような「31倍」ではありません。
【2号・3号の「実際の報酬額」を使わない理由】
日給・時間給・出来高給・請負給(2号)で報酬が定められる場合、資格取得直後の実際の報酬額は、その月の稼働日数・稼働時間によって大きくばらつき、必ずしもその後の通常の報酬水準を反映しません。そこで第22条1項2号は、資格取得日現在の実際の報酬額を使うのではなく、「資格取得月前1月間に当該事業所で同様の業務に従事し、同様の報酬を受ける者が受けた報酬額を平均した額」という、既に稼働実績のある同僚の報酬水準を参照する方式を採用しています。これにより、新規採用直後で稼働実績が乏しい者についても、実態に近い標準報酬月額を設定できます。
1号・2号の規定によって算定することが困難であるもの(たとえば同一事業所内に比較対象となる同種の労働者がいない場合)には、3号により「その地方で、同様の業務に従事し、かつ、同様の報酬を受ける者が受けた報酬の額」を用います。本人の前職の報酬を用いる定め(オ)はありません。
【4号「合算額」が想定する場面】
第22条1項4号は「前三号の二以上に該当する報酬を受ける場合には、それぞれについて、前三号の規定によつて算定した額の合算額」と定めています。これは、たとえば月給(1号該当部分)と出来高給(2号該当部分)を併せて受けるような複合的な報酬体系の被保険者について、それぞれの算定方法で計算した額を合算して報酬月額とする趣旨です。単一の算定方法だけでは捕捉しきれない複合的な報酬体系に対応するための規定です。
【適用期間(第22条2項)と定時決定(第21条)との接続】
資格取得時に決定された標準報酬月額は、資格取得月からその年の8月まで(6月1日から12月31日までの間に資格を取得した者については翌年の8月まで)適用されます。この適用期間の切れ目である「8月まで」という設定は、定時決定(第21条)による標準報酬月額の適用期間(その年の9月から翌年8月まで)と接続する形になっています。資格取得が6月1日から7月1日までの間であった者は、その年の定時決定の対象からは第21条3項により除外され、資格取得時決定の効力がそのまま次の定時決定(翌年)まで維持される仕組みになっています。社労士試験では、この「6月1日〜7月1日取得者」の定時決定除外と、「6月1日〜12月31日取得者」の資格取得時決定の適用期間(翌年8月まで)という、似て非なる二つの基準日の違いを正確に区別することが求められます。
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生年金保険法第22条(被保険者の資格を取得した際の決定)(https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115#Mp-At_22) 確認日: 2026-09-30 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

