厚生年金保険法18厚生年金保険法

社労士 厚生年金保険法 問18:厚生年金保険法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision

離婚時の厚生年金の分割に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • 合意分割は、婚姻期間中の厚生年金記録のすべての期間が対象となり、1985年(昭和60年)4月1日以降の期間についてのみ適用される。
  • 3号分割では、平成20年4月以降の第3号被保険者期間の標準報酬について、常に50%が分割される(当事者の合意は不要)。
  • 合意分割の分割割合(按分割合)は、一方の配偶者が請求する場合、最大で当事者双方の標準報酬総額の50%以下でなければならない。
  • 離婚等の場合における標準報酬の改定(分割)請求は、令和8年4月1日以前は離婚した日の翌日から起算して2年以内に行わなければならなかったが、令和8年4月1日施行の改正により{{RIKON_BUNKATSU_KIGEN}}(5年)以内に延長された。正答
  • 3号分割の請求は、元の配偶者(第2号被保険者であった者)の同意なしに行うことができるが、合意分割も同様に一方の者が単独で請求を行うことができる。
正答:離婚等の場合における標準報酬の改定(分割)請求は、令和8年4月1日以前は離婚した日の翌日から起算して2年以内に行わなければならなかったが、令和8年4月1日施行の改正により{{RIKON_BUNKATSU_KIGEN}}(5年)以内に延長された。

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正答はエです。

令和8年4月1日施行の改正により、離婚時の標準報酬の分割(合意分割・3号分割)の請求期限が2年から5年に延長されました(`RIKON_BUNKATSU_KIGEN`=5年)。令和8年度試験は2026年4月10日が法令基準日であり、この改正は施行済みのため出題対象です。

各選択肢の誤りを確認します。アは誤り。合意分割の対象期間は2007年(平成19年)4月1日以降の婚姻期間の厚生年金記録です(昭和60年4月1日以降ではありません)。イは正しい内容ですが3号分割の50%は正確。ウは誤り。50%以下ではなく「相手方の標準報酬の範囲で2分の1以下」という意味で、ウの表現は不正確です。オは誤り。合意分割は当事者双方の合意または家庭裁判所の決定が必要で、一方の者が単独では請求できません。

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合意分割と3号分割の比較(試験最重要整理):

| 項目 | 合意分割 | 3号分割 |

|---|---|---|

| 根拠条文 | 厚年法第78条の2 | 厚年法第78条の13 |

| 施行日 | 2007年(平成19年)4月1日 | 2008年(平成20年)4月1日 |

| 対象期間 | 2007年4月1日以降の婚姻期間の厚生年金記録(アの誤りの根拠) | 2008年4月1日以降の第3号被保険者期間の標準報酬 |

| 分割割合 | 当事者双方の合意(または裁判所決定)で按分割合を決定。最大50% | 自動的に50%(当事者の合意不要)(イの正しい根拠) |

| 請求者 | 離婚した当事者の一方(ただし双方の合意が原則必要) | 第3号被保険者であった者が単独で請求可(オの誤りの根拠) |

| 請求期限 | 離婚等の日の翌日から{{RIKON_BUNKATSU_KIGEN}}(5年)以内(改正後) | 同左 |

2026年4月1日施行改正の詳細(hot_topic):

2023年(令和5年)の年金制度改正法により、合意分割・3号分割の請求期限が「2年→5年」に延長されました。

改正の背景:

離婚後に年金分割の申請を忘れたまま2年が経過して権利を失う事例が多発。特に離婚後の混乱や法的知識不足で対応が遅れるケースへの救済措置。社労士・弁護士への相談が離婚後1〜2年を超えるケースも多いため、実質的な権利保護のための延長です。

オの誤りの詳細(合意分割の「合意」の意味):

合意分割には当事者双方の合意が必要です。一方が分割を望んでも他方が同意しない場合は、家庭裁判所に按分割合の決定を申し立てることができます。ただし裁判所も50%を超える按分割合は認めません(法78条の3)。

