問題
老齢厚生年金の加給年金額(子に係る部分)に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はエ(誤っている記述)です。
エの誤りは「配偶者がいる場合には子に対する加給年金額は加算されない」という部分です。加給年金額は配偶者に対する部分と子に対する部分がそれぞれ別個に加算されます(厚生年金保険法第44条)。配偶者がいる場合でも、子の加算要件を満たせば、配偶者分の加給年金額と子分の加給年金額を合わせて受給できます。
ア(子の認定要件・18歳3月31日または20歳未満障害1・2級)・イ(配偶者と子の並立・子の加給が外れても配偶者の加給は継続)・ウ(子の加給年金額の数値)・オ(18歳到達後の障害例外継続)はいずれも正しい記述です。
加給年金額の子に係る部分の要件(厚生年金保険法第44条):
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象となる「子」の年齢 | 18歳に達した日以後の最初の3月31日までにある子 |
| 障害のある子の特例 | 20歳未満で障害等級1級または2級に該当する子 |
| 共通要件 | 受給権者の生計を維持されていること |
| 子の加給年金額(令和8年度) | 1人目・2人目:1人につき243,800円/年 |
| 3人目以降 | 1人につき81,300円/年 |
配偶者と子の並立:
| 状況 | 加給年金額の扱い |
|---|---|
| 配偶者のみ | 配偶者に対する加給年金額を加算 |
| 子のみ | 子に対する加給年金額を加算 |
| 配偶者と子の両方 | 双方の加給年金額をそれぞれ加算(エが誤りである根拠) |
| 子が外れた後も配偶者がいる | 子の加給は終了・配偶者の加給は継続 |
各選択肢の解説:
- ア(正): 法第44条の「子」の定義。18歳の3月31日要件(高校卒業時点)と20歳未満の障害等級1・2級の例外が正確に記述されています。年収850万円未満等の生計維持要件も適用されます。
- イ(正): 加給年金額の配偶者分と子分はそれぞれ独立して計算・加算されます。子の加給が外れる(18歳年度末通過・障害回復等)ことは配偶者の加給に影響を与えません。
- ウ(正): 子の加給年金額(1・2人目と3人目以降の区分)は令和8年度の数値で記述されています。
- エ(誤・正答): 配偶者がいる場合でも子の加給年金額は並立して加算されます。配偶者への加給と子への加給は独立して成立します。「配偶者がいれば子の加給は加算されない」という記述は法第44条と矛盾します。
- オ(正): 18歳年度末を超えた子でも20歳未満で障害等級1・2級に該当する場合は加給年金額の対象として継続します(法第44条第1項の子の定義に両方が含まれる)。
【加給年金額の子に係る部分の実務的重要性】
加給年金額は「配偶者分」が注目されがちですが、「子分」も重要な給付です。実務では子の加給年金額の開始・終了のタイミング管理が社労士の業務に含まれます。
子の加給年金額の開始と終了(届出義務):
| イベント | 子の加給年金額への影響 | 届出(施行規則第32条) |
|---|---|---|
| 受給権者が老齢厚生年金の受給権を取得した当時に生計を維持している18歳年度末までの子がいる | 加給年金額が加算される(法第44条第1項) | 老齢厚生年金の請求時に子の状況を申し出る |
| 子が18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了した(障害等級1・2級の子を除く) | 加算されなくなる(法第44条第4項第8号) | 不要(第8号は届出の対象外) |
| 18歳年度末を過ぎた障害等級1・2級の子が、その障害の状態に該当しなくなった | 加算されなくなる(同項第9号) | 必要 |
| 子が20歳に達した | 加算されなくなる(同項第10号) | 不要(第10号は届出の対象外) |
| 子が婚姻した | 加算されなくなる(同項第7号) | 必要 |
「子」の定義の精密化(法第44条第1項):
厚生年金保険法における加給年金の「子」は以下の者:
1. 受給権者の子(実子・認知子を含む)
2. 受給権者と生計を維持していること
3. 年齢要件(18歳3月31日まで、または20歳未満の障害1・2級)
4. 年収850万円未満の生計維持要件(子自身の収入基準)
「18歳の3月31日」という表現は「18歳に達した日以後の最初の3月31日」を意味します。この3月31日が終了した時点で加給の対象外になります(障害等級1・2級の子を除く)。「18歳に達した日」を先に確定させ、その日以後に最初に来る3月31日を数えるのがポイントで、誕生日が年度の初め(4月初旬)の子は、18歳に達した日と3月31日の前後関係で対象期間がずれやすく、実務で誤りが生じやすい部分です。
配偶者加給と子加給の並立・競合関係(制度設計の理解):
加給年金制度は「受給権者の家族を扶養している場合の上乗せ」という設計のため、配偶者と子を別個に加算する構造になっています。これは子どもが多い世帯には厚く加算する設計です。
上限はありますか? → 法上は上限の規定はなく、子が10人いれば10人分が加算されます(1・2人目と3人目以降の区分はありますが上限人数の制限はない)。
在職老齢年金と加給年金の連動(試験頻出):
受給権者が在職中で老齢厚生年金の全部が支給停止される場合(在職老齢年金・高在老)、加給年金額(配偶者分・子分とも)も停止されます。「年金が停止されていても加給は受け取れる」という誤解が頻出です。
一方、老齢厚生年金が一部支給停止(一部在職老齢)の場合は、加給年金額は全額支給されます(一部停止によって加給まで削られるわけではない)。
子加給が終了した後の配偶者加給の継続と振替加算との関係(時系列理解):
例: 受給権者(65歳)、配偶者(55歳)、子(17歳)の場合
1. 受給開始時: 配偶者の加給年金額+子1人分の加給年金額を加算
2. 子が18歳年度末到達: 子の加給年金額が加算されなくなる(法第44条第4項第8号)・配偶者分は継続
3. 配偶者が65歳到達: 配偶者の加給年金額が加算されなくなる(同項第4号)→要件を満たせば配偶者の老齢基礎年金に振替加算
4. 振替加算の受給開始: 昭和41年4月2日以後生まれの配偶者には振替加算なし
- 厚生年金保険法第44条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生年金保険法第44条(加給年金額)・日本年金機構「加給年金額と振替加算」(令和8年4月から:配偶者243,800円・1人目・2人目の子 各243,800円・3人目以降の子 各81,300円 https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/roureinenkin/kakyu-hurikae/20150401.html) 確認日: 2026-09-30 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

