問題
任意単独被保険者および高齢任意加入被保険者に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
正答はウです。
附則第4条の3第1項による高齢任意加入被保険者の申出をした者は、同条第2項により「その申出が受理されたときは、その日に、被保険者の資格を取得する」とされています。ウはこれを正確に記述しています。
アは誤りで、任意単独被保険者となるには厚生労働大臣の認可に加え、事業主の同意も必要です(第10条2項)。イは誤りで、老齢又は退職を支給事由とする給付の受給権を有しない者に限られます。エ・オも条文と異なり誤りです。
任意単独被保険者(第10条)と高齢任意加入被保険者(附則第4条の3)の比較:
| 項目 | 任意単独被保険者(第10条) | 高齢任意加入被保険者(附則第4条の3) |
|---|---|---|
| 対象者 | 適用事業所以外の事業所に使用される70歳未満の者 | 適用事業所に使用される70歳以上の者で、老齢・退職を支給事由とする年金たる給付(政令で定めるもの)の受給権を有しない者(第12条各号該当者を除く) |
| 手続 | 厚生労働大臣の認可(1項)+事業主の同意(2項) | 実施機関への申出(大臣の認可は不要) |
| 資格取得時期 | 認可があった日 | 申出が受理された日(附則4条の3第2項) |
| 保険料負担 | 労使折半(通常どおり) | 原則本人全額負担。ただし事業主が折半負担・納付義務を負うことに同意したときは折半(7項) |
| 保険料滞納時 | — | 初めて納付すべき保険料を滞納し指定期限までに納付しないときは、1項による被保険者とならなかったものとみなす(3項。ただし事業主同意ある場合を除く) |
各選択肢の解説:
- ア(誤): 第10条2項により、事業主の同意も必要(大臣の認可のみでは不足)。
- イ(誤): 附則第4条の3第1項は「老齢厚生年金、国民年金法による老齢基礎年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付であつて政令で定める給付の受給権を有しないもの」を対象としており、受給権を有する者は対象外。
- ウ(正): 附則第4条の3第2項の文言どおり。
- エ(誤): 3項により、初めて納付すべき保険料を滞納し指定期限までに納付しないときは、1項による被保険者とならなかったものとみなす(ただし7項ただし書の事業主同意がある場合を除く)。
- オ(誤): 7項は「保険料の全額を負担し、自己の負担する保険料を納付する義務を負うものとし」を原則とし、事業主が同意したときに限り折半となる。「常に事業主が半額負担」は誤り。
【任意単独被保険者と高齢任意加入被保険者の制度趣旨の違い】
任意単独被保険者(第10条)は、適用事業所以外の事業所(従業員数が少ない個人事業等)に使用される70歳未満の者について、本人・事業主双方の意向が一致した場合に、個別に厚生年金保険に加入する道を開く制度です。事業所単位で強制適用される通常の被保険者(第9条)と異なり、労働者個人単位での任意加入という性格を持ちます。
これに対し高齢任意加入被保険者(附則第4条の3)は、適用事業所に使用されているものの、70歳到達により当然に被保険者資格を喪失した者(第14条5号)のうち、老齢・退職を支給事由とする年金たる給付(政令で定めるもの)の受給権をまだ持たない者について、申出により引き続き厚生年金保険の被保険者となれるようにする制度です。その給付の受給権を取得したときは、その日の翌日に資格を喪失します(附則第4条の3第5項2号)。
【「事業主の同意」が持つ意味の違い】
任意単独被保険者の事業主の同意(第10条2項)は、資格取得そのものの成立要件です。事業主が同意しなければ、そもそも厚生労働大臣の認可申請自体ができません(同意を得なければ被保険者となることができない)。
一方、高齢任意加入被保険者における事業主の同意(附則第4条の3第7項ただし書)は、資格取得の要件ではなく、保険料負担の方式を決める要件です。事業主の同意がなくても本人の申出だけで高齢任意加入被保険者になることはできますが、その場合の保険料は本人が全額負担します。事業主が同意すれば、通常の被保険者と同様に労使折半となります。この「資格取得の要件」と「保険料負担方式の要件」という位置づけの違いを混同しないことが重要です。
【資格取得時期の違い(認可日 vs 受理日)】
任意単独被保険者は「厚生労働大臣の認可」があった日に資格を取得します(第13条2項)。これに対し高齢任意加入被保険者は、実施機関への「申出が受理された」日に資格を取得します(附則第4条の3第2項)。前者は行政庁による裁量的な審査(認可)を要するのに対し、後者は本人の申出が受理された事実そのものが資格取得の効果を生じさせる点で、手続の性質が異なります。
【保険料滞納時の取扱いの違い(3項・6項)】
高齢任意加入被保険者の保険料滞納には二段階の取扱いがあります。「初めて納付すべき保険料」を滞納し指定期限までに納付しない場合は、そもそも1項による被保険者に「ならなかったものとみなす」(3項)という、資格取得自体が遡って否定される厳しい扱いです。これに対し、それ以降の保険料(初めて納付すべき保険料を除く)を滞納した場合は、保険料の納期限の属する月の前月末日に資格を喪失する(6項)という、将来に向かっての資格喪失の扱いになります。いずれも事業主の同意(7項ただし書)がある場合は適用されません。この「最初の保険料」と「その後の保険料」で取扱いが異なる点は、社労士試験で狙われやすい細部です。
- 国民年金法e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生年金保険法第10条(任意単独被保険者)・附則第4条の3(高齢任意加入被保険者)(https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115#Mp-At_10) 確認日: 2026-09-30 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