上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【年金分割制度の創設背景:専業主婦(夫)の老後保障改革】

年金分割制度は、婚姻中の夫(または妻)の厚生年金記録のうち一定部分を離婚後に元配偶者が受け取れるようにする制度です。

制度創設前(2007年以前)の問題:

専業主婦(第3号被保険者)として配偶者の厚生年金保険料を実質的に支えていても、離婚すれば自分の老齢基礎年金しかなく、老後保障が極めて薄かった。一方、会社員(夫)は婚姻中に稼いだ厚生年金記録を全額保持したまま離婚後の生活を送れた。

この不公平を解消するために:

1. 合意分割(2007年4月〜): 婚姻期間中の厚生年金記録を当事者の合意(最大50%)で分割

2. 3号分割(2008年4月〜): 第3号被保険者期間の記録を自動的に50%分割

【合意分割の「按分割合」の技術的理解】

合意分割の按分割合は「婚姻期間中の当事者の標準報酬総額に占める多い方(通常は配偶者)の割合から、少ない方の割合に近づける」という方向で設定されます。

具体例:

  • 夫の婚姻期間中の標準報酬合計:5,000万円
  • 妻の婚姻期間中の標準報酬合計:0円(専業主婦)
  • 合計:5,000万円

按分割合50%の場合:夫の記録2,500万円・妻の記録2,500万円に分割。

按分割合40%の場合:夫の記録3,000万円・妻の記録2,000万円に分割(夫に多く残る)。

最大50%の意味: 合計の50%以上を一方(通常は妻)に渡すことはできません。つまり「夫より妻の方が厚生年金記録が多くなる分割」は法律上認められません(夫婦合計の50%が上限)。

【3号分割の「2008年4月以降限定」の意味と実務問題】

3号分割が2008年4月1日以降の期間のみを対象とする理由:

2007年4月(合意分割施行)から1年間、3号分割の準備が進められ2008年4月から施行。遡及効を認めると膨大な記録改定事務が生じるため将来分のみに限定。

実務上の注意:

1998年から2007年まで専業主婦だった後に離婚した場合、2007年4月以前の期間は合意分割の対象(当事者の合意または裁判所決定が必要)、2008年4月以降の期間は3号分割(単独請求可)となるため、2段階の処理が必要になります。

【2026年4月1日改正(5年延長)の実務的影響】

請求期限が2年→5年に延長されたことで:

1. 離婚後の余裕ある判断が可能に: 離婚直後は精神的・経済的混乱があり、年金分割の申請を忘れがち。5年という期限はより現実的な余裕を与える。

2. 社労士・弁護士への相談が増加: 5年以内であれば「忘れていた」「後から気づいた」ケースへの対応が可能となり、専門家への相談件数が増加する見込み。

3. 改正前に離婚した者への経過措置: 令和5年改正の附則により、令和8年3月31日以前に離婚した場合は従前どおり2年令和8年4月1日以後に離婚した場合は5年が適用される。2021〜2026年3月に離婚した者には遡及適用されず、2年の旧期限が維持される。

<!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): 令和5年法律第31号附則により、離婚日が令和8年4月1日以後のものから請求期限が5年に延長(厚年法第78条の2第2項・第78条の14)。令和8年3月31日以前の離婚は2年のまま(経過措置)。日本年金機構公式情報・日本経済新聞報道と整合確認済。-->

【上位資格・実務接続:社労士と弁護士の役割分担】

年金分割の手続き(日本年金機構への請求)は社労士が代理できます。ただし離婚交渉自体(按分割合の合意形成・家庭裁判所への申立て)は弁護士業務です。社労士は「年金分割の制度説明・請求書類の作成・代理申請」の業務を担い、弁護士と連携して依頼者を支援することが実務上の典型パターンです。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生年金保険法第78条の2(合意分割・標準報酬の改定)・第78条の13(3号分割)・令和5年法律第31号附則(請求期限2年→5年・2026-04-01施行)(https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/kyotsu/rikon/20140421-02.html) 確認日: 2026-06-08 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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