厚生年金保険法13厚生年金保険法

社労士 厚生年金保険法 問13:厚生年金保険法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08

厚生年金保険料に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 厚生年金保険の保険料率は、平成29年9月分以降、{{KOSEI_HOKENRYO_RITSU}}で固定されており、その後段階的に引き上げられる予定はなく、現在も同率が適用されている。
  • 育児休業等(育児・介護休業法に規定する育児休業等)を取得している被保険者については、被保険者本人分および事業主負担分の厚生年金保険料がいずれも免除される。育児休業等の終了後は翌月分から保険料の納付が再開される。
  • 産前産後休業を取得している被保険者についても、育児休業等と同様に、被保険者本人分および事業主負担分の厚生年金保険料が免除される。産前産後休業中の免除期間は保険料を納付したものとはみなされず、当該期間に対応する年金額は減額される。正答
  • 厚生年金保険料の標準報酬月額の上限(第32級)は令和8年度において650,000円/月であり、これを超える報酬月額であっても保険料計算の基礎となる標準報酬月額の上限は650,000円/月となる。
  • 産後パパ育休(出生時育児休業)期間中も、育児休業等の規定が準用され、同期間中の厚生年金保険料が免除される。
正答:産前産後休業を取得している被保険者についても、育児休業等と同様に、被保険者本人分および事業主負担分の厚生年金保険料が免除される。産前産後休業中の免除期間は保険料を納付したものとはみなされず、当該期間に対応する年金額は減額される。

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正答はウ(誤っている記述)です。

ウの誤りは「保険料を納付したものとはみなされず、年金額が減額される」という後半部分です。産前産後休業中の保険料免除期間は、厚生年金保険法第81条の2の2第2項により保険料を納付したものとみなされて年金額の計算に算入されるため、当該期間によって将来の年金額が減ることはありません(不利益なし)。ウの「みなされず・減額される」は明白に誤りです。

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育休・産休・産後パパ育休の保険料免除比較(必須整理):

| 休業種別 | 根拠条文 | 本人分 | 事業主分 | 免除期間の年金額への影響 |

|---|---|---|---|---|

| 産前産後休業 | 厚年法第81条の2の2 | 免除 | 免除 | なし(納付済みとみなす) |

| 育児休業等 | 厚年法第81条の2 | 免除 | 免除 | なし(納付済みとみなす) |

| 産後パパ育休 | 厚年法第81条の3(準用) | 免除 | 免除 | なし(納付済みとみなす) |

各選択肢の解説:

  • ア(正): 厚生年金保険料率は{{KOSEI_HOKENRYO_RITSU}}(18.3%)で平成29年9月以降固定。段階引上げは平成29年9月分で完了済み。
  • イ(正): 育児休業等の期間中は被保険者本人分・事業主負担分ともに免除(厚年法第81条の2)。終了後翌月分から再開という記述も正確です。
  • ウ(誤・正答): 産前産後休業中の免除期間は厚年法第81条の2の2第2項により「保険料を納付したものとみなす」ため、年金額の計算において納付済み期間と同様に扱われます。ウの「みなされず・減額される」は条文と真逆の誤った記述で、産休取得者の不利益排除という制度趣旨にも反します。育休(第81条の2第2項)・産後パパ育休(第81条の3)も同様にみなし規定があります。
  • エ(正): 厚生年金の標準報酬月額上限は650,000円/月(第32級・令和8年度)。68万円への引上げは2027年9月施行で令和8年度試験対象外。
  • オ(正): 産後パパ育休(出生時育児休業・2022年10月創設)期間中も育児休業等の保険料免除規定が準用されます(hot_topic)。
上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【厚生年金保険料率固定化の歴史:2004年改革から平成29年完成まで】

厚生年金保険料率の固定({{KOSEI_HOKENRYO_RITSU}})は、2004年(平成16年)の年金制度大改正で決定された「保険料固定方式」の完成形です。

改正前(旧制度)では、給付水準を維持するために保険料率を都度引き上げる方式(「給付費用方式」に近い形)でした。これにより「将来も保険料が上がり続けるかもしれない」という不信感・不安感が生じ、年金制度への信頼が低下していました。

2004年改革は発想を逆転させ:

