問題
在職老齢年金(老齢厚生年金の支給停止)の基本構造に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はウです。
在職老齢年金の支給停止は、総報酬月額相当額と基本月額との合計額が支給停止調整額を超えるとき、その超える額の2分の1に12を乗じた額(支給停止基準額)の支給を停止する仕組みです(第46条1項本文)。ただし、支給停止基準額が老齢厚生年金の額以上になるときは、老齢厚生年金の全部(繰下げの加算額を除く)の支給を停止します(1項ただし書)。ウはこのただし書を正確に記述しています。
アは誤りで、国会議員・地方議会議員や70歳以上の使用される者である日も対象に含まれます。イは誤りで、基本月額は加給年金額・繰下げ加算額を除いた老齢厚生年金の額から計算します。エは第36条2項の不適用(5項)に、オは「2分の1」に反し誤りです。
在職老齢年金(第46条1項)の基本構造:
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 対象となる日 | 老齢厚生年金の受給権者が①被保険者である日、②国会議員又は地方公共団体の議会の議員である日、③70歳以上の使用される者である日(いずれも前月以前から引き続く者に限る) |
| 総報酬月額相当額 | 標準報酬月額+直近1年間の標準賞与額の総額を12で除して得た額 |
| 基本月額 | 老齢厚生年金の額(加給年金額(第44条1項)及び繰下げの加算額(第44条の3第4項)を除く)を12で除して得た額 |
| 支給停止の発動 | 総報酬月額相当額+基本月額が支給停止調整額を超えるとき |
| 支給停止基準額 | (総報酬月額相当額+基本月額-支給停止調整額)×2分の1×12 |
| 全部停止 | 支給停止基準額が老齢厚生年金の額以上であるときは、老齢厚生年金の全部(第44条の3第4項の加算額を除く)の支給を停止する(1項ただし書) |
| 他の規定との関係 | 1項による支給停止の場合、第36条2項(支給停止すべき事由が生じた月の翌月から消滅した月までの間は支給しない)は適用しない(5項) |
各選択肢の解説:
- ア(誤): 1項は被保険者である日のほか、国会議員・地方公共団体の議会の議員である日、70歳以上の使用される者である日も対象に含める。
- イ(誤): 基本月額は「老齢厚生年金の額(第四十四条第一項に規定する加給年金額及び第四十四条の三第四項に規定する加算額を除く。)」を12で除して得た額であり、加給年金額・繰下げ加算額は含まれない。
- ウ(正): 1項ただし書(「支給停止基準額が老齢厚生年金の額以上であるときは、老齢厚生年金の全部(同条第四項に規定する加算額を除く。)の支給を停止するものとする」)の文言どおり。ここでいう「老齢厚生年金の額」は、1項本文の括弧書(「以下この項において同じ」)により加給年金額と繰下げの加算額を除いた額である。
- エ(誤): 5項は「第一項の規定により老齢厚生年金の全部又は一部の支給を停止する場合においては、第三十六条第二項の規定は適用しない」と定めており、重ねて適用されるとする点が誤り。
- オ(誤): 1項本文は、合計額から支給停止調整額を控除して得た額の「二分の一に相当する額に十二を乗じて得た額」を支給停止基準額とする。超える額の全額を基礎にするのではない。
【対象となる月(1項)】
第46条1項は、支給停止の対象を、老齢厚生年金の受給権者が①被保険者である日(前月以前から引き続き資格を有する者に限り、厚生労働省令で定める日を除く)、②国会議員又は地方公共団体の議会の議員である日(前月以前から引き続く者に限る)、③70歳以上の使用される者である日(前月以前から引き続き当該適用事業所において第27条の厚生労働省令で定める要件に該当する者に限る)が「属する月」としています。国会議員・地方議会議員と70歳以上の使用される者は厚生年金保険の被保険者ではありませんが、条文上は支給停止の対象に含まれます。議員については標準報酬月額に相当する額として政令で定める額等を用い、70歳以上の使用される者については、第46条2項により第20条から第25条までの規定を準用して標準報酬月額・標準賞与額に相当する額を算定します。
【基本月額と総報酬月額相当額】
基本月額は、老齢厚生年金の額から加給年金額(第44条1項)と繰下げの加算額(第44条の3第4項)を除いた額を12で除して得た額です。総報酬月額相当額は、その者の標準報酬月額と、その月以前の1年間の標準賞与額の総額を12で除して得た額とを合算して得た額です。
【支給停止基準額と全部停止(1項本文・ただし書)】
支給停止基準額は「(総報酬月額相当額+基本月額-支給停止調整額)の2分の1に相当する額に12を乗じて得た額」です(オは2分の1を落とした誤り)。その支給停止基準額が老齢厚生年金の額(加給年金額・繰下げの加算額を除いた額)以上になるときは、1項ただし書により老齢厚生年金の全部の支給を停止しますが、括弧書により繰下げの加算額は停止の対象から除かれます。つまり全部停止の場合でも、繰下げの加算額は支給されるというのが条文の構造です。
【支給停止調整額(3項)と第36条2項の不適用(5項)】
支給停止調整額は第46条3項で「六十二万円」と定められ、令和7年度以後の各年度の物価変動率等に応じて改定される仕組み(改定の措置は政令で定める。4項)になっています。各年度に適用される具体的な金額は、政令による改定後の額を確認する必要があります。また5項は、1項により支給を停止する場合には第36条2項(事由が生じた月の翌月から消滅した月までの間は支給しない)を適用しないと定めています。1項は「その月の分の当該老齢厚生年金について」停止するとしており、月ごとにその月の分を停止する仕組みだからです。
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生年金保険法第46条(支給停止)(https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115#Mp-At_46) 確認日: 2026-09-30 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