1. 保険料率を上限(18.3%)で固定: 平成16年から年0.354%ずつ引き上げ、平成29年9月分に上限18.3%に到達→以後固定。

2. 給付水準をマクロ経済スライドで自動調整: 保険料収入の範囲内に給付を収まるよう、受給者の年金額の上昇を抑制する仕組み。

この「保険料固定×給付自動調整」のセットが現在の年金制度の根幹です。{{KOSEI_HOKENRYO_RITSU}}という数字は「これ以上は上がらない」という意味で保険料の安定性を担保する重要な数値であり、社労士試験の頻出ポイントです。

【産前産後休業中の保険料免除の政策的意義(2014年4月施行)】

産前産後休業中の保険料免除制度は、2012年(平成24年)改正で導入され2014年(平成26年)4月施行です。育児休業中の免除(2000年施行)よりも遅い導入でした。

制度導入前(〜2014年3月)の状況:

  • 産前産後休業中(産前6週・産後8週)は就業不能でありながら保険料を納付する義務があった
  • この期間に収入がなく保険料の捻出が難しい(特に事業主にとっても負担)
  • 「産休中も保険料を取られる」という制度的不公平感

制度導入後(2014年4月〜):

  • 産前産後休業期間中の保険料が本人分・事業主分ともに免除
  • 免除された期間は「保険料を納付したものとみなす」ため将来の年金額は変わらない
  • 社会保険の観点から「産前産後休業は就業の妨げがない」という政策シグナル

【育休保険料免除と「手取り10割」の仕組み(hot_topic連動)】

2022年(令和4年)10月の産後パパ育休制度創設に合わせて、育休保険料免除の適用範囲も拡大されました。

育休中の「手取り10割」(実質)の計算:

```

育休給付金(雇保): 給付率67%(最初の180日)

非課税: 育休中の育休給付金は所得税・住民税の課税対象外

保険料免除: 育休中は厚生年金・健保の保険料免除(本人分・事業主分とも)

→ 本来なら天引きされていた保険料を合わせると実質的に手取りが大幅に増える

手取り10割の計算例(月給40万円の場合):

就労時の手取り: 40万円 × (1 - 社保料率約15% - 税率約10%) ≒ 30万円

育休中: 40万円 × 67% = 26.8万円 + 保険料免除 + 非課税

≒ 26.8万円 ÷ (1 - 15%) ≒ 31.5万円(保険料免除・非課税の効果を逆算すると実質30〜32万円台)

```

このように「育休中の方が手取りが増える」というケースも生じるため、産後パパ育休と組み合わせた「両親同時育休取得」による保険料免除の戦略的活用が近年注目されています。

【産後パパ育休期間中の保険料免除における注意点(月単位ルール)】

育児休業等の保険料免除は「月内に14日以上の育休がある月」という判定で行われます(2022年10月改正で月末に育休がある月も対象に変更)。産後パパ育休(最大28日・4週間)も同じ判定ルールで免除されます。

具体的な注意点:

  • 月をまたぐ育休(例:9月25日〜10月12日)の場合、9月は7日のみのため14日未満→9月分は免除対象外、10月は12日で14日未満→10月分も免除対象外となる可能性あり
  • 育休取得のタイミング(月初・月中・月末)によって免除される月が変わるため、「いつ育休を取るか」の設計が保険料節約に影響する

社労士実務では、クライアント企業の従業員が育休取得を検討する際に「月内に14日以上含まれる形で育休を設計することで保険料免除が最大化される」というアドバイスが付加価値となります。

<!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): 厚年保険料率KOSEI_HOKENRYO_RITSU=18.3%(H29.9固定)、KOSEI_HYOJUN_HOSHU_MAX=65万円(令和8年度・第32級/68万円への引上げは2027.9施行で対象外)、産休/育休/産後パパ育休の保険料免除(厚年法第81条の2/第81条の2の2/第81条の3)・みなし規定を確認。選択肢ウを「みなされず・減額される」明確な誤りに修正し、正答ウ(誤り)確定。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生年金保険法第81条の2(育休中の保険料免除)・第81条の2の2(産前産後休業中の保険料免除)・第81条の3(産後パパ育休の準用) 数値参照: KOSEI_HOKENRYO_RITSU={{KOSEI_HOKENRYO_RITSU}}(18.3%固定・平成29年9月以降)・KOSEI_HYOJUN_HOSHU_MAX={{KOSEI_HYOJUN_HOSHU_MAX}}(65万円・令和8年度・一次確認: 日本年金機構) 確認日: 2026-06-08 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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